理学療法士 1
理学療法士というお仕事
理学療法士と言う職業をご存知ですか?医療業界や病院内ではPTとも言われているこの職業は本来医師が常在する病院での勤務が基本であり医師の指導の元、リハビリの専門家として従事しています。
脳外科のリハビリや骨折などの整形外科の分野でのリハビリが理解しやすいと思います。
しかし、理学療法士は開業権が無いため、PT自身が開業するとなると『整体院(整体師)』でなければならないのに、HP上では。「国家資格をもっています」と謳い、姿勢の矯正や骨盤矯正、筋膜リリースと言ったリハビリとは何も関係ない、整体もどきやマッサージを平然と行っています。そうしたグレーな存在でもある理学療法士について考察してみたいと思います。
◆ 理学療法士は国家資格
病院勤務によるリハビリテーションの専門家(理学療法士:PT)として働けるようになるには国家資格に合格しなければなりません。病院に行くと「リハビリ室」と書かれた部屋が設けてある所がありますが、そこが理学療法士の仕事場になります。身体の一部が欠損してしまった人に対する装具を作る義肢装具士との連携などもあったりして、中にはパラリンピックのトレーナーの仕事を従事する人もいます。しかしながら全国的に病院の数は増加していないにも関わらず理学療法士の数は増えている就職難に陥っているのも確かなのです。
◆ 最近妙に目にする理学療法士がいる整体院
最近、整体屋、動画配信、スポーツクラブ、セミナー講師など様々な施設や手技療法関連で目にするようになった理学療法士、本来、脳卒中や重度なケガ(骨折、等)の運動機能を改善を目的としたリハビリを専門とする彼らの周囲には一体何が起こっているのでしょうか、国家資格を持っているからと言って安易に信用しては絶対にいけません。なんだかわからずに損をしたくなければ理解しておく必要があります。
◆ 開業権はもっていない
前にも書いた通り理学療法士(国家資格)として開業をすることはできません。医師ありきの理学療法士なので理学療法士としての”独立”言わば「開業権」はありません。しかし昨今なぜか整体師として開業してしまう理学療法士が激増しています。
これは作業療法士(OT) も一緒ですが、医師の指示の下に仕事をすることが義務付けられているからです。【保険を適応(診療)させる際に”療養”の中にあるメニューに組み込まれているため】
そんなここ数年の間 開業をしている理学療法士が増えています。『国家資格がある』と謳い、黒寄りのグレーゾーンで個人事業している理学療法士が多く散見するようになってきました。しかし法律的には国家資格があるのであれば保健所に開設届を申請し正規の手続きをとって開業するのがセオリーのはずですが、そもそも理学療法士として開業しているのではなく、整体師(モグリ)として開業をしているため医療機関との繋がりや法的な縛りはないので”無免許整体師”と同じ立場になります。
◆ 理学療法士の雇用
理学療法士の仕事は、リハビリを必要とされる患者には基本「急性期」と「回復期」の2つに振り分けられます。
病気やケガで身体に障害を持った人や事故などで身体が不自由になった人、高齢により身体機能の衰えた人たちなどに対して医師の指示の下でリハビリテーションを行い、運動能力や機能を回復、援助する仕事です。
理学療法士の雇用先の主な場所
医療 = 病院 / 診療所
保健 = 介護予防 / 特定保健指導
介護保険= 通所・訪問リハビリテーション / 老人保健施設 / 住宅改修 福祉用具アドバイス
福祉 = 障害者福祉センター / 障害児(者)通所・入園施設 / 特別支援学級・学校
スポーツ= 障害者スポーツ / スポーツ外傷予防
研究開発= 大学院 / 研究所 / 理学療法関連企業
◆ 病院から介護に出向
介護保険制度が制定されてから福祉の場面にも活躍でようになりました。病院から一時的に介護福祉施設に行き、その施設利用者の様子を診ていくことも決して珍しくありません。また施設に勤めて、そこから近隣の住宅に住んでいる人のところへ足を運ぶ訪問リハビリも積極的に行なっている場合もあります。
◆ 薄給の介護現場
コロナ以降介護事業は経営上とても厳しい局面に立たされています。離職者も増えた事で、利用者の確保が難しくなり施設の経営できなくなる事態に陥っているからです。国の政策が完全に誤った方向にまい進している事も手伝い介護保険制度自体がすでに破たんしそうな勢いで職員が全員が薄給でもはや奴隷のような職場環境なため離職するスタッフも多く夢も希望もありません。介護業界は他の事業もやっている大手企業でしか継続できないのが現状です。(2024年現在)
◆ 辟易する現場
病院の方はと言えば基本整形外科医や脳外科医の指示の元に患者に対しリハビリを行います。50床以下の病院でも同様かも知れませんが、個人の開業医(整形外科)で働くといつも同じ高齢者が毎日の様に来るため、食傷状態になり臨床の経験(勉強)とは程遠く、やりがいを失い、離職してしまう事が多々あったりします。(その気持ちよくわかります) もはやその空間は惰性と堕落のカオスの現場でもあり、そんな高齢者以外の若い人の障害なんかが現れた時には、初めての症状だったりして混乱したりどうしていいのかわからなかったりと、自分が思い描いていたイメージとは程遠く何のためにこの仕事に従事しているのか自我を見失う事が発生します。
さらには、そうした現場に鍼灸師、柔道整復師、ヒドイ医院になると整体師(無免許)まで雇用して事があり、実はこの整形の仕事のほとんどはマッサージ要因&電気係と言ったリハビリとは程遠い業務内容になっていて、理学療法士の存在意義なんて感じる事が皆無なブラックな仕事だったりします。
※ 高齢者問題
患者側にも問題があり。病院内は大半を高齢者患者を占めます。患者自身も治す気があるのか無いのか、余ったの寿命の時間つぶしの様に現れるため現場は惰性となりやすく、ほぼ毎日のように来るため、意味もやりがいも消失しおまけに世間話も枯渇し話題も無くなり、やる気どころか嫌気をさす様になり理学療法士のポテンシャルが保てません。そうした高齢者ばかりの職場になると、本当にケガでリハビリを必要としているスポーツマン等の若い人が来た際には、異常な程、時間を待たされたりして効率が非常に悪く、常に多くの人が来院するため、悪循環が常に発生している状況に陥っています。