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【LIFEHACK】コードレス掃除機その後


バッテリーの再利用

使えなくなったバッテリーパックのその後

前々回に投稿したコードレス掃除機の記事を書いた後にさらに調べてみたら、最近使えなくなった2つ目のダイソンバッテリーパックの6本の18650型のLiBセルのうち、1本だけがお亡くなりになっている事が分かった。原因は分からないが、電圧が出ておらず導通もしなかった。バッテリーパックのランプが何をしても光る事はなかったので、想定外の故障モードなのかも。残りの5本は電圧が出ており、充電も出来たのでLiBセルは生きてる模様。

一番最初に使えなくなったバッテリーパックはバッテリー不良を示すランプの点滅(32回の赤点滅)なので、セル電圧のバランスが悪くなったっぽい。中身を調べてみたら6本とも生きており4.2Vまで充電も出来、リバランスされたので使えそう。最近使えなくなった2つ目を活かす事にして、不良の1本のLiBを取り替えたらバッテリー不良を示す赤ランプの点滅に変わった。
2つ目のその後については、別記事にて。

バッテリーセルについて

5本のLiBセルが手元に残ったのだが、調べてみると中々高性能(3000mAh, 30A)なので、このまま廃棄処分するのはもったいなく再利用することにした。
実は、LiBセルは秋葉原のお店に行くと売っていたりする。ただし、単独で使っていいような保護回路付きのものと、保護回路を外付けにして直列で使うための裸セルがある。

下の図で緑のものがバッテリーパックに使われていた裸セルのもの。青のものが秋葉原で買った保護回路付のものだ。保護回路付きだとセルサイズが、規格の65mmより少し長くなっている。緑は規格通り65mmの長さになっている。

裸の18650と保護回路付の18650

LiBは乾電池のように簡単には機器に取り付けられず、特性をよく理解して必ず適切な保護回路をつけて使う必要がある。
もし扱う際は自己責任になるので、ご注意をお願いします。

ハンディ掃除機の修理

再利用先は・・・

LiBセルの再利用先を考えていたら、20年くらい前に買ったハンディ型の掃除機が眠っているのを思い出した。コード付の掃除機ではやりにくい場所で使うためで、作業後の机の上のゴミ掃除とか部屋の隅の埃を取るためとか。電池式のハンディ掃除機を使っていたのだけど吸引力が低く、どこで見つけたか忘れたが、少し大きめのこの掃除機を買った。コード付の掃除機に吸引力は見劣りするけど片手で扱えて便利なのだが、結構重いのと充電に時間がかかる割にはパワーが小さいというので余り使わなくなった。しばらく放っておいたら、充電出来なくなって押し入れの奥にしまわれていたものだ。

20年くらい前のハンディ掃除機

掃除機のスペック

改めてこの掃除機のスペックとか見直してみたら、6V、4Ahの小型シールド鉛蓄電池を使っているとなっている。

掃除機付属の取説

掃除機の後ろの蓋を外すとこんなのが入っていた。道理で重いわけだ。

シールド型鉛蓄電池
740gもある

バッテリー交換

素直に考えるとこれを交換すれば良いことになるのだが、果たして入手可能かと調べてみるといまだに手に入るらしい。Amazonだとこんなんで。
(サムネ表示だと1,200円になっているが、リンク先では1,950円(2024年9月18日付))

秋月電子だと後継品が1,080円(2024年9月18日付)で販売されていたりする。

普通に考えるとこれに交換すれば良いのだが、重くなるし費用もかかるので、予定通りLiBセルを再利用する事にした。

困った事に・・・

実際に安定化電源から6Vを出して掃除機の消費電流を測ってみると、3Aくらいあった。これなら18650のLiBセルを2本直列にして十分性能が出る。試しに繋いで動かしてみると、かなりうるさくなるが問題なく動作する。
これで保護回路をつけて接続すれば良いかと思っていたのだが、ここで問題に突き当たる。

2本直列にした時の保護回路は、Amazonで色々なタイプが売っている。電流3A強に耐えられるものという事でこちらの製品を試す事にした。8Aで問題ない。8個1,399円(税込)なので、 175円/個だ。

実際の商品は約40mmとかなり小さく組み込むのには問題ない。コンパレータとMOSFETの組み合わせで電圧を監視、電流遮断している。熱設計的にはかなり問題ありそうで8Aはとても流せないだろうけど、取り付けは排気側になり空冷もされるし3Aなら耐えられそう。

2セル用の保護回路(セルをつなげるB+, BM, B-と、充放電用のP+, P-端子がある)

これを二つ直列にしたセルに組み込み掃除機に繋げれば大丈夫かと思いきや、モーターが回らなかった。6Vで3Aくらいだから、満充電のセル2本(8.4V)でも8Aはいかないだろうと思い込んでいたら、そうはならなかったみたいだ。正確に測定まではしていないが、定常状態ではせいぜい4~5Aくらいなのだろうが、恐らく相手がモーターなので、最初の突入電流で8Aを超えてシャットダウンしてしまうらしい。その証拠に、スイッチオンのタイミングによっては掃除機が動く時がたまにある。

結局

突入電流を制限するために直列に抵抗を入れてみる事も考えたが、流れる電流が大きくて損失が大きく(1Ωの抵抗でも9W強)発熱も大きいため、無理っぽい。手持ちの抵抗で試したら、高Wものでも触れないくらい熱くなった。
結局、高効率のDC-DCを入れて6Vに電圧を下げて使う事にした。
探すとこんなのがあった。

入力電圧も出力電圧も問題なく、対応電流も8Aまで。先の保護回路と合わせて569円のコストだ。実際に使ってみると、今度は問題なく動作した。電圧調整用のVolumeも別段微調整する必要もなく右に振り切りで使えた。

このDC-DCを組み込むので、バッテリーの充電時と放電時の接続を変えるため、掃除機本体のスイッチ部に少し変更を入れなければならなかったが、それも簡単に行えた。DC-DCの組み込みも、付属していた支持用の足を両面テープで本体内部に貼り付ける事で収まった。

DC-DCを取り付けた様子(上部に少し見える赤線と黒線をバッテリーセルに接続する)

バッテリセルは最終的にこんな感じにまとまった。

2本のセルをバッテリーケースに入れたところ
裏面に保護回路をつけて端子を出したところ

これを元々のバッテリーが取り付けられていた赤と黒の線に繋げれば良いのだが、掃除機本体への収納に少し工夫がいった。それも、手元にあった緩衝材のウレタンをかませたら丁度固定できたので、問題なく収納できた。

次の記事に向けて

最終的に使ったお金は、後継型のシールド型鉛蓄電池を買うより高くついたが、掃除機単体に必要だったコストは、569円+α(バッテリーケース+ケーブル+接続端子)で、α部分は別件で購入したものの費用なのでほぼ0円で、鉛蓄電池を買うよりも安く済んだ。そして何よりなのが、使えるLiBセルを遊ばせずに再利用できたことでECOである。他のセルの再利用をするための知見と、保護回路などのパーツを得られたのも大きい。

次に予定しているコードレス掃除機の記事では、セルを交換したバッテリーパックの再生について書こうと思う。
こちらはかなりコアな内容になりそうである。

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