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人は「リソース(資源)」ではなく「ソース(力の源泉)」 -アーキ・ジャパン退任にあたり

先ほど社内発表があったように、7月末をもってアーキ・ジャパンの社長を退任することになりました。皆さんと出会って、ともに学び、考え、語り、走り、闘い、もがき、笑い、喜び、想った日々は、3年とは思えないほど濃密で充実した時間でしたし、私の人生に大きな意味を与えてくれました。少し早いけど、今日はアーキ・ジャパンの社長として、社員の皆さんへの最後のnoteメッセージです。

アーキ・ジャパンとの出会い

3年前にアーキ・ジャパンに出会った時、私はその価値ある事業内容に直感的に感銘を受けました。建設業界での経験から、人材不足の問題を痛感していましたし、若手人材のキャリア形成にも関心がありましたから、これらの課題に取り組む機会に出会えたことをとても嬉しく思いました。

当社の社員たちは若く、ひとまわりも、ふたまわりも歳の離れた人たち一緒に仕事をするのは少し不安ではありましたが、みんな素直に、真っすぐに、数字を追い求めて仕事に取り組む姿勢は素晴らしいと思いましたし、大きな可能性を感じました。

しかし同時に、組織に大切な何かが欠けていて、それが不安定さを引き起こしているようにも思えました。それは、「なぜそれをするのか」という理由(WHY)、その理由に向かって一丸となって進む一体感や社員どうしのつながり、そして人が育つ環境の欠如でした。各自は目の前の目標に向かって全力を尽くしていますが、それにはどのような意味や意義があるのか、その先の未来や本当の事業価値を意識できてはいませんでした。どちらかというと、チームプレーよりは個人プレー、成果はチームではなく個人の力量に大きく依存していました。組織のリーダーは、数字の責任は負いますが、人の責任は負っていません。ひとりひとりの社員に目を向けて、成長やキャリアに向き合っている人もいませんでした。

人をソース(力の源泉)として大切にする

私はビジネスの根幹は「パーパス」と「人」だと信じています。これは私がバイブルのように愛読している「The Heart of Business」(ユベール・ジョリー著)から学んだことです。

パーパスとは「なぜそれをするのか」という理由です。会社のパーパスは会社が存在する理由、その事業をやる理由であり、会社の存在意義です。社員のパーパスは社員が仕事をする理由であり、日々オフィスに出勤する原動力です。パーパスがないということは、会社が存在する意味も、仕事をする意味もないということに等しいわけですから、パーパスは私たちが会社で仕事をするうえで大前提となるものです。

「人を大切にする」という考えを持っている人はたくさんいます。でも、人をリソース(資源)として大切にするのか、それともソース(力の源泉)として大切にするのかではだいぶ意味が違います。私は、いわゆるヒト・モノ・カネという経営資源であったり、労働力として大切にするというより、共通のパーパスに向かって進んでいくための原動力、力の源泉として大切に考えています。人が会社の文化、事業、付加価値をうみだす全ての源であり、パーパスを実現するための原動力だからです。

また、社員ひとりひとりには、固有の願いや夢があり、大切にすべき人生や仕事のパーパスがあります。その個人の仕事のパーパスと会社のパーパスが共感というキーワードで結ばれたとき、会社を動かす大きな力がうまれるのだと思います。つまり、会社は「共通のパーパスを抱く個人の集合体」であり、無機質なひとつの物体ではありません。そして、その個人どうしのつながりが強くなればなるほど、エネルギー量が増すという構造になっているわけです。

アーキ・ジャパン3年間の変化

私は社員の皆さんをソースとして大切にし、会社にとっての事業の意味を伝え、皆さんにとっての仕事の意味を問うてきました。社員どうしが、上司と部下が、先輩と後輩が、それらを共有したり、語ったりできる場づくりもしてきました。その前提となる、お互いが警戒することなく対話ができる、安心安全な組織風土づくりにも注力しました。「やらなきゃ」ではなく「やりたい」と思って仕事に取り組んでほしい。個と組織の才能を開放して力を発揮してほしい。思えば、この3年間にやってきたことは全てそこに帰結しているような気がします。当社に来た時に感じた課題をどこまでクリアできたかはわかりません。でも、最近社外の人からもらった言葉に多少の成果を感じるものがありました。

当社のCAにはアーキさんのファンがたくさんいるんです

某採用パートナー

あんな風に社員が気持ちを込めて仕事をしてくれるのっていいですね
羨ましいです

同じ車で移動をしているときに、当社の社員どうしの会話を聞いた派遣先のお客様

あなたの会社の社員の人たちアツいね~

オンライン会議をそばで聞いていた妻

先日の支店長・グループ長(マネジャー)ワークショップで、「過去3か月の変化」について尋ねた際、複数の参加者がメンバーの成長を喜ぶコメントをしてくれました。話題は私生活の変化でも、外見の変化でも、思考の変化でも何でも良かったのですが、彼らがメンバーの成長に気を配り、それを自分事として受け止め、共に成長していることに、大変嬉しく思いました。

日常的に社内で過ごしていると、変化に気づくのは難しいものですが、社外の人の率直な意見やマネジャーのさりげないコメントを通じて、私たちの組織文化が3年前とは大きく異なることに気がつきます。

最後に

社員の皆さんへ

日々の仕事、目先の課題に対処していると、パーパスや仲間の存在を忘れてしまいがちです。でもそれは、足下ばかり見ながら独りで歩いているようなもの。行き先や現在地を見失うことにもなりかねません。たまには立ち止まって顔を上げ、目的地を確認したり、仲間の存在を確認したり、お互いに励ましあったりしながら進みましょう。そして、自分は何のために仕事をしているのか、会社のパーパスのどこに共感したのか、それらを度々思い出し、同じパーパスを目指す仲間を大切にしてください。

支店長・グループ長の皆さんへ

メンバーのことをリソースではなく、共通のパーパスに向かうためのソース(力の源泉)として大切にしてください。組織としてくくるのではなく、ひとりひとりの人間として尊重し、彼らにとっての仕事のパーパス、強み弱みといった資質をよく理解しながら対話をしてください。皆さんは、上司だからといって、強がる必要も、かっこつける必要もありません。あなたもひとりの人間として、自分の人間性を前面に出してメンバーと接してください。そして、メンバーが憧れる存在になってください。

マネジメントメンバーへ

社員に伝えるべきは「"WHY"なぜやるのか」です。人はWHYのストーリーに心を動かされるもの。心なしに手足を動かすことは、パーパスなしに仕事をさせること。魅力的なストーリーを語り続け、アーキ・ジャパンがこれまで見たことのない景色を見られるように導いていってください。その魅力は必ず社外にも伝播し、ビジネスパートナーや求職者をはじめあらゆるステイクホルダーにも伝わります。ファンに囲まれる魅力ある会社になってください。

アーキ・ジャパンは、これまでにない高みを目指し、成長の新たな段階に入ろうとしています。今の当社には、そのための基盤がしっかりと形成されつつあると感じられます。

離れるのが寂しいと思える会社と仲間に出会えて幸せです。
これからはひとりのファンとして、また友人として、アーキ・ジャパンをフォローさせてくださいね。3年間ありがとう!

株式会社アーキ・ジャパン 代表取締役社長 吉田周平


あとがき(人気コーナーだったから今回は少し多め)

  1. 先日オラクルの時の上司(の上司)が引退後に始めた新橋の割烹居酒屋に行ってきました。彼は役員でしたが社員との距離が近く、よく皆をスキーやゴルフに連れて行ってくれました。先日もお店に行ったら、10年ぶりくらいに会ったのに「お、周平~、元気か~」と満面の笑みで迎えてくれ、おいしい料理とお酒をふるまってくれました。先輩、後輩、お客さん、パートナーさん、たくさんのIT関係者が集う通称IT酒場。引退した後に一緒に仕事をした仲間たちが集まってくれるって嬉しいよね。
    酒処 保科 (サケドコロ ホシナ) - 汐留/居酒屋/ネット予約可 | 食べログ (tabelog.com)

  2. 私は自宅のベランダが大好きなんです。真冬を除いて、仕事前や休日はベランダで過ごすことが多く、たまにリモート会議もやってます。そんなベランダ生活を快適にするために、憧れのLafumaのリクライニングチェアを購入!ゼログラビティという足が少しだけ頭より上にあがる姿勢は最高にリラックスできる!!

  3. 東京ガスのCMってめっちゃ泣けるの知ってた??古いやつみたいだけど知らなかった。夜、ベッドの中で見て、感動して、幸せな気持ちになって、寝る。最近のルーティン。
    感動で泣けるCM集 東京ガス「家族の絆」篇 感動話題作品集 (youtube.com)

  4. 退任後は「周平さん」って呼んでくださいね。え?いまさら恥ずかしくて呼べない?いままで「パパ」って呼んでた子供がいきなり「お父さん」に変わるときみたいに??だから、社長って呼ばれるの嫌だったんだよ。
    #周平さん #だいたいどの会社にも吉田が複数いる #社長って呼ばれるのこの会社が初めて

  5. これからもnote自体は書き続けるからよかったらフォローしてね

  6. おっさん’s SNSのFacebook友達申請も大歓迎

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