【書評】ゲーテに学ぶ賢者の知恵/適菜収 メトロポリタン・プレス

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帯に書かれていた次の言葉が気になり購入。
「ナポレオン、ニーチェ、森鴎外、芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫、みんなゲーテを学んで大きくなった。」

この本は作家で哲学者の適菜収さんがエッカーマン著「ゲーテとの対話」を中心に言葉を選び出し、簡単な解説を加えている。

ハードカバーでそこそこの厚みがあるが、文字数はかなり少ない。
頑張れば1日で読める。
ゲーテを知らない人におすすめ。

今回は気になった言葉をいくつか紹介。

・「あらゆる泥棒の中でバカが一番悪質だ。彼らは時間と気分の両方を盗む」
辛辣な言葉だが、本質を捉えた言葉。
盗まれないためには関わらない環境作りが大切。

・「私たちに対して反論がなされるとき、その声の大きさに圧倒される必要はない」
たまに状況が悪くなると感情的に大声を出す人がいる。
特にビジネスの場で感情的になることは、自分が感情を抑えられない未熟者だと宣言しているようなもの。
そんな人のペースに巻き込まれないようにしよう。

・「胸の中にあたためている詩作上の計画について他人に話をすることなど、私の性質では考えられない」
自分が成し遂げようとしていることを容易に他人に話すべきではない。
なんだかんだで足を引っ張られることが多い。

・「自分を特殊な存在につくりあげよ」「しかし、その資質は、ふだんから手塩にかけておかないと、たくましくはならない」
日頃からの自己投資や勉強が、将来大きな差を生む。

・「君たちは、本の読み方を学ぶには、どんなに時間と労力がかかるかを知らない。私はそのために八十年を費やした。そして、まだ今でも目的に到達しているとはいえない」
ゲーテですら完璧な読書方法に達することはできなかった。
私も一生をかけて自分のスタイルを探していく。

とにかくシンプルで核をついた言葉が多い。
これをきっかけに原典にも挑戦したい。


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