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大戦中の地下軍需工場跡地が残る、埼玉県比企郡の「吉見百穴」現地レポート/★次回予告あり★
番組をお聞きの方もそうでない方もこんにちは。
ポッドキャスト番組『昭和オカルト奇譚』のマサです。
さて。ポッドキャスト番組(ネットラジオ)なのに、なぜか人気のある“現地リポート”ネタを日夜模索しています。この週末は、「吉見百穴」にいってきました。
「吉見百穴」と書いて「ひゃくあな」※ひゃっけつでも〇
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埼玉県比企郡吉見町。関越からは約1時間。練馬I.C.から鶴ヶ島か東松山I.Cで降りて埼玉県らしい景色を見ながらしばらく進むとたどり着く、古墳時代の墓穴跡地。先日の足尾銅山と同じく小学校時代、宿泊を伴わない修学旅行で訪れた気がする史跡。あの時代の子どもたちは、どの班になるのか、好きな子はどんなお菓子を持ってきているのかぐらいしか興味がないので、案の定全く記憶には残っていない。『吉見百穴』はサイトによると以下。
吉見百穴は古墳時代の末期(6世紀末~7世紀末)に造られた横穴墓で、大正12年に国の史跡に指定されました。
吉見町を代表する史跡で、現在確認できる横穴の数は219基あります。
各横穴は玄室・羨道の2部分からなり、その一部には天然記念物のヒカリゴケも自生している。
施設が運営している広大な駐車場は無料。なんともありがたい。入場料300円(大人)を支払って既に途中の道から見えていた穴ぼこ(墓穴)がぽっかりあいた山を見学する。
第二次大戦中に掘られた、地下軍需工場跡地
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古代人のお墓はオカルト番組のネタたりえるか、というそもそもの来ることにいたった動機からすると、エジプトのピラミッドや王家の墓はもちろん、その界隈の噂が紀元前からつきまとっているのでアリだろう。だが、なんとなく日本国内だと「前方後円墳」「古代人のお墓」となるとオカルトよりも社会科の授業っぽい印象を受ける。
A.紀元前4,000年、エジプトのファラオが眠る墓
B.戦国時代、たくさんの落ち武者が埋葬された墓
C.縄文時代、土器をめぐって争いがおきて亡くなった方々が埋葬された地
たとえばこんな3つがあったとして。
AはNHK BSとかお正月の民放で特番になるだろう。Bはそれこそ僕らのようなオカルト番組がとりあげるだろう。
Cはどうだろうか。なんだか難しい気がする。「昔すぎても興味がわかない」という例だ。
というわけで、真に目指したのはこの「吉見百穴」にある、第二次世界大戦中の地下軍需工場跡地だった。この場所での不気味な目撃談やエピソードが集中している。
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このトンネルは、中島飛行機の地下軍需工場を建設するために碁盤の目状に掘られたもの(パンフレットより)。当時、手彫り、火薬で爆破しながらの工事は多くの犠牲者を出したよう。そのため、古代人のお墓であることよりも、この戦争史跡での体験談が後を絶たないようだった。
それにしても見事な「洞窟の入り口」だと思わないだろうか。
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見学可能だったら、ドラクエIIIの洞窟のBGMみたいなのを本編につけて、冒険風に現地リポートをしたかったのに残念だ。「さぁ、では洞窟に入ります」(タッタッタッタ)←あのSE
2022年11月現在は立ち入り禁止
そういうワケなんでさぁ pic.twitter.com/UEvJjGC6Ve
— 昭和オカルト奇譚@Podcast🎧 | マサ (@showaoccult) November 12, 2022
こちらを紹介しているブログなどでは、明らかに内部を見学して撮影したと思われる写真が掲載されていたが、いつの頃からか洞窟内は崩落のリスクがあるので立ち入り禁止となったそう。先日の花魁淵(山梨県)といい、事前リサーチが足りないのはぼくの悪いクセだ。
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埋葬地 遥かな時経て 観光地(マサ心の自由律俳句)
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仕方ないので、「吉見百穴」のほうをリポートがてらに登ってみる。この穴々はすべてというわけではないが、ほとんどの中に入ることができる。古代人の埋葬気分を味わえるのでおすすめだ。(おすすめはしない)
そのうちの一つの穴の中でしゃがみこみながらふと撮れ高的なことや、この後の予定をぼんやりと考えていたときだった。ご家族連れの小さな子どもがぼくの墓穴をのぞき込み…
「お父さん、だれかいる」
「えーそりゃぁすごいな、古代人かもな」
(´・ω・`)「・・現代人です」
のそりと這い出てマイ墓穴を子どもに譲ってあげた。
大事に使うんだぞ。ぼうや。
きっと現代の霊園なんかも、何百年か後には観光地になっているかもしれない。
11/18(金)最新回の予告
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『SIREN -サイレン』のモデルといわれる岳集落(嶽集落)の潜入リポートなどを廃墟・廃村ロマンとともにお届けします。
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