クラウゼヴィッツの戦争論から業務指標(KGI/KPI/KDI)を読み解く
歴史的名著って読みますか?僕は結構好きなので読みます。
でも、これらの名著って、何か明確なモチベーションがないと読むのきついですよね。
今回は、5月末ということで、多くの会社では新入社員が研修を終え業務に配属されるタイミングだと思いますので、名著「戦争論」と絡ませて業務指標について、説明したいと思います。
業務指標について
業務指標というのは、自身の業務やプロジェクトの進行状況と達成度合いを計測し、可視化するためのものです。
PDCAサイクルというのを入社した時に習ったと思います。
普段の業務方法について学習しながら、改善していく方法論ですが、これは業務状況や業務達成度合いが可視化されていないと振り返りができません。
そこで使うのが、業務指標です。
主に下記の3つを使います。
KGIとKPIはアウトプットの状況を可視化するもので、KGIをいくつか分割したものがKPIです。
KDIは、アウトプット出すための業務の進め方を取決め、その進行状況を可視化するものです。
実際には、KGIやKPIは、業務でコントロールできませんので、何の業務をしたら成果(KGI, KPI)が出るか、KDIをうまく設定するしかありません。
では、無理やり、クラウゼウィッツの戦争論に絡ませて見たいと思います。
クラウゼヴィッツの戦争論
クラウゼヴィッツは、18世紀〜19世紀に活躍したプロイセン王国(今のドイツ)の軍人 x 軍事学者。
プロイセンがナポレオンから攻められ、敗れた後は、ロシアに渡りナポレオンに抵抗を続けることをしていましたが、それでもナポレオンが展開する新しい戦争の仕方を研究する中で、戦争の本質を追求していました。
その戦争の本質を常日頃書き留めていたそうですが、コレラで急死してしまいましたので、妻がそれをまとめ上げ、名著「戦争論」がめでたく誕生。
ただ、難解だったために、正しく理解できる人は少なかったそうです。
それでも、第二次世界大戦前の日本軍でも読まれていたと文献で見たこともありますし、ベトナム戦争後は世界的に脚光を浴び、後世に読まれた戦争本としては、孔子の兵法に並ぶ有名作だという認識です。
しかし、僕も何度か読むのを挑戦したのですが、結構難解だったので、諦め、漫画になっている戦争論を読みましたよ〜笑
→ こちらです(amazonページに飛びます)「クラウゼヴィッツ の 戦争論」
戦争の構成と業務指標
今回使うのは、戦争の構成という部分です。
クラウゼヴィッツが戦争の構成は大きく4つの要素があると言っています。
戦争の定義は書いていません。クラウゼヴィッツ自身も戦争の定義は、明確にしていませんので、それを踏襲しています。
よく、戦略と戦術が混同されます。
戦略は、戦争を有利に進めるための、俯瞰した方法で、戦闘を想定し、勝つためのステップを組み立てます。
一方、戦術は、戦闘における進め方です。敵の重心を狙うために、どのような配陣にして、各陣営がどのタイミングで何をするか、そんな具体的な行動目標を立てます。
ですから、先に書いた業務指標とは、以下のような関係があります。
戦争と戦闘は、具体的なアウトプットの対象ですが、戦略と戦術は、各指標の設計をする活動になります。
ぶっちゃけ、業務指標を説明するには、違う内容で説明した方がわかりやすいのですが、あえて戦争の構成との対応表を記載したのは、戦略や戦術という言葉を仕事でよく使うからです。
競合との戦いをイメージして、これらの言葉をマーケティング用語として使用していますが、これは今の時代古い考えだと思います。
しかし、現役バリバリでそのような言葉を使うケースがありますので、今一度頭の整理しておかないと、ビジネスコミュニケーションを正確に理解できない可能性があります。
わかりやすい例で業務指標の説明
業務指標のわかりやすい説明は、下記の書籍に記載されていますので、一度読んでみることをオススメします。
→ (amazonページに飛びます)「鬼速PDCA」
ここで説明されているTOEICの例は、本当に理解しやすいので、その情報を元に図解して見ました。
KDIは、あまりハードルの高いDOを置くと、取り掛かるまでに時間がかかるので、分割して、取り組みやすいようにすべきだと思います。
"「簡単にやる気を出す方法を教えてください!」→脳研究者「やる気なんて存在しない」"の記事では、やる気というものは、人間が考えた概念で、存在しないと記載されている通り、まずはやってみようという気分にさせることが重要だと思います。
また鬼速PDCAでは、1週間単位でふり返りができると高速で業務を回せるとしておりますが、私も感覚的には共感します。
そのふり返りまでに終わらせようというする気持ちが入りますので、1週間毎に設けているのは絶妙な日程感だと思います。これ以上早いと業務自体がストップする度合いも大きくなりますので。
その他にも、色々と業務に役立つPDCAの回し方が記載されているので、ご興味ある方は、鬼速PDCAを参照して見てください。
業務指標は自分の頭で考え立てるべし
そして、一番重要なのは、これらの業務指標を自分で立てることです。
もちろん他社・他人の真似をして、KPIを立てるのは悪くないのですが、クラウゼヴィッツも言っている通りマニュアルに頼ってしまうと、自分の頭で考えることをしなくなります。
そうなると、本質的な物事を考えなくなり、周りに流されて行動するようになります。
インターネットの進化で、日々新しい技術やサービスが出てきていますが、それによってカスタマージャーニー*1は大きく変わってしまいます。
でも、本質を捉え、自分の頭で考えることができれば、KPIの作り方も柔軟に変化させることができるのです。
*1 カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、最終的に購買するまでの、 カスタマーの「行動」、「思考」、「感情」などのプロセスのことを言います。
最後に
PDCAサイクルを意識的に回せるようになり、それが習慣化したら、周囲とのパフォーマンスが数年で大きく変わってきます。
自分が登るべき山を決めたら、日々の習慣化が山を登り切る唯一の手段です。
いまこの1秒の集積が1日となり、 その1日の積み重ねが1週間、1ヵ月、 1年となって、気がついたら、 あれほど高く、手の届かないように見えた 山頂に立っていたと、いうのが 私たちの人生のありようなのです。 (稲盛和夫)
それでは〜!!
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