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コミュニケーションって難しい -言葉の意味と意図、解釈のズレを考える

私たちが使う言葉にはひとつひとつ意味があり、人間はこの言葉を使って意思疎通を図ります。でも人間同士のコミュニケーションにおいて、かならずしも言葉の意味通りのやりとりがされているとは限りません。今日は言葉のもつ「意味」と「意図」そして「解釈」の違いから、コミュニケーションの難しさについて考えたいと思います。


*この記事は、AJグループ各社(アーキ・ジャパン、アクト・ジャパン、AJホールディングス)社員に向けた社長メッセージです。noteで #オープン社内報 として公開することで、社外の方にも当社の文化社風、大切にしている価値観、経営者の考え方などが少しでも伝われば幸いです。



ヒトとAIは言葉の理解のしかたが違う

ChatGPTに代表されるような人間と会話をしているようなやりとりができる生成AIが日々進化しています。しかし、「ヒトの言葉 機械の言葉」(川添愛著)の中で、『もともとコンピューターは数を扱うものであり、コンピューターのスピーカーから「こんにちは」という音声が流れたとしても、それはコンピューターの内部では数の処理が行われているにすぎない。現在開発されているAIは、人間と同じやり方で言葉を理解しているわけではない。』と書かれています。

では、私たち人間はどのように言葉を理解しているのでしょう?私たちは、ひとつひとつの言葉の意味を分かっています。しかし、実際にコミュニケーションにおいてやりとりされるのは、自分が相手に伝えたい内容であり、それは「意図」になります。同著では、「意図」は単語や文そのものが表す内容である「意味」とは異なるとして、お笑い芸人のダチョウ俱楽部の「絶対に押すなよ」が「押せ」の意味であることを例にあげて説明がされています。これは極端な例ですが、日常の会話の中でもこうした「意味」と「意図」がズレることがよくありますよね。

私も子供に対して、同じことを何度も言わせるなという気持ちを込めて、「なんで宿題をやらないの?」と言うことがあります。言葉の「意味」としては、やらない理由を聞いていることになりますが、この場合は「何度言ってもやらないことに対する苛立ちを伝えてすぐにやらせたい」という「意図」があります。ですから子供からの返答は「ごめんなさい」となって、宿題をやるという行動につながるわけで、やらない理由が返ってくるわけではありません。これは、私と子供の間で言葉の意味と意図の違いをわかったうえでコミュニケーションをとっているということになります。

同じ言葉を使っても「意図」と「解釈」がズレる

言葉にはその意味とは別に多くの解釈があります。コミュニケーションにおいては、言葉が使われるシチュエーションや文脈、背景、あるいは表情などによって相手の意図を読み取って解釈していますから、同じ言葉でも解釈のしかたは何通りもあります。同じ言葉を使っていても、言葉を投げかけた側の「意図」と、受け取った側の「解釈」がズレればコミュニケーションは成り立ちません。この言葉の曖昧さがコミュニケーションの難しさともいえるでしょう。

アフターコロナでは、チャットやビデオ会議が必要不可欠なビジネスツールとして定着しました。これによって距離を気にせずリアルタイムな会話が可能になり、情報共有やコミュニケーションのスピードが格段にあがりました。でも、質の面で言うと、どこか伝わっていない感覚を覚えたり、違和感を感じたりすることも少なくないでしょう。それは、コミュニケーションの中で言葉の「意図」と「解釈」のズレが生じているのではないかと思います。

ビデオ会議ではいつもより大げさに頷こう

チャットやビデオ会議のスピードはとても大切な要素です。でも、同時に「意図」と「解釈」のズレが生じやすいということを意識する必要があります。YES or NOの2択で答えるような分かりやすい場合は、一言で完結できますが、背景や経緯を含めて質問や指示の意味をしっかりと伝える必要がある場合には、むしろFace to Faceのコミュニケーションよりも気を遣う必要があるでしょう。顔を合わせていれば、何を意図しているのか、伝わっているのかどうか等を表情でカバーできますが、表情や空気感が伝わらないオンラインコミュニケーションでは、それらを文章力でカバーしなければなりません。そのためには、相手がどのように解釈するかをイメージしながら文章の構成や言葉選びを慎重にすることが大切です。

また、ビデオ会議では表情が伝わるように、いつも以上に大げさな表情づくりや、頷き、首振り、身振り手振りを織り交ぜた非言語コミュニケーションを意識しましょう。多くのビデオ会議ツールでは、自分の顔も参加者のひとりとしてウィンドウに表示されますから、画面に映る自分の顔や表情も確認してみるといいですね。普通に話を聞いているつもりでも、画面に映る自分の顔を改めて見てみると、むすっとした怪訝な顔に見えるということもありえます。

様々なコミュニケーションツールを使うことで、スピーディーに意思疎通ができるようになりました。しかし、自分の意図がしっかりと相手に伝わらなければ意味がありません。スピード重視のコミュニケーションと、慎重さが求められるコミュニケーション、いまはどちらを重視すべきなのかを考えてコミュニケーションをとっていきましょう。


あとがき

  1. リモートでオンライン面接を実施した後、その様子を見ていた妻に、「どんだけ首振って頷いてるの?」と苦笑されました、、、 やはりオンライン用の非言語コミュニケーションは、リアルで見ると大げさで違和感があるんだね。

  2. コンビニおにぎりのように海苔パリパリおにぎりの作り方、これはいい!
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