映画感想文『メリーに首ったけ』は女性のことなんて何もわかっていない男の映画屋が作った「いい女」だ 。『ゴーン・ガール』の原作者のギリアン・フリンはそう語る。
監督:ボビー・ファレリー ピーター・ファレリー
キャスト:キャメロン・ディアス
マット・デュロン
ジョナサン・リッチマン
キャメロン・ディアスの出世作、懐かしい。今回Disney+で再鑑賞。現在サブスクで観れるのはDisney+だけみたいだ。本作はブラックジョーク&下ネタ満載の不適切にもほどがある不謹慎だが超笑えるラブコメディ。
オープニングはジョナサン・リッチマンが木の上で歌う主題曲”There's Something About Mary Song” その後も話のところどころに出て来てギター持って歌ってる。ストーリーにはほとんど絡んではないが、ラストにも出てきて悲惨な結末を迎える。そのジョナサン・リッチマンはモダンラヴァーズっていうバンドのボーカルなんだが、このバンドは決して演奏がうまい訳ではないがそのヘタウマ的なある意味いい加減さが魅力のバンドだ。同時代のニューヨークのバンドは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ラモーンズ、トーキングヘッズ、テレヴィジョン、、いわゆるニューヨークパンクはみんなどこか似たような雰囲気がある。
代表曲の『ロードランナー』123456!始まりのカウントを6まで数える。ワン、ツー、スリー、フォー、ファイヴ、シックス!で始まる疾走感あふれる迷曲?w
123456!
ロードランナー、ロードランナー
時速 何マイルもの凄い速さで突っ走る
ストップ&ショップの店なんか通り過ぎて行く
ラジオは着けっぱなしで
俺の恋するマサチューセッツ
外が寒くなってからあのネオン
夜遅くなってからのこのハイウェイ
ラジオをつけてる
俺はまるでロードランナー
オーライ
ピストルズのロードランナーのカバー、適当さ加減がめちゃめちゃカッコいい。
スネークマンショーのSTOP THE NEW WAVEも最高だw
アラジンもww
『Egyptian Reggae』は中毒性があって何度も聴いてしまう。
甲本ヒロトもジョナサン・リッチマンがお気に入りみたいだ。
この映画『メリーに首ったけ』でメリーは可愛くて性格も良い完璧な女性として描かれてる。映画『ゴーン・ガール』の原作者のギリアン・フリンはキャメロン・ディアス演じるメリーのキャラクターに違和感を感じたという。『ゴーン・ガール』の着想のきっかけは『メリーに首ったけ』のその違和感だったそうだ。「これは女性のことなんて何もわかっていない、『男の映画屋』が作った『いい女』だ」そして劇中で主人公のエイミーにもフリンの本音を語らせる。「男はいつも褒め言葉として言う。『彼女はいい女だ』。『いい女』は何でもしてくれ、いつも機嫌よく絶対男に怒らない。恥ずかしげに愛情深く微笑み、その口をファックに提供する。『いい女』は男の趣味に合わせる。彼がオタクならマンガ好き。ポルノ好き男ならイケイケ女。アメフトを語り、フーターズで食事する」まさしく痛烈な『メリーに首ったけ』批判である。
この映画は、男性の“女性に対する理想主義”を粉々にぶち壊す。
『ノッティングヒルの恋人』に使われた『She』を使った予告編はデヴィッド・フィンチャーのスタンダードなロマコメに対する最大の皮肉か。
『メリーに首ったけ』大好きな映画ですが、正直犬好きの人は気分が悪くなると思います。