周囲を発酵させられる人になりたい
*この記事は、AJグループ各社(アーキ・ジャパン、アクト・ジャパン、AJホールディングス)社員に向けた社長メッセージです。noteで #オープン社内報 として公開することで、社外の方にも当社の文化社風、大切にしている価値観、経営者の考え方などが少しでも伝われば幸いです。
皆さんは「発酵」と「腐敗」の違い、わかりますか?
どちらも微生物が時間の経過とともに物質を変化させるという同じプロセスなのですが、味が引き出されて美味しく変化することもあれば、ひとの身体に有害なものになることもある。今日は、この「発酵」と「腐敗」について、人の強み弱みと絡めて話をしたいと思います。
発酵によって新たな地位が確立される
俳優の斎藤工さんが「人生は腐敗しないように発酵していくゲームだと悟りました」と言っていました。
私も発酵していくように歳を重ねて、”味”のある人間になりたいと思いますが、それ以上に周囲の人を発酵させられる存在になりたいとも思っています。
発酵は食材の旨味を増したり引き出したりします。さらに、発酵が進むと新しい食品に生まれ変わらせることもできます。例えば、牛乳という食材を発酵させることで、ヨーグルトやチーズという食品となり、確固たる新たな地位を作り出してしまうわけです。
”弱み”より”旨み”を伸ばせ
どんな人でも、食品でいうところの旨味成分を持っています。でも、自分自身ではそれが自分の旨味(=強み)であることに気づかないことが多い。私たちは、どちらかというと短所を補うことに目がいくことが多く、あれができない、これが弱いと指摘され、それらを克服しようと努力します。特に義務教育課程ではそういう教育が目につきますね。それでは均質で似たような存在(特に何かに秀でたわけではないけど、何でも人並みにできる存在)が増えていくだけで、その人の特徴や魅力が引き出されません。
それより、本人も気づいていない(かもしれない)強みや魅力を見つけ、引き出してあげることの方がずっと大切なこと。この分野だったら誰にも負けない、この仕事をさせたら活躍できるといった強みや魅力に気づき、それらを発揮できる”場”を提供することで、自分に自信が持てるようになります。
何でも人並みにできる人が集まった組織より、何かに秀でた強みをもった人たちが集まり、その強みを組み合わせて組織として力を発揮できる集団の方がずっと強いものです。以前仕事は他力本願でいいという記事を書きましたが、弱みは誰かに補ってもらえば問題ありません。だから弱みの克服は後でいい。”弱み”の克服より”旨み”の伸長の方が先決です。
「言葉」「想い」「行動」という微生物が人を発酵させる
人は他の人から多くの影響を受けます。他人の言葉、想い、行動などに、共感したり、勇気づけられたり、不安になったり、失望したり、そうした気持ちが自分の行動を変え、また周囲に影響を与えたり巻き込んだりしていきます。プラスな影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもある。まさに、「言葉」「想い」「行動」といった微生物たちが、人を発酵させたり腐敗させたりするわけです。
かける言葉、伝える想い、示す行動が、相手にどのような変化をもたらすかをよく考えなければいけません。私も自分が放つ微生物たちによって、社員と会社に発酵という化学反応をおこしたい。自分の力や魅力、会社の強みをしっかりと認識して、自信に満ちあふれた仕事ができる環境づくりをしていきたいと思います。