「多元宇宙の巡回セールスマン(あるいは訪問販売無間地獄)」 ルネ・マグリット作「ゴルゴンダ」より【詩】
ある日
地上目指して降下する
無数のセールスマンたち
ああ 彼らこそ
あの巡回セールスマン
最短巡回経路の探索を宿命づけられた者たちだ
彼らがとうとう来てくれたんだ
いかなる高性能コンピュータでも
解けない難問と言うなら
彼らに任せるしかない
無限の並行宇宙からやって来た
無数のセールスマンたち
彼らが挑むのは
世界に遍く存在する全てのお宅への訪問販売
その最短経路の探索だ
さてさて
無数の経路を無数のサラリーマンたちが
遍く辿り 解を探る
まっとうにやれば
この宇宙開闢以来の時間を使ったとて
はじきだせるはずもない難問だが
大丈夫 彼らに任せれば
たぶん 大丈夫
ただし 世界は訪問販売無間地獄祭り突入だ
24時間年中無休でセールスマン来訪
これが 延々続く続く続く…
始まったが最後 終わりません
そこまでやっても謎なのは
彼ら いったい何を売るのでしょう
それこそ永遠の謎です
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