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鴉と蝙蝠【詩】

真夏の午後が焼き尽くす
アスファルトの国道は
真っ白に眩く光る

光の中に黒い点あり
近づけば
羽砕けた鴉の死骸
と見えて
実際は
骨砕けた蝙蝠傘

安堵する
仕事終わりの帰路に
命の抜け殻なぞ誰が見たいものか
無論
朝ならいいというものでもない

ああ嫌だ嫌だ

蝙蝠傘の魔法陣で
鴉の偽物を生贄に
全ての道をどこにも辿り着けぬ道へ

お前らおとなしく家にいろ
お前らおとなしく家にいろ
熱に魘されて
風邪に吹かれる
その前に
アスファルトに命吸わせる
その前に

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鐘子寿ゞ実(かねこすずみ)
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