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実物の本の方が良いに決まってる。
それはそう。
丁寧にデザインし、それに合う紙を選び、ちょっとの遊び心を加えた装丁。
箔押しやニス盛り、マットな手触りやキラキラのホログラム、透ける遊び紙など、細やかに張り巡らされた愛は実物の重みをもって完成されているのだ。
わかってはいるけど!!!
置き場が無いんですよね~~~ッいやまったく。
何が極秘かって、私はいわゆる隠れオタクというやつで、同人やってることは公表してないんですよ。子供に二次創作は絶対見せないよう、強い意志で守ってきました。
ただ最近子の年齢が私が薄い本を手にした時に追いついたので、もう出会ってしまっても許せるかなと。
だがスケベ本、お前は許さん。
未成年に見せたら捕まっちゃうよ!自炊中スキャナからにょっきりスケベページが生えてくるのを見て悲鳴を上げる日々です。何というおそろしい物を隠してるんだ、私は!?
数年前突然に母が亡くなった時、もし自分も突然亡くなったら……と考えたんですよ。
色々出てきちゃうよ!!!
しんだのに恥ずかしすぎてもう一回しんじゃうよ!!!!!
頭痛がしたり、動悸が激しくて動けない時には「まだ死ねない!!!」と焦ります。
自炊計画は私が安心して逝くための終活の一部でもあるのです。
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ヒエッ……
恐ろしいことにこの箱、実家にもあります。
薄い本は一期一会。100部しか作られてなければ世界にそれだけしか存在せず、失ったら再び手に入れるのは難しいんですよ。
手離せなくて……30年以上経ちました。
また読みたいし捨てるのは嫌だ、そうだ自炊しよう!
本を大事にしてほしい作り手の気持ちも分かるし、私もつらい。でも中古ショップに持ち込まれるよりはマシじゃない?私ならそっと燃やしてほしい。
データが流出するようなことがないよう細心の注意を払って、私が、私のためだけに自炊するのです。お許しいただきたい。
何ヶ月かかるか分からないけれど、押し入れが空くまで続けます。
B5本を縦に収納できるのが良くて。
私だって堂々とできるなら壁一面を薄い本の棚で埋めたいよ!
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