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どの本よりも早く読みおわる後宮の烏。2巻め。

読書日記ってこう…いろんな作家さん、いろんなジャンルが入り混じるのを想定してたんだけど…。

読み終わった本が、前回書いたシリーズの続きの巻しかないんじゃ…。

えー、前回が「後宮の烏」、今回が「後宮の烏2」です。タイトルがシンプルなところも好き。

ラノベ感あふれるながーいタイトルも面白いけどね。あれはあれで芸術の域というか。

さて、後宮の烏2の感想。

「心地よいさざ波」という感じ。

1巻と同様に、短くまとまるお話がいくつかあって、本全体で少しずつ話が進む形式。終始落ち着いたトーンで、じんわりと心が温まるような優しい読み味。

1巻だけでも大きな謎が明かされてるのに、2巻でもさらに大きな謎が現れてきた。一体どれだけの謎が秘められているんだろう…。

1巻を読み終わったときは、これ以上大きな秘密なさそうだけど、6巻まで出版されててまだ連載中ってほんとですか?って思ったけど、こりゃ何巻書いても足りなさそうだな…ってぐらい複雑で深い謎が用意されてるみたい。

話を詰め込まず、ゆっくりじんわり進むから、全てが明かされるまで、かなり時間がかかりそう。

でも、じれったい感じは全然しない。

ひとつひとつの表現…とくに鳥、花、炎、風…自然に関する表現が美しく繊細で、読んでいて飽きない。

人物の心情に関する表現も、繊細で、しつこさがない。もっとことこまかに書いても良さそうなのに、あえてさらっと書かれているから話のテンポが崩れないし、自分で想像する余地がたくさんあって楽しい。

うん…。やっぱり心地よいさざ波だ。

ずーっと眺めていても飽きない。眺めているだけで心が洗われていくような気さえする。

1巻を読んだときは「凪」だと思った。でもそれは大荒れの海みたいな彩雲国物語と比べたらの話、ってことが分かった。

後宮の烏は後宮の烏で、ちゃんと波はある。波は立っているのに、穏やかで心地よい。

読んでるだけで心地よいから、気付いたら本を開いていて、どの本よりも早く読み終わってしまう。

ま、本は義務感で読むものじゃないからいっか。"積ん読"されてる本たち、ゆっくり眠って待っててくれ。

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