吃音少年と恋女子とゲイ先生の映画を観て
それは唐突だった。
とあるnoteの記事から、その日本映画を知り、トレイラーを観たら「これは観なければ!」と一目ぼれした。
トレイラーのサムネイルをみたら、シングルパパと子供2人のほっこりファミリー映画かなって思っちゃうんだとしたら、全然ちがう。
まず、この3人は家族ではない。
んでもって、ボコさん(僕の同性パートナー)が好きなひげだんの「Subtitle」という曲のPVがあるのだが、これの雰囲気に今回の映画の雰囲気が似ていたのでボコさんも誘った。
映画を観終わった感情も、不思議とこのPVに近い。
ぜんぜん話ちがうんだけど(共通点スケートのみ)。
さて、映画のタイトルは『ぼくのお日さま』である。
あらすじとかは割愛する。
雰囲気としては、ふぁ~って感じ。
光がふぁ~って感じで、雪が綺麗で、みんながぼんやり喋って、アイコンタクトして、最後ふぁ~って感じ。
これが気持ちいい。
コテコテのストーリーっていうより、詩的なのだ。
ずっと、詩を観てる感じ。
で、ラストに従って、あれ?ん?、は!あのぼんやりしたシーンてこういう事か!みたいになってくる。
ま、ネタバレにならない程度に感想を書く。
あのね!めっちゃ喋りたいんだけどね、この映画について。
もうね、登場人物みんな良いひと、みんな好き。でもって、全員考察したいんだけど、それは各自の楽しみですもんね。
この映画って、男の人(池松 壮亮きゅん)がスケートの先生。
で、2人の生徒を教えてる話なんですね(小学6年の少年と中学1年の女子)。
いや~何がいいって。
たぶん、小学6年の少年が主人公なんですよ。
タイトル『ぼくのお日さま』なので、ま、こいつのことかな。
吃音なんですね。
しゃべると、「っ、っ」ってなるやつ。
それで、学校で仲間外れになりそうな冒頭はあるのですが、後半まったく回収されないのですね。
というか、少年が吃音ってことを忘れちゃいます、観てる側は。
それは設定が甘くて、描き切れてないということではなくて。
先生と、生徒の少女はわりとアイコンタクトとか、表情で会話してるんですよ少年と。「いまこう思って、この表情だな」とか、観客にもわかる描写で。
そうするとね、少年も喋る回数が極端に減るので、先生も少女も吃音をいじるシーンがないんですよ。ないっていうか、会話が少ないから吃音がなくなる。
そうすると、障壁を持っているはずの少年が、なく見えてくるんですよ。
そっか。
生活から障壁が取り除かれれば、対等にコミュニケーションできる。
そんなメッセージ性を感じました。
少年もずっと楽しそうなのが、かわいいのです。
なんだか、衝撃的な演出でした。
さて、先生。
先生はゲイなのですが、劇中では一言もゲイだと説明されるシーンはありません。なのにゲイだと分かってしまうのは、登場人物たちの温度感とか、空気感とかでわかります。
なんだけども、この先生ね。
憎いんですよ、演出。
少年は吃音であることを忘れちゃう演出だったんですが、真逆で。
障壁を取り除かなければ、生きづらいまま。問題が際立ったまま。
あえて、吃音の少年と対比になった気がします。
先生の話は、切なくてね。
舞台が北海道の閉鎖的なとこという感じなのかな。
隠して、隠して生きているのですよ。
なんでここでこうするかな!とか思っちゃうんだけども。当事者としてわからんでもないという感じでした。説明が少なすぎるんだけど、わかってしまう、不思議。たぶん、こういう気持ちなんだろうな、とか観客側が想像できるのも楽しい。
もしかしたらゲイでない方でも、何か自分の課題と重ね合わせて感情移入できるかもしれません。
最後に中学1年の女の子。
この子は、たぶんストレートで、だいぶ最初のほうで、あ、先生が好きなんだなってわかるのですが。
うん、この子。
顔が好き。まず。
男好きな僕ですが、なんか顔がイケメン。
寡黙なのものいい。少女なのに、かっこいい。
この子は、親の期待を背負って、スケートを子供の頃からやってるのかな?たぶん。まあ、この映画、なんにも説明ないんですが、たぶんそう思わせる雰囲気やシーンが随所にあります。
期待を背負ってる分、なかなか褒めてもらえなかったのかな。承認欲求の塊って感じなのですが、そこも感情移入しちゃう。
この子は、この子のラストは。
すごく綺麗。
最初、映画館出たときは、「え、あの女子なんだったの。テーマを何も背負ってないのに、主人公のうちの1人って感じだったけど、不思議だったなあ~」って思ったんで・す・が!!
あとで考察動画を観あさりまくったら、「綺麗なシーン、そいういう!あ~!それであの光のふぁ~のなかの課題が1人で出来て、あれ、そゆこと!全然表情に出てないけど、あ、心の中では、複雑に、なるほど~!」って思ってから、一気に好きになりました。
あれだ。
ネタバレしないとなんにも喋れないや。
最後の少年のラストシーンとか自論あるんだけど、なんにも、なーーーーんにも喋れない。
観るといいと思うよ。
ネオ主夫でした。
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P.S.
主題歌となっている、ハンバート ハンバート さんの「ぼくのお日さま」が頭ん中でヘビロテしてます。この曲聞くと、映画の世界に戻れる。すき。
でも、映画観る前に聴かないほうがいいからリンク貼らない。
↓ この映画を観るきっかけをくれた、とあるnoteの記事。すき。