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ゲームにもっとアクセシビリティを

1年くらい前、ふとした出会いから「ゲームアクセシビリティ」というものに出会い、普及のお手伝いができたらなぁと思っています。

僕はテクノツールという会社で福祉用具の開発や輸入をしています。エンドユーザーはALS(筋萎縮性側索硬化症)、SMA(脊髄性筋萎縮症)、筋ジストロフィー、頸髄損傷などによって重度の肢体不自由を抱えている人たち。

去年、自社カタログのリニューアルを進めるなかで一人のユーザーと出会いました。彼はヘビーゲーマーで、指先がわずかに動かせるくらいの身体機能ですが、いろいろな工夫をしてマインクラフトやマリオカートをプレイしていました。その姿に衝撃を受けた僕は、それから彼や知り合いの作業療法士から助けてもらいながら世界の取り組みを調べたり、ちょっとした試作をつくったり、イベントで体験会をやったりしています。

ちなみにトップの写真は彼がマインクラフトをプレイしているところ。視線入力センサー、センサーからの入力をマウス入力に変換するソフト、頭に装着し首を動かして操作するマウス、指先のわずかな力で押せるスイッチ、などなど組み合わせています。ゲームが変われば使う機材やそのセッティングは変わるし、なによりプレイヤーの身体状況しだいで選択肢は大きく左右されます。

でもとにかく、彼のように市販のコントローラーが使えなくてもゲームをプレイすることはできて、オンラインで見知らぬ誰かと勝負したりチームを組んだりできるのです。自分に適した操作方法さえ確率できれば、オンライン上では完全に対等な立場になり、見知らぬ相手(個人やチーム)をボコボコにしたり、その逆になったりするわけです。重度肢体不自由児・者がこういう経験をする機会は、リアル社会では非常に限られています。

ゲームにもっとアクセシビリティを

アクセシビリティ(Acceddibility)とは、超かんたんにいうと「情報やサービスへのアクセスしやすさ」のこと。ゲームアクセシビリティ(正確にはVideo Game Accessibility)とは、あらゆる人がテレビゲームをプレイできるよう配慮や工夫をすることです。「あらゆる人」とは肢体不自由者だけでなくたとえば目が見えない人や耳が聞こえない人も含まれます。

ゲームアクセシビリティは欧米を中心に発展していて、The AbleGamers Charity(アメリカ)やSpecialEffect(イギリス)といった団体が積極的に活動しています。eスポーツ大会で活躍するプロゲーマーも何名かいるようです。この辺はおいおい。

日本ではゲームやろうぜProjectというサイトがあったり、群馬県にあるiba-shoという施設は障害者プロゲーマーの養成に挑戦しています。その流れで8月に「第1回障害者eスポーツ大会2019 GUNMA」が開催されるらしいのでこれは行かないと。
僕にきっかけをくれた彼もまた、自分で調査・研究した内容をwebサイトやFacebookで発信してます。これから普及を進めていくためには発信者が増えたほうがいいに決まっているので、僕も自分の取り組みや調べたことをnoteに書くことにしました。

noteに書いていくこと

ゲームアクセシビリティ以前に、僕らのやっている仕事は世間一般に認知されていません。車椅子や介護用ベッドなら目にしたことがあるかもしれませんが、「重度肢体不自由者向け福祉用具」って言われても漢字多すぎるしまったく意味わからんでしょう。「AACデバイス」とか言われても???って感じです。

でも誰にだって突然の病気やケガで肢体不自由を抱える可能性はあるし、身内や友人がそうなってしまうかもしれません。だから、一見遠い存在に見えるアクセシビリティや福祉用具をもっと身近に感じてもらえるようなことを書いていければと思います。

それに加え僕はアトツギという立場でもあります。テクノツールは25年前に父が起こした会社で、僕はそのうち事業を承継します。それなりに珍しい立場だし日本経済にとってホットなトピックでもあるので、アトツギの文脈でも発信していきます。

ベンチャー型事業承継

アトツギといえば、34歳以下のアトツギが集まるコミュニティに今年から参加しています。日に日に熱を帯びてきているコミュニティの力も借りつつ、新規事業を立ち上げようとしています。条件を満たす人は見学からでもぜひ参加してみてください。他人にはわかってもらえないアトツギならではの悩みを相談できる場になったり、アトツギとして新規事業を起こしていく助けになるかもです。

ということでゲームに限らずアクセシビリティや福祉用具のこと、アトツギのこと、日々の雑感などなど書いてまいります。以上、はじめてのnoteでした。


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