なんで平気で生きていられるの?

先日、大学の友人と久しぶりに会いまして。同じ年齢のA子が私投げかけた質問です。

私には結婚の予定どころか彼氏ができる気配がない。転職を希望している。それなのに彼氏を作るようなそぶりがない、焦っている様子がない。だから「なんで平気で生きていられるの?」と素直に疑問に思ったようです。

なぜ彼女がそんな疑問を抱いたのか。理由はいくつかあります。まず彼女は30歳になるのが、とんでもなく嫌だったみたい。30歳を前に涙したんですって。ちやほやされる20代が終わってしまうことに卑下して。それから、とにかく29歳のうちに籍を入れて、妊娠・出産する準備を整えたかったみたい。彼女の周辺のアラサーたちは食事をしながら「不安だ」と泣く人もいるんだって。実際、彼女は29歳の間に入籍しました。

彼女からすると私は「平気で生きていられない状況」なのでしょう。

私の20代に「ちやほや」なんて言葉はそぐわない。「20代」が武器になったのは徹夜できるくらいの体力と回復力くらいで、あとは怒られっぱなし。上司からは「面白くない」「いつまでにできるんだ」「次の仕事はこれだ」もちろん、認めてくれるような声かけもありましたが、批判的な言葉と振り分けられる仕事に忙殺されていた、という感じ。

A子。私は平気で生きてなんかないよ。まいにち、まいにち不安で仕方ないよ。友人の結婚の報告を受けると焦る。妊娠しづらくなる年齢までに出産を終えるなら、それに向けてパートナーを見つけて関係を築いていかなきゃならない。逆算したら、今の時点でこの状況は、どう考えてもまずい。でも、なかなか人を好きになれない。人を好きになれない私には何か欠陥があるんじゃないかなって自己嫌悪。他にもコンプレックスがあって、同性にも異性にも「じぶんをされけ出す」ことができない。だからといって、死ぬわけにもいかないから、なんとか朝、目を覚まして仕事して「仕事がある、働いているから最低限の人間らしさは保っている」と必死にじぶんに言い聞かせて、かろうじて生きているよ。私はあなたのような、いわば「打算的な考え方」には賛同できない。あなたの「結婚相手の選び方」は相手に失礼な部分もあると思う。30歳になることに感じた恐怖はとても気の毒。反論はたくさんあるけど、人間の生き方なんて人それぞれ。だから私はあなたの話をうんうん聞きました。でも、あなたは「なんで平気で生きていられるの?」と言いましたね。私はもうあなたと会いたくありません。

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