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フォトエッセイ「秘密道具とあくなき探究心」

私が物心着いた頃から父親は既に写真にのめり込んでいました。というより、日曜日になると本業を抱えながらトリプルワークで、浜松市の写真スタジオで結婚式の撮影をカメラマンとして行い、やその他で多忙を極めていたため、思い出す父親の姿、作業部屋でライトボックスに片目のルーペ(?)で、殺気を放ちフィルム写真を見ていたのが、もうだいぶ前のこと。その姿は真剣そのものなのですが、構って欲しい盛りの私はかえって心を閉ざしてしまったように思います。

我が家にはディズニーランドへ行った思い出もなければ、海外旅行の思い出もありません。

長野県や岐阜県には日帰りでしょちっちゅう通って山々や里に暮らす人々を撮り会話をし、田舎のならわしでしょうか、これもって行けと、抱えきれない農産物を頂いて帰り、料理上手な母が調理し、食卓が華やかになる。以前は同行していても、小さな私の心が殺気だって写真と向き合う父に反発して当日好きだった人の好きなバンドを車の中でヘッドフォンをして聞いていました。車からは降りることはありませんでした。 無言の反抗期だったようにもおもいます。




久々に仕事道具を見せてくれました
まだまだ私には不思議道具
まだ使える!
ティースプーンと赤唐辛子が生活感を


ちょっとした事で、人間関係や構築してきた関係性の終わりはきてしまいます。
つい最近もようやく、もうひと踏ん張りで自分の守備範囲を守るために長いこと積み重ねてきた、成長するタイミングで色んな出来事がありました。

自然の流れに身を任せていたら今朝、父親が秘密道の露出計(まだまだ何に使うか分からないワタクシ)やフィルムカメラの数々と母親に暗室まであったらしいのですが、見事に撤去されてしまったお話(初耳)

いまもぐうぐう寝ているのでしょうがあくなき探究心に敬礼です!


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