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表裏で診る【手技道コラムNo.209】(再掲)
2018.4.28掲載
こんにちは、手技道の門田です。
だいぶ花粉症も落ち着いてきたようで、
マスクの方が少なくなってきたな~という印象です。
逆にインフルエンザやノロウィルスもちょくちょく聞きます。
気温の変化も激しいですが、
病気も今までの季節では考えられなかったような時期まで、
出るようになっています。
なかなか自分で気を付けていても、難しいものがありますが、
手洗い、うがいなど日々のケアをしっかりしたいですね。
さて、今回は冒頭のタイトルにもあるように
「表裏で診る」という事で書かせて頂きます。
よく手技道の施術では、痛みが出る場所とその原因となる場所が違っており、
「え、なんでそんな所を施術するの?」といった所が症状の原因となっている場合が多いです。
この時に、よく手技道で注目するポイントの一つに
「表裏」という事があります。
例えば、
「呼吸が浅くて、胸の前側の部分がなんとなく痛い」
という症状があったとします。
この場合、よく考えられるのが、痛い場所が胸の前側の部分なのだから、
原因は前側にあり、胸周りや肋骨の部分を良くする事が出来れば、
症状は改善するだろうと考えるのですね。
しかし、いくら治療を重ねても一向に良くならない。
おかしいな~、なんでだろうな~と考えながら、
結局時間だけが経ってしまう。
こういう事は意外と身近に起こり得る事なのです。
この時に手技道では、
「胸の裏、背中の特に痛い所の真裏をひどく打撲した事はありませんか?」
とよく聞きます。
症状が前に出ていても、その表裏、裏の部分に原因があるのではと考えます。
実際には呼吸と足踏みを見させて頂いて、
その部分が動いてないな~と施術者は感じているので、
そういった質問をするのですが、
常に表だけでなく裏も考える癖をつけているという事ですね。
実際に私が体験した症例を一つご紹介させて頂きます。
その方は腰痛、腰の痛みで、ご来院されました。
特にひどく、お尻をぶつけた事もなく、
座って作業をする事が多い事と内臓、特に腎臓が疲れており、
結構仕事を頑張ってやってしまった為に、
疲労から腰に来たのではないかと考えられる症状でした。
腎臓機能の改善と、腰の施術を行った所、腰の痛みも随分良くなり、
帰る頃にはほぼ腰の痛みも無い状態で、お帰りになられました。
また、しばらくしてから、その方が来院されました。同じように腰の痛みで、
前回よりは酷くないけれど、また痛みが出ているとの事で、
本人もまた仕事を頑張っちゃったからかな~?とおっしゃっておられました。
施術すると、また痛みはなくなり、良かった~と言って帰られました。
またまた、しばらくして、腰の痛みで来院されました。
この前と同じような状態です~という事でしたが、
あまりにも同じような症状なので「?」と思い、
もう一度身体全体のチェックを行いました。
先程の原因と結果が違うという話と同じで、
同じような症状が続いていると、原因が別にある場合も多いので、
再度チェックが必要になるのです。
ただ、この方はやはり、お尻を打った記憶もなく、
特に大きなケガや病気もした事がないという事でした。
しかし、改めてお腹をチェックさせて頂いた所、
右下腹部のあたりに硬縮があり、
それを施術していた所、腰にひびくという事が分かりました。
その為、やはり何かあるだろうと一生懸命記憶を辿って頂いた所、
原因がありました。
本人も忘れていたのですが、昔アメリカにいた事があり、
その時に車を運転して車庫から出そうとした時に、
急に目の前を車が通り過ぎ、慌てて急ブレーキを踏んだ所、
そのハンドルが運悪く下腹部に捻じり込むようにして入ってしまい、
もの凄く痛かったという記憶があったのです。
これが、そもそもの原因でした。
この為、下腹部にダメージが残ってしまっていて、
下腹部の痛みとして出るのではなく、
その裏の腰の部分に痛みとして出ていたのです。
本人も、本当に今の今まで忘れていましたという事だったので、
腰の痛みとして出なければ、
恐らく一生そのままダメージが残ったままだったのではないかと思われます。
下腹部をしっかりと施術を行うと、腰痛は出なくなり、
すっかり元の生活にお戻りになられました。
不思議ですよね~。
このように手技道では、あらゆる角度から色々な考え方をしながら、
原因を探っています。
もし「?」と思うことがございましたら、
いつでもお聞きになって下さいませ。
今回はここまで。
お読み頂き、有難うございました。
ではまた。