【パブリッシャー事典】経験タイトルは200以上!熱意とゲーム市場への知見が抜群/WhisperGames
クリエイターの皆さまに、参加パブリッシャーについて知っていただくことで、マッチングの一助となるべく始動したインタビュー企画「パブリッシャー事典」。各パブリッシャーの特色や得意なこと、目指す姿などをお伺いしていきます。
今回は200以上のタイトル経験があるパブリッシャー、WhisperGamesさんにお話を伺いました!
「WhisperGames」ってどんな会社?
ーー本日はよろしくお願いします! まずは会社の概要を教えてください。
WhisperGamesは2015年に設立された会社でして、中国のアモイに拠点をおいています。
典型的なゲームパブリッシャーとは違い、立ち上げメンバーはほとんどゲーム業界出身じゃなかったんです。
例えば、CEOのXuanは元々電気エンジニアで、CTOのXianzheは元々テクニカルライターでした。
ゲームに熱意を持ったメンバーが集まり、最初はローカライズスタジオとして始まりました。
2015年頃に、ローカライズプロジェクトの顧客から中国地域での宣伝を頼まれまして、正直、当時はパブリッシャーとしての経験はまったく無かったんですが、できる限り全力で支援をしました。
2016年から「WhisperGames」というブランド名でパブリッシャーとしての事業が始まりました。
その後にいろんなパートナーと出会って、歴史は浅いながらも、今までに20カ国以上のパブリッシャーとパートナーシップを築いて、200以上のタイトルのパブリッシングや、ローカライズソリューションを提供した経験があります。
提供しているサービスとしては、ローカライズはもちろん、マーケティングやコミュニティの運営、ゲーム制作・パブリッシングにおける全てのニーズに対応しています。
メンバーは皆、熱意を持つゲーマーで、熱意を持ってこの業界に踏み入れたからこそ、いいゲーム体験の提供を大切にしており、今後もいいゲームを提供し続けたいという想いが強くあります。
ーー20ヵ国以上のパブリッシャーとパートナーシップを築かれたとのことですが、どの国が多いのでしょうか?
欧米やアジアが多いですね。
その中に、特にドイツ、フランス、ポーランド、日本が多いです。アメリカももちろん多いです。
こちら(上図)では、パートナー企業からのコメントを一部抜粋しております。
これまでのパブリッシュタイトルは?
ーーでは、これまでパブリッシュしたタイトルを教えてください。
代表作とも言えるのは『ASTLIBRA Revision』ですね。
こちらはクラシカルなJRPGで、弊社のグローバルパブリッシングプロジェクトの1つです。
このゲームはフリーゲームとしてリリースされていたのですが、日本人開発者のKEIZOさんが14年かけて作ったゲームです。2021年頃に商業化を目指すべく私たちからご連絡しました。
具体的には、内容や表現方法のブラッシュアップ、素材のリメイク、キャラクターの動きのフレーム最適化などを行いました。
このプロジェクトは私たちにとって、単なる商業的成功だけではなく、言語や国境の壁を超えたインディーゲーム開発者のサポートの成功例として、自国外に証明したプロジェクトになりました。
続いて、グローバルパブリッシングプロジェクトのもう1つの例として『tERRORbane』というタイトルがあります。
こちらはメタ・ジョーク要素が多いRPGです。
こちらは、日本語版の吹き替えを杉田智和さんに担当してもらいました。
杉田さんの知名度や相性の良さもあり、日本でのセールスも好調です。
『Wildermyth』というタイトルは、アジア地域でのパブリッシュを担当させていただいております。
現在日本語版を制作しており、今年中にリリース予定です。文字数が多いので時間がかかりました。
他にも『The Wandering Village』、『Tavern Master』の2つもアジア地域でのパブリッシュを担当しております。
TOKYO GAME SHOWへの出展経験もあり、日本でのセールスも好調です。
他にも多くのタイトルをパブリッシュしております。よろしければ弊社の
Steamページもご覧ください。
会社として得意なこと、サポートできること
ーー続いて、会社として得意なこと、サポートできることを教えてください。
中国のパブリッシャーなので、中華圏への理解が深い点が長所かなと思います。
創業者も長年熱心なゲーマーをしておりますので、プレイヤーの目線から海外のゲームのプロモーションも効果的に設計することができ、我々なりにカスタマイズした解決策を出せます。
例えば、先ほどご紹介した『ASTLIBRA Revision』は、JRPGではありますが、実は60%以上は中国での売上です。
また、『Rogue Legacy 2』というタイトルでは、中国地域の宣伝のみを担当したのですが、早期アクセスから本リリースまでの2週間で、中華圏での売上の割合を大幅に向上させることができました。
このように、中国市場への理解が深く、最適なプロモーションを行える点は長所かなと思います。
ローカライズ面も強みがあり、10言語以上のローカリゼーションソリューションが提供できます。
『Baldur's Gate 3』、『Disco Elysium』のように、文字数が多く翻訳難易度が高いタイトルの中国語版も担当する経験があり、対応できます。
『They Are Billions』や、先ほど紹介した『Tavern Master』も、中国語だけじゃなく他にも多国言語のローカライズを担当しております。
また、テキストの翻訳だけではなく、ボイスの多言語吹き替えを担当する経験もあります。
『Tropico 6』、『パルチザン1941』、『Iratus: Lord of the Dead』は、一部言語版の吹き替えも担当しました。
ローカライズは創業時からやっており、豊富なプロジェクト経験があります。世界各地には60名以上の契約翻訳者もいる中、10+言語を対応でき、翻訳とLQAの品質には自信があります。
ーー翻訳は他の会社でもよく聞きますが、吹き替えまでやられているというのは珍しいですね。特に日本語の吹替は、どのように進めているのでしょうか?
我々は国際的なゲームイベントへ頻繁に参加していて、その場で日本のパートナーを紹介してもらう機会も多いんです。
『Iratus: Lord of the Dead』については、プロジェクトの開発者から提案されて中国語の吹き替えを担当したのですが、日本語の吹き替えも依頼を受けました。
色々とリサーチして、信頼できる日本の声優事務所にご依頼し、実現しました。
『tERRORbane』の場合は少し特殊なのですが、ネットで本作のゲーム実況をされた方がいて、その方が声優業もされており、杉田智和さんと友達だったんです。
思い切って杉田智和さんの所属事務所のお問い合わせ窓口に何度もメールを送って、なんとか漕ぎ着けました。
ーーすごい!熱意ありますね。
そうですね!メンバー一同、ゲームへの熱意は高いです。
開発者の皆さんに向けてアピールしたい点として、私たちは開発者を全面的にサポートして、タイトルのリリース前からリリース後まで、1つのタイトルの生涯にわたって支援をしているという点をご紹介させてください。
ローカライズや宣伝はもちろん、どんな質問にもきちんと答え、不安があればすぐに解消できるようにします。
リリース後にも、以下のようにSteamでの評価データを観測・共有しています。
ASTLIBRA Revision外伝を例として、発売してからの10日間は重要な期間だと認識しており、この期間でのSteamの評価データを集計してまとめた上で共有させていただきました。
数字だけではなく、評価のメインポイントも集計・分析して共有しております。
また、多くの展示会にも参加し、主催者と良好な関係を保っています。
リリース前でもリリース後でも、ゲームを展示会に持ち込んで、より多くの宣伝・露出の機会を得られるようにしています。
中国市場への理解、ローカライズ、開発者の方に向けた全面的なサポート、グローバルのリソース、豊富なメディアのリソースなどは非常に強みだと思っていますし、インフルエンサー・実況者・パートナーとの良好な関係により、タイトルに効果的なプロモーションを打てる点も弊社の強みだと考えています。
今後パブリッシュしていきたいタイトルは?
ーー今後パブリッシュしていきたいタイトルはどんなタイトルでしょうか?
今はジャンルとしてはRPG、シミュレーション、ストラテジー、ビジュアルノベルに集中しようと考えています。
さらに、この中の2つ以上の要素が統合できるようなゲームだと、より惹かれます。例えば、ストラテジーとビジュアルノベルを掛け合わせたものなどですね。
国やプラットフォームに制限はなく、どんな国やプラットフォームでも歓迎します。
世界中どこからでも、ユニークなゲームを見つけてパブリッシュしたいと思っていますし、オープンに交流したいと考えています。
20カ国以上の国や地域で、200以上のタイトルにサービスとサポートを提供した経験がありますので、どの地域の方でも、個人でもチームでも、ディスカッション大歓迎です!
ピッチデッキに盛り込んで欲しい情報は?
ーーでは、ピッチデッキに盛り込んで欲しい情報はありますでしょうか?
チームの構成やチームメンバーの経験、過去に手がけた作品についての情報があれば嬉しいです。
開発者のニーズにどのように対応するか、どのようにより良くサポートするかを判断するために重要な情報だと思っています。
もちろん資金や予算、プレイアブルデモも含めていただけるとありがたいです。
Game Pitch Base 参加クリエイターに向けて
ーー最後に、Game Pitch Baseに参加しているクリエイターに向けて一言お願いします!
どの開発者も「自分にしかできない独自の作品が作り出せる」と信じていますので、それをお手伝いするのが弊社の仕事です。
何かお手伝いできることがあれば、お気軽にご連絡ください。
言語については、中国語はもちろん、日本語でも英語でも問題ございません。
ーーありがとうございました!
20カ国の国と地域で、200タイトル以上を担当した経験があるWhisperGames。
特に中国市場における実績が豊富で、中華圏やアジアで販売する上で非常に心強いパブリッシャーだと感じました。
ゲームに対する強い熱意と理解力を持たれており、タイトルにとって最適なサポートをさまざまな方面から検討されている点が印象的でした。
日本語でのコミュニケーションもスムーズに行えますので、興味を持たれた方はお話されてみてはいかがでしょうか?
WhisperGamesのGame Pitch Base パブリッシャーページはこちら。