集英社ゲームクリエイターズCAMP プロデューサーレター Vol.2 「ゲームクリエイターズCAMPは何を目指しているのか」
(約4600文字:約7分~8分で読める内容です)
クリエイターの皆さま、ゲームクリエイターズCAMPをご利用いただきありがとうございます。
4月20日のリリースから1か月半が経過しました。この約1か月間は想像以上の反響に日々対応に追われておりましたが、ようやく運営状況も少しずつ落ち着いてきています。Twitter質問箱にも多くの質問を頂いているように、まだまだきちんと伝えられていない情報が多くあるため、CAMP運営チームでは積極的に情報発信の準備を整えています。
公式noteでは、Twitterアカウント(https://twitter.com/camp_creators)では発信がしづらいまとまった内容を、記事という形でまとめて更新していきます。CAMP運営からのお知らせだけでなく、クリエイターの方々への取材、ゲームを作るうえで知っておくとお得なトピックスなど様々な情報を発信していく予定です。
さて、レターVol.2ではクリエイターの皆様が疑問に思っているであろう
・なぜ集英社がこういった取り組みを始めたのか?
・いったい何を実現したいのか?
・CAMPはゲームクリエイターとどういった関係を築きたいのか?
といった疑問を払拭するためのお話しができればと思っております。
なぜ集英社がこういった取り組みを始めたのか?
今回、本サービスを発表するにあたってプレスリリースに書いた内容が一番わかりやすくまとまったメッセージとなりますので、以下に引用します。
我々運営チームは、何か面白い企画やアイデアはクリエイター個人の強い想いから生まれるものだと信じています。それゆえにクリエイター個々人と向き合うゲーム作りの取り組みを試行錯誤していきたいと考えています。
もちろん、本活動は「いきなりやってみようぜ!」と勢いで始めたわけではありません。
集英社がゲームクリエイターとの協業を始めたのは、2018年のGooglePlay Indie Game Festival(IGF)に協賛をしたことがきっかけです。その後、3年以上にわたって受賞クリエイターさんとのゲーム作りの協業を続けてまいりました。IGFには継続的に協賛をしており、今では4名のIGF受賞ゲームクリエイターの方々と様々な形で協業を続けています。
実際にCAMPスタート時の支援タイトルに、IGFの受賞クリエイターの方々が入っているのはこういった背景があります。
この協業を通して、個人もしくは少人数のチームでゲームクリエイターとして活動をされている方々に新しい可能性を感じました。一方で、集英社として継続的にゲームクリエイターを支援するには組織力がまだまだ足りないと実感しました。
その後に、個人もしくは少人数で活動されるクリエイターの方々が「何に困っているのか?何を支援すればより業界全体が良くなるのか?実際にビジネスとしても成立をするのか?」といったことを多くの方々にヒアリングをしました。そして約1年をかけて、ゲーム開発をよく理解した人員体制の整備を含め、本格的なゲームクリエイター支援の体制づくりをし、今回CAMPという形でプロジェクトをスタートしたのが取り組みの背景です。
いったい何を実現したいのか?
CAMP運営チームは「日本のゲームクリエイターが世界に活躍の場を広げられる流れをもっと作りたい」と考えています。
本活動を始める前、世界中の主要ゲームイベントの視察・取材に行きました。その中で、海外イベントにおけるインディコーナーは展示のクオリティが高く、もはや「インディ」カテゴリだとは思えないハイクオリティの作品が多く集まっていたことが、強く印象に残っています。
なぜこういった流れが作れているのか。様々な方に話を聞くと、北米・欧州ではインディジャンルといえど組織立って開発をする傾向が高まっており、活動を支援する企業も年々増えているとのことでした。
この流れを日本にも作っていきたい。ゲームに関わるクリエイターを支援をする企業が一社でも増えていってほしい。という想いを込めて、本活動がスタートしました。
CAMPでは下記4つのサポートを提供していく予定です。
この中でも重要だと思っているのが「チームアップ」です。
「ゲームクリエイターが作りたいゲームを、気の合う仲間と一緒に作り、新たなヒットタイトルが生まれる場所」にしたいと考えています。
まずは本プロジェクトとして
●個人/少人数チームのゲーム開発に特化したデータベース&コミュニティになること
●様々なジョブ、ジャンル、志向のクリエイターと作品(ポートフォリオ)が集まっていること
●仲間探し(チームアップ)、仕事探し、学習の場として活用できること
●業界を超えたクリエイターとのマッチングを通してゲーム自体のクオリティを向上させること
を目指しています。
そのためには、現状の機能の弱さ、使いづらさがあることは認識していますし、日々機能の改善を続けております。
●クリエイターが必要な時に、必要なゲーム関連人材を簡単かつ便利に検索できて、興味があるクリエイターに安心感をもってアプローチできる、機能と運営体制の整備。
●小規模ゲーム開発・宣伝に関するサポート情報を効率的に取得できる。
といった、ゲームクリエイターの方々にバリューを提示できるような機能改善、運営改善をこの夏に向けて進めていきます。
ただし、まだまだ試行錯誤の段階です。今後、状況やニーズに合わせて変わっていくかと思いますし、状況に合わせて変えていくべきだと思っています。そのためにも、登録クリエイターの皆様から様々な形で、ヒアリングを重ねながら良くしていくつもりです。
CAMPはゲームクリエイターとどういった関係を築きたいのか?
シンプルに言うと
「いいゲームを一緒に作って、ヒット作品に育てましょう」です。
集英社およびCAMP運営チームは、ゲームクリエイターと伴走しながら良いゲームを作っていきたいと思っています。
資金面だけでなく、ゲーム制作を進めていく中で生じる様々なトラブルや不安に対して、技術的なアドバイスやメンタルサポートなどが出来ないだろうか。1人で走るより2人。2人より3人。ゲーム完成までクリエイターの皆さんとの「伴走」を通して、企画や開発をブラッシュアップしていきたいと考えています。
そのうえで、良いクリエイター(orクリエイターチーム)を発掘し、ゲーム開発のプロジェクトに出資をさせていただいて、ゲームをヒットさせる。そこから発生した収益の一部をシェアいただくことが、集英社としてのビジネスとなると思っています。
CAMPの活動を通して、作りたい流れは上記の形です。
クリエイターの皆さんにCAMPを活用していただく→良いチームや良いゲームが生まれる→集英社がその企画に出資・支援することでクリエイターに大きな利益をもたらす→結果として集英社も利益を得られる→CAMPの活動をさらに強化できるという循環を作りたいと考えています。
いわゆる出資に対しての「権利」については個別個別で協議をさせていただきます。現状、既に取り組んでいる支援タイトルを例に挙げると
●クリエイターさんに著作権をすべて帰属させたまま、収益配分を条件としてセットさせていただく企画
●企画や他のクリエイター探しなど共同で企画/制作を行い、共同著作とさせていただく企画
クリエイターさんを尊重・対等な関係性を築くことを前提として、クリエイターに過剰なリスクが生じたり、権利者としてのデメリットが出ないよう、きちんと説明/協議をさせて頂いたうえで、協業に取り組んでいます。
また、「CAMPで活動をしたり、マッチングをすると集英社の支援を必ず受けないといけないのか?」というご質問をよく頂いております。CAMPはあくまでもプラットフォームとして使ってもらって、集英社の支援とは切り離して考えていただいて大丈夫です。
「企業と個人では交渉力が違う。クリエイターを安く使おうとしたり、搾取しようとしているのでは」というご意見も頂きました。前述のとおり、我々は伴走を目指す以上、両方にメリットが生まれないと意味がないと思っています。
自分(たち)だけで独立して動けるのであれば、企業の支援が必要ないプロジェクトもあるかもしれません。その際はCAMPとは関係なく動いていただいて構いません。協業の条件に納得ができないといった場合は他の企業さんに支援を受けていただいてもかまいません。
もちろん、集英社ゲームクリエイターズCAMPチームに声をかけていただけるとありがたいですし、本活動をより長く継続していくためにも我々はゲームクリエイターの皆様から支持される組織と運営体制を作っていきます。試行錯誤の現況ではありますが、ぜひご期待ください!
そしてぜひ、ポートフォリオを丁寧に更新頂けるとありがたいです!
以上、Vol.2として集英社ゲームクリエイターズCAMPが何を目指しているのかを説明させていただきました。また、近々にて運営チームよりONE PIECEコンテストの質問回答の記事を配信いたします。
以下のインタビュー記事・動画も合わせて見ていただけると、より理解を深めていただけると思います。
[52話]すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!
集まれ!ゲームクリエイターズCAMP
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496289863111
Unity Station
集まれインディーゲームクリエイター!「Indie Games Festival 2021 」の詳細をいち早くお届け! 26:19~がCAMPの説明です
https://www.youtube.com/watch?v=gWgEO_V0VmY
なぜ集英社がゲーム事業を始めたのか?担当プロデューサーに聞いてみた
https://alu.jp/article/AuTOCkUpalLs8eNx3fhJ
引き続きゲームクリエイターズCAMPをよろしくお願いいたします。
集英社ゲームクリエイターズCAMP 企画運営プロデューサー