【パブリッシャー事典】日本やアジアの尖った作品をサポートしたい!/HYPER REAL
クリエイターの皆さまに、参加パブリッシャーについて知っていただくことで、マッチングの一助となるべく始動したインタビュー企画「パブリッシャー事典」。各パブリッシャーの特色や得意なこと、目指す姿などをお伺いしていきます。
今回は、2023年7月に立ち上がったばかりの新レーベル、HYPER REALの今井さんにお話を伺いました!
「HYPER REAL」ってどんなパブリッシャー?
ーー本日はよろしくお願いします! まずは会社の概要を教えてください。
HYPER REALは2023年7月にローンチした事業で、産経デジタルが運営しています。ゲームのパブリッシングを目的とした新しいゲームレーベルとして誕生しました。
ーー産経デジタルがゲームのパブリッシング事業に踏み出したきっかけなどありますか?
産経デジタルの中で、IP関連の事業をやりたいと考えていたところ、たまたまゲームのパブリッシングができそうな人材が集まってきた、という流れです。
産経デジタルとしては、元々IGN Japanなどゲームに関連した事業を手掛けておりまして、その流れというのもあります。
これまでのパブリッシュタイトルは?
ーーでは、これまでパブリッシュしたタイトルを教えてください。
まだリリースしたタイトルはないのですが、我々が今抱えているタイトルは全部で5本あります。
『34EVERLAST』
『青十字病院 東京都支部 怪異解剖部署』
『Dome-King Cabbage』
『SAEKO: Giantess Dating Sim』
『SKY THE SCRAPER』
それぞれご紹介させてください。
『34EVERLAST』は、ジャンルとしてはアクションアドベンチャーゲームで、非常にリッチなグラフィックと、ループものの物語が特徴です。
こちらのタイトルは、パブリッシャーではなくプロデュースという形で関わっていて、パブリッシャーはPLAYISMさんです。
『青十字病院 東京都支部 怪異解剖部署』は、日本の民俗学とホラーを合わせたビジュアルノベルです。
『Dome-King Cabbage』は、モンスターコレクションゲームの世界観で物語が進むビジュアルノベルです。
『SAEKO: Giantess Dating Sim』は、巨大な女の子に小さくされた人がサバイブするという、変わったdating sim(※)です。
先日に情報を公開させていただいた『SKY THE SCRAPER』は、ビル清掃をテーマにしたアクションローグライクゲームです。
ーーパブリッシュ・プロデュースされているタイトルの選定基準などはありますでしょうか?
我々としては、元々日本やアジアの尖ったインディー作品を中心に取り扱うと決めています。
具体的には、「REAL」にかけているんですが
REVOLUTIONARY ― 既存概念を覆す革命的な作品
EXTREME ― 圧倒的な熱量を持つ作品
AESTHETIC ― 感性に響く美的な作品
LEADING ― 現実社会を牽引する先進的な作品
というのを求めています。
ビジュアルに限らず、なんらかのインパクトを持った作品を探していまして、ジャンルにこだわらないものを提供したいと思っています。
ーー関わっていらっしゃる作品が、それぞれどういった点で当てはまるか、ご紹介いただけますでしょうか?
そうですね。
『34EVERLAST』は、端的にすごい派手な画面で圧倒的に熱量があり、EXTREMEな作品だと思っています。
『青十字病院 東京都支部 怪異解剖部署』は、日本の民俗学をテーマにしているところが面白く、アートスタイルも良かったです。
『Dome-King Cabbage』は、見た目からして特徴的なタイトルで、クレイアニメのような3Dグラフィックが動くビジュアルノベルになっております。内容も、ある種ゲームに対する批評が強く、モンスターコレクションゲームの世界でいかに正しく生きるか、という内容が興味深いと思っています。
『SAEKO: Giantess Dating Sim』は、キャッチーで、ある種のフェティシズムですけど、大きな女の子に飼育されるというフックと、そこの中でどういう風に少女の成長を描くか、というのもテーマになっています。
あとはビジュアルもわかりやすくインパクトがありましたね。
『SKY THE SCRAPER』は、労働をテーマにしているのが面白くて、単にゲームとして面白いだけではなく、日々の暮らしの中で自分がどういう仕事をしないといけないかを見つめるところがある、という点が特徴です。
得意なこと、サポートできること
ーーHYPER REALが得意なこと、サポートできることを教えてください。
まず、まだ始まったばかりのところがありまして「他の会社さんよりもここが優れています!」というのはあまり大きな声では言えないんですけれども……。
特徴としては、『34EVERLAST』に関してはプロデュースを手掛けている、というところですね。
なので、ゲームの内容にコミットするというところはあります。
デベロッパーさんの方向性によりけりなんですけれども、「ゲームの内容について何らかの意見やアドバイスが欲しい!」という場合は、全面的に協力しています。
その過程で、イラストレーターや3Dモデラーを紹介したりすることも、プロデュースという範囲内でやっております。
ーー「プロデュース」というと、ゲームの中身についてもアドバイスをされるのでしょうか?
ストーリーのところなんかはいろいろとアドバイスしてきました。それ以外のところは、基本的には開発者のクリエイティビティを尊重して、そのサポートになるようなことをやっております。
こうしなさい、というような立場ではないんですけれども、「こういうのどうでしょうか?」と開発者さんから相談された時は、イラストのテイストも含めて答えております。
今後パブリッシュしていきたいタイトルは?
ーー今後パブリッシュしていきたいタイトルはどんなタイトルでしょうか?
前提はレーベルのコンセプトに合致したものなんですが、まだまだ合致しているタイトルは少ないです。
「現実社会を牽引するような」という意味では、例えば日本の社会を反映しているような作品があれば面白いな、とはずっと思っています。
ファンタジーに限らず、日本社会の中で作れるものを考えた場合、現代社会をうまくテーマにしたものがあり得るかなと思っています。
ピッチデッキに盛り込んで欲しい情報は?
ーーピッチデッキに盛り込んで欲しい情報があれば、教えていただけますでしょうか?
そうですね。
テーマ性、舞台などがわかるようにしていただけると、ありがたいですかね。
まだクリエイターの方とコミュニケーションを取るまでに至っていないので、その辺りは今後試してみたいなと思っています。
Game Pitch Base 参加クリエイターに向けて
ーー最後に、Game Pitch Baseに参加しているクリエイターに向けて一言お願いいたします!
多様な作品を登録いただければ助かります。
いろんなタイトルが見られる場になると良いなと思っておりますので、ぜひいろんな作品を応募してください。
ーーありがとうございました!
2023年7月に誕生した新しいレーベルながら、明確なコンセプトを持たれており、既にそれに沿ったタイトルがラインナップに並んでいるところが印象的でした。
ジャンルはこだわらず、なんらかのインパクトを持った作品を求めているとのことで、ユニークな企画をお持ちの方は、ぜひGame Pitch Baseに投稿してみてはいかがでしょうか。
HYPER REALのGame Pitch Base パブリッシャーページはこちら。