「夏に喰われる」Chapter2
大した遠出でもないが、
大きなリュックにやれ懐中電灯だの、水筒だの、
ついには頑張って貯めた小遣いなんかをつめる。
それはまるで、ちょっとした冒険のつもりでいて
詰め込んだガラクタは、何かの期待や、
夢だったんだと今では思う。
昔懐かしい、なんてことないビー玉や
おもちゃの双眼鏡、お菓子のおまけなんかは、
部屋の隅で埃をかぶりながらも
まるで宝物のように部屋の隅で埃を被っている。
いつのまにか埃がかぶってしまったものは決まって
ある時突然、意味もなく格好良く、
キラキラして