cockroach　and　sunflower【詩】

昨日ごきぶりを殺した手で
今日はひまわりに水をまく

食器用洗剤をかけたら
あっさり動かなくなった
触るのがいやだったから
水を流して
排水溝に押し込んでやった

夏の到来を感じたくて
園芸店で種を買った
ついでに大きめの鉢も買ってきて
そっと土をかけて
如雨露で水をやったんだ

昨日洗剤をかけた手で
今日は水をかけたんだ

なんだあいつと同じじゃないか

生命を疎ましいと感じた僕は正しい
生命を慈しむ僕も正しい
生命の矛盾を
両手に抱えて
僕は明日も生きていくだろう

光あれといったくせに
水で流してなかったことにしようとした
あいつと同じだからね

明日も僕は
洗剤を掴み
如雨露を掴むだろう

あいつがしたように