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海のくらしとアート展@国立民族学博物館

びっくりした。
面白すぎて。

もともと、そんなに興味ある分野じゃないけど、まぁみんぱくの展示は見ておこう。そんな感じで訪れていたので、期待値はそんなに高くなかった。

もう、びっくりした。
浮き足立っちゃうくらい、楽しい。
マスクの下でニコニコしながらみた。

垂れ幕のイントロでスタート。

透ける素材で、チラシのデザインが大きく出力されている。

まず、第1章.海の民のくらしと歴史。
壁面パネルが実物貼り付け展示されている。地図上に実物を貼り付けちゃうことで、分布や影響の流れがわかりやすい。

移動&モノマップ

そして、これ!
主に釣り針を展示している台は水たまりを重ねたような形をしていて、魚の模型もある。

大きな針から小さな針まで色々。

映像もたくさん使用されているのだが、第1章ではスクリーンに大きく映し出されている。展示の始まりにふさわしい、海の美しさがクローズアップされた映像で、素敵だった。もう第1章から楽しすぎる。壁面パネルの写真の一枚一枚もすべて美しい。

写真パネルを眺めているだけでうっとりする。


第2章.漁具からみえる海洋生物とヒト
写真をみてわかるように、壁面と平置きの展示の境界がなく、繋がりをもたせた手法を使っている。置いているだけの展示とは全然別物である。全く受け取り方が変わる。なんて楽しいんだ!

立体的な展示の仕方が最高。
全体の様子。

この章で1番良いと思ったのは映像で、何か所かで小さなモニターで流れているのだが、内容といい、長さといい、ちょうど良い。意外と、展示の中の映像でちょうど良いというのは難しいのだ。この展示のちょうど良さは、はじめて味わった。映像ってすごい。わかりやすい。
また、漁の方法から海洋生物への眼差しなど、文化人類学的な面白さがたくさんあった。楽しい。

タコ捕り。右のタコの彫刻にはネズミがのっている。
みてみて、この彫刻の美しさ!
この網の展示方法、めちゃ素敵じゃない?
あの展示のされ方で、網の美しさに気付けた。


第3章からは駆け足でみていった。第1、2章で時間を使ってしまったのもあるが、そもそも来館時間が遅かったので、閉館時間が近づいてきたのだ。
第3章.貝と装飾品の世界 は、多くの人が展覧会のタイトルから連想するのは、こんな感じの展示なのではないかと思うような、美しく装飾された道具たち。

女性の服飾品に、貝殻の加工品が使用されている。
貝殻、美しい。加工技術、すごい。


第4章.船造りにおけるアートな世界 は、前章同様に、展示タイトルから想定していた通り、彫刻が施されたパドルが展示されていた。
美しかったり、不思議だったりして面白かった。

なんか召喚できそう。
真ん中のしゃもじ感。
シンプルに漕ぎにくそう。

ひとつひとつのパドルから物語が湧き出ているのを感じる。すごい。
舟の模型を展示してあったのも良かった。舟ってかっこ良いんだよなぁ。

シングル・アウトリガー
ダブルカヌー
テ・プケ
帆のかたち独特過ぎちゃう?
舟の模型の島。

さて、展示のトリを飾るのは、第5章.海の生物・舟に象徴される人びとの精神世界。

奥の写真パネルや資料は、船棺葬や舟形石棺、崖葬などについて。

異文化の精神世界には安易に触れられない思いがあるが、特に神像付きの椅子には写真に撮るのをはばかってしまうくらい、信仰心を感じた。というか、怖かったので、写真撮れなかった。展示パンフレットの写真をどうぞ。

パンフレットは展示の内容や展示物の情報が載っていて、とても良い。
展示をみにいったら、もらって帰った方が良い。

そして、これらの椅子や仮面にも、貝が使われているのだ。海との繋がりは、切っても切れないものなのだろう。
あと、海で生きる人びとのにとって欠かせない、舟の写真は撮れた。

竜頭舟。中国からの影響がある。
プルタラ・インデラ舟。鳥。


以上、魅せ方、内容の充実度ともに大満足な展示でした。
面白い展示をみたい人は、とにかく行って楽しんで欲しい。
立派なパンフレットももらえるし、特別展ではなく企画展なので、みんぱくの常設チケットを購入したらこのワクワクが止まらん展示がみれちゃうのだ。もちろん、常設展もみれる。お得すぎ。

素晴らしい展示を作り上げた関係者のみなさまに、敬意と拍手を。
本当に楽しかった。



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