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仕事ができるとは何か#4 ロジカルシンキングが大切な理由

仕事で最も必要なスキルは何か?と問われたらあなたは何と答えるでしょうか?
コミュニケーション能力も必要だし、専門知識も必要、何が一番大切なんだろう・・・。
私はどれも大切だけれど、全ての土台になっているのはロジカルシンキング、つまり論理的思考能力だと考えています。

現に弊社が2023年に実施した調査では、管理職の45.7%が部下に論理的思考力を伸ばしてもらいたいと回答しており、他の項目をおさえて断トツの1位でした。(実態調査レポート

ロジカルシンキングが大切な理由

ロジカルシンキングは全ての能力の土台

ビジネスにおいて考えるということは、ほとんどの場合、論理的に考えることに他なりません。
また、他者と共同で仕事をする場合、コミュニケーションも論理的でなければなりません。
「よくわからないけど、とりあえずA案にしよう」「なんとなく気に入らないから、B案にしよう」では、仕事の成果は望めません。

よくコミュニケーション力が不足しているという話も聞きますが、じっくりと話を伺ってみると、伝え方や受け取り方の前に論理的でないため話が伝われないというケースも多々あります。

議論をして、検証ができる

また、論理的に物事を組み立てることで、他者と議論ができます。
「なんとなくA案」ではなくて、「●●の理由からA案が良い」という意見が出せれば、それに対して「●●の根拠は弱く、▲▲の理由からB案の方が良いのではないか」と他者と議論することができます。

そして、最終的にA案に決まったとしても、その後実際にやった後で振り返りをすることができます。
「●●の理由からA案を実施したが、結果××だった。●●はあまり重要な要素ではなさそうだ」という具合に。
論理的に組み立てられていなければ、結果から学ぶこともできません。

ロジカルシンキングとは何か

論理的であるとはどういうことでしょうか?
論理的であるとは「誰も納得できる話の筋道」を立てるということです。例えば、「今日の降水確率は50%。西の空がどんより曇っている」ので、「雨が降りそうだ」と判断し、出かける際に「傘を持っていく」という考えの道筋です。(ソラ・アメ・カサの考え方です)

人間生活は論理で溢れています。
最も厳密な論理はやはり数学です。例えば、中学で学んだ二次方程式の解の公式(思い出せますか?)を導出するために、式を展開した記憶が片隅にあれば、数学の証明がいかに論理的であるか分かると思います。(誰がやっても同じ結論になります)
数学ではなくても、例えば裁判所の判決は極めて論理的です。判決により個人の権利が制限される可能性もある訳ですから、誰もが読んで納得できる筋道で書かれています。(事実認定をどこまでするかも重要な要素でもありますが)

このようにロジカルシンキングは日常からビジネス、学問まで人間の生活を支えていると言っても過言ではありません。

ロジカルシンキングの4つの型

ロジカルシンキングに関連する本は世の中にたくさんあります。また、ロングセラーとなっている名著もたくさんありますので、ここで詳細に踏み込むことはしません。
私が指導をする際は主に4つの型に絞って説明をしています。
それは、演繹法/帰納法、MECE、構造化とロジックツリー、Why so?So What?です。

なぜこの順番かというと、まずは演繹法と帰納法を見て、人間の基本的な思考の枠組みを理解します。
しかし、これだけでは論理の根拠が薄弱でも成り立ってしまうため、次にMECEを覚えて、事実をきちんと整理できるようにします。
その上で、構造化とロジックツリーを学べば、論理の全体構成を組み立てることができます。
最後にWhy so?So what?でロジックツリーを上へ、下へ展開していけるようにできれば、論理構造をより盤石なものに変えることができます。

他にも様々な考え方や型がありますが、この4点をおさえるだけで見間違えるほど、論理的な思考形態やコミュニケーションが取れるようになります。

ロジカルシンキングの身につけ方

人間はエネルギーの2割をたった1キロちょっとの脳で消費しています。それくらい人間の脳は常に働いています。そのため、人間はできる限り脳に楽をさせようとしてしまいます。
それがロジカルシンキングを身につけるための一つのハードルとなっていると考えています。
つまり、論理的に考えず感覚で動こうとする人間の脳に、無理やり論理的に考えさせ、「脳に汗をかかせる」訓練をしなければなりません。

そのためにビジネスや日常で何ができるでしょうか。
一つは、「ロジックツリー」を作成する癖をつけるということです。
A案が良いか、B案が良いか、はたまた何が課題かを考える際に、事実を整理し、考えをまとめ、ロジックツリーにすることは、論理的思考スイッチを強制的に入れることになるため、非常に効果的です。

他にも、ビジネスや日常で接したできことを構造化することも訓練の一つです。無理してロジックツリーに落とす必要はありませんが、例えば、ニュースで聞いた政治家の政策を頭の中で整理するのも良い訓練となります。

また、論理的に書かれた文章などに触れるのも良い経験となります。先ほど挙げた判決文はインターネットでも見られますし、主張が書かれた文章であれば、すべからく論理的であるはずです。

人間が進化の過程で後天的に会得したロジカルシンキングをある程度自由に使いこなすためには、ビジネスや日常生活での相応の時間と訓練が必要となります。

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