【イベントレポート】Chatwork株式会社×株式会社ショーケース「Chatwork Collab Pitch」
ビジネスチャット「Chatwork」を提供するChatwork株式会社と共催した、「Chatwork Collab Pitch」が、2022年4月27日(水)に開催されました。
「Chatwork Collab Pitch」共催に至る背景
当社の子会社で投資支援事業を行う株式会社Showcase Capitalは、スタートアップと事業会社・投資家をピッチ動画(=プレゼン動画)でつなぐマッチングプラットフォームサービス「SmartPitch (スマートピッチ)」を展開してきました。
Chatworkは、かねてより中期経営計画の中で、2025年以降に「Chatwork」がビジネス版スーパーアプリとして、すべての人に一歩先の働き方を提供するためのプラットフォームとなることを目指しています。
その計画を前に進め、加速させていくため、事業シナジーがある企業への出資を行うことをコンセプトとしたCVC「Chatworkスーパーアプリファンド」を組成し、2022年より本格的な展開をスタートさせました。
スタートアップとの資本提携・業務提携を推進したいChatworkと、スタートアップとの豊富なコネクションとマッチング実績のあるショーケースおよびShowcase Capitalが手を組み、「Chatwork Collab Pitch」を共催することになりました。
そもそも「SmartPitch(スマートピッチ)」って?
「SmartPitch(スマートピッチ)」は、スタートアップと事業会社や投資家をピッチ動画でつなぐマッチングプラットフォームサービスです。
スタートアップは、自社のサービス・プロダクトや事業計画に込めた“想い”と“熱意”を5-7分程度のピッチ動画にし、「SmartPitch(スマートピッチ)」に投稿しています。
事業会社や投資家は、そのピッチ動画を見ることで効率的に業務提携先や投資先を探すことに繋がります。
<参画機関>
■民間サポーターズ「J-Startup Supporters」
全国から選定された約140社のスタートアップを支援中
┗「J-Startup HOKKAIDO」:「J-Startup HOKKAIDOサポーターズ」
北海道で認定された22社のスタートアップを支援中
┗「J-Startup TOHOKU」:「J-Startup TOHOKUサポーターズ」
東北で認定された34社のスタートアップを支援中
┗J-Startup KANSAI:「J-Startup KANSAIサポーター」
近畿経済産業局、京都府、京都市、大阪府、大阪市、堺市、兵庫県、神戸市など
┗J-Startup NIIGATA:「J-Startup NIIGATAサポーター」
新潟で認定された20社のスタートアップを支援中
■浜松市:「ベンチャー企業等誘致パートナー」
■東京都:「NEXs Tokyo」
(2022年5月下旬時点)
「Chatwork Collab Pitch」について
今回、登壇したのは一次審査を通過したファイナリスト5社です。
そして、こちらの4名の方々に審査を行っていただきました。
それでは、登壇したファイナリスト5社のピッチをご紹介します!
【1st Pitch】株式会社WEBUO
EC事業者をターゲットとしたEC運営プラットフォームを開発。事業者の状況をシステムでヒアリングし、その結果を元にやるべき施策の提案から学習、実行の支援までをサポート。
<スピーカー>
取締役CSO:吉田 透さま
Eコマース(EC)の支援事業を行っているWEBUOは、Webサイトを制作することがゴールになってしまい、納品後にWebサイトがうまく運用されていない企業が多いことに課題を感じていました。
この原因を、
・ECサイトを作ったものの売上を上げるために何をすればいいかわからない
・やるべきことはわかっているが、忙しくて改善作業を実行に移すことが難しい
という2点だと考え、Bundleを開発しました。
Bundleは、データ分析から施策の立案、実行までをサポートするツールです。大量の情報をただインプットしてもらうのではなく、いかに必要な情報だけを伝えて、ビジネスに集中してもらう時間を作れるかということを大事にしています。
また、システムで全てを解決しようとするのではなく、ECを理解して運用できる人材を開発中のシステムと組み合わせてサービスを提供するのが特徴です。
システムによって明確になった課題を解決するために作業できる人材がいなければ、根本的な課題の解決には繋がりません。そのため、人材とセットでサービスを提供しています。
人材については育成から自社で行っており、育成も育成後の業務もオンラインで行うことができるため、毎日通勤するのが難しい方や子育てをしながら家で働きたい方などといった就業希望者にとって、働き方の選択肢を増やすことにも貢献しています。
・会社概要
・課題
・サービスの特徴
・実例
・サービス開発におけるフェーズ
・今後の展望
・ミッション、ビジョン
など、お話しいただきました。
審査員の方々からは、
・ターゲットとする企業の規模感
・マネタイズのポイントと今後の構想
・サービス導入における効果
など、ご質問をいただきました。
【2nd Pitch】株式会社ジェイタマズ
アポイントを取らずにそのまま商談するインサイドセールス向けSaaS「OPTEMO」。
Webサイト上でそのまま音声通話が可能で、「Webサイトを商談のきっかけの場」とするコミュニケーションが可能。
<スピーカー>
代表取締役:小池 桃太郎さま
リモートワークの普及やリアルイベントの中止により、オンラインの重要度が高まり、都内でのリモートワーク率は1年強で2.7倍になりました。さらに、インサイドセールスの求人は2年半で7.4倍に増加しています。
そういった中で、インサイドセールスにおいて以下のような課題があげられています。
・そもそもwebサイトからの問い合わせが足りない
・リモートワークで架電しても繋がらない
・顧客リストの上からテレアポをしているだけ
・顧客が求めていないタイミングで架電している
顧客がwebサイトを訪問してから商談を行うまでには様々なステップがありますが、企業が顧客にアプローチするには、まず顧客に問い合わせフォームへの入力をしてもらうことが必要です。しかし、実際に入力するのはwebサイトを訪問した顧客の1%しかいないのが現状。
そこでOPTEMOは、アポイントを取らずにその場で商談するというweb体験を実現しました。リアルタイムでwebサイト訪問者が見ているページや操作を可視化し、webサイト上でそのまま顧客と音声通話が可能。顧客アプローチのタイミングを通知でお知らせできるため、工数を増やしたり張り付いていたりしなくて良く、通常業務の合間に商談を行うことができます。
・背景と課題
・サービスの特徴
・ユースケース
・他サービスとの違い
・チャットワークの活用方法
など、お話しいただきました。
審査員の方々からは、
・チャットと比較した際の音声の優位性
・ペルソナの詳細
・アウトソースの費用対効果
など、ご質問をいただきました。
【3rd Pitch】株式会社TIME MACHINE
日程調整&オンライン名刺交換サービス「Schecon(スケコン)」は、メールや電話で行われて煩雑になりやすかった日程調整を自動化し、一括データ管理が可能なサービス。
日程調整が「最短10秒」で行えて、予定調整の履歴から調整した相手の顧客情報の一元管理も可能。
<スピーカー>
代表取締役:石澤 秀次郎さま
1対1や複数人での日程調整、空き時間確認を行うことができるSchecon。Google・Outlookと連携でき、もし調整中に別の予定が入っても自動で候補日程から削除してくれ、決まった予定は自動でカレンダーに登録してくれます。
日程調整には、これまで通常約16ステップかかっていましたが、Scheconを使うと4ステップに削減でき、1回の日程調整につき、約24分短縮が可能です。
また、オンライン名刺交換が可能で、日程調整した相手のプロフィールや連絡先、日程調整の履歴を見ることができます。
こういった予定調整サービスの市場は盛り上がっており、利用ユーザーも増えていますが、定例MTGや社内MTGでは使いづらいこと、ユーザーの要望が多種多様過ぎること、使用用途や利用シーンが限定的であることなどといった理由から、無料ユーザーが大半となり、マネタイズが難しいのが現状です。
そこでScheconは、予定調整という行為ではなく、予定調整をキッカケに繋がった人たちのコミュニティにフォーカスをあてようと考えました。
Scheconは、予定調整した相手とすぐにやり取りができるチャット機能とマッチング機能を追加したビジネスSNSとして進化し、更に、APIによる連携を社内外の様々なサービスと行っていく予定とのことです。
・サービスの概要
・予定調整の悩み
・デモンストレーション
・サービスの特徴
・料金プラン
・実績
・市場と課題
・競合優位性
・マネタイズ
・今後の展望
など、お話しいただきました。
審査員の方々からはからは、
・ビジネスSNS化の競合
・API連携の開発状況
・今後、壁になりそうなポイント
などの質問がありました。
【4th Pitch】株式会社鶴
BUSINESS DRIVE組織「制度・仕組み」は社内の制度・仕組みの構築・改善方法をAIが提案、実行支援する世界初のAIクラウドシステム。自社の組織力を高め、事業成長に役立てることができる。
<スピーカー>
代表取締役:今井 達也さま
中小企業に組織コンサルティングを5年間行ってきた鶴は、中小企業には「30人の壁」「50人の壁」「100人の壁」という人数を超えられない組織の壁があることに気付きました。この壁を超えるには、制度・仕組みを整えることが重要です。ですが、制度・仕組みを導入すると、今度はそれらを使いこなせないという問題が出てきます。こういった制度・仕組みの課題を解決するのがBUSINESS DRIVEです。
BUSINESS DRIVEは、自分たちで10の制度・仕組みを構築、運用、定着できるシステムです。
まず、社員に対して、制度・仕組みがどれくらい機能しているかをアンケートし、結果を数値化します。AIがこのデータを分析し、組織を改善していくための最適な解決策を提案します。提案は10個あり、その中から経営課題に即した内容を実行することができます。タスク実施直後と2か月後に難易度と有効性のアンケートを実施し、その結果に応じてAIが学習していきます。
今後はマネジメントや組織風土というジャンルにもサービスを展開し、それぞれにおいて様々な業種業態の課題を解決できるバーティカルSaaSに仕立てていく予定です。
将来的には、BUSINESS DRIVEの一部を解放し、現在の顧客やコンサル会社などの様々な事業会社の知識、ノウハウ、手法を売買できるような知恵のプラットフォームや、あらゆる課題を解決できるAIコンサルタントを構築していくとのことです。
・中小企業が抱える組織の壁
・業界で起きている課題
・サービス概要と特徴
・デモンストレーション
・提供価値と価格
・導入事例と実績
・優位性
・将来戦略
・目指す世界観
など、お話しいただきました。
審査員の方々からはからは、
・どれくらい継続利用するのが理想的なのか
・現状の平均的な継続利用期間
・既存商品や既存オペレーションへの影響はどこまで出たのか
・コンテンツのカスタマイズニーズはあるか
などの質問がありました。
【5th Pitch】株式会社ユーティル
Web制作やシステム開発、動画制作といったデジタル化に関する相談カウンター「Web幹事」「動画幹事」「システム幹事」などを運営。専門のアドバイザーがお客さまに合った発注先を無料でアドバイス。失敗しない発注先選びが一つの窓口で行える。
<スピーカー>
代表取締役:岩田 真さま
DXという言葉をよく耳にするようになった昨今ですが、SaaSという言葉自体もよく理解できていない中小企業は多く存在します。また、DXに関するソリューションは飽和状態にあり、1万個以上あると言われています。そんな大量のソリューションの中から中小企業は自社にあったものを選ばなくてはなりません。そんな「分からない」+「選べない」という不安な状況を解決するのが、Web幹事です。
使い方は、Web幹事のサイトから相談予約をするだけ。相談当日、zoomや電話で予算や納期をお客さまと一緒に整理し、登録者5000社以上の中から最適な事業者をマッチングします。マッチング後は、事業者の見積書や提案書を一緒に確認してセカンドオピニオンを提供し、発注した後に万一トラブルになっても仲裁役を担います。しかもこれら全てを無料で提供しています。
一方で、事業者側にもメリットがあります。これまで、お客さま側の要件と予算に対して見合ってないサービス提供を行う業者が多く存在していました。この課題を、2か月間しっかりと研修を受けた相談カウンターと案件の種類や価格帯を調査した独自の事業者データベースにより解決し、成約率35%を実現しています。
現在、動画制作、システム開発とカテゴリを拡大しており、成約率は同等の状態です。
長期的には発注データや事業者のデータベースを活かして、あらゆるSaaSやBPOのサービスを購入管理できるようなマーケットプレイスにしていきたいと考えています。
・サービス開発における背景と課題
・サービス概要
・利用者の声
・サービスの特徴
・事業者側へのメリット
・ビジネスモデル
・トラクション
・今後の展開
など、お話しいただきました。
審査員の方々からは
・このサービスに魂を燃やしている動機は何か
・マッチングする際、要件等のディレクションはどこまで踏み込んでいるか
・集客方法
などの質問がありました。
グランプリ企業
審査の結果、見事グランプリに選ばれたのは、「株式会社ユーティル」でした!
受賞された株式会社ユーティルの岩田さまからは、
「実はこういったピッチイベントに出るのは初めてでした。人前で話すのもとても苦手で、本番までに何度も社員に練習に付き合ってもらっていたので、受賞できて嬉しいです」
とコメントをいただきました。
そして、審査員を代表してChatwork株式会社の山本さまからは、
「他のファイナリストのみなさんもとてもレベルが高かったのですが、満場一致の結果でした。ビジネスマッチングという正直ベタなジャンルにおいて、中小企業の課題という点とうまく合わせることができていたと思います。非常に綺麗な成長角度とやり切っている感じやパッションに本物感を感じました」
とコメントをいただきました。
さいごに
SmartPitchでは、今後もスタートアップ・起業家のみなさんを支援して参ります。
たくさんのスタートアップのみなさんのピッチ動画をご覧いただくことができますので、スタートアップ・起業家の方々を支援したい事業会社や投資家のみなさんは、ぜひお問合せくださいませ!
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