ニンゲンの表と裏の顔とは?
ちょっと遅ればせながら、Netflixで話題の「地面師たち」をオーディオブックで聞いてみた。
ドラマも見始めたのだけれども、なぜかなかなかまとまった時間を作ることができないのと、Netflixでおばあちゃんがお気に入りの韓国ドラマを見続けているので、私が見られるときがない。
Netflixを1つのアカウントでも複数端末で同時視聴できるようにすれば良いのだけど、別にいつもいつもドラマを見たいわけでもないから、時間がある時に少しずつ見ていければいいかなと思っている。
オーディブルで次に読む本を探している時に、たまたまおすすめにあがっていた「地面師たち」をダウンロードしてみた。
ドラマの原作本であることは知っているし、2017年に積水ハウスという大手住宅メーカーが55億円もの大金をだまし取られた事件はニュースで見てよく覚えていた。
こんな大企業でも簡単に騙されてしまうのだと、平々凡々に世の中の片隅で小さく丸くなって生きている小市民は、空恐ろしく感じたものだ。
それが、書籍化されて、ドラマ化もされていた。最初はちょっと恐ろしそうだと思ったので、本もドラマも手が出せなかったけれども、オーディブルで聞き始めてからは、一気に聞き終わってしまった。そして、Netflixのドラマも見てみたいと思って見始めた。
さすがに、極悪女王が始まるまでは日本のトップを走っていたというだけあって、ドラマも惹き込まれる。実際にこんな世界がこの日本に実在して、今現在もどこかで地面師たちが暗躍して、他人の土地を騙して金を奪っているのだと考えると、やはり恐ろしいと思うし、警察や検察は一体何をしているんだろうと不思議に思う。
でも、地面師たちにも普通に子どもがいて、近所付き合いや表街道を歩いている人たちとの交流があって、表で見せている顔もあるんだろうな、と思う。
そう思うと、彼らがやっていることは、他人の人生をもしかしたら大きく狂わせる犯罪行為でとんでもないことなんだけど、実はその裏の人間性っていうのは、誰もが普通に持っているものなのかもしれないとも思う。
心のなかで罵詈雑言をつぶやきながら、表向きの顔を世間に向けて、普通に仕事や近所付き合い、子供の学校付き合い何かをしている人もいるだろう、って、それは私自身か。
となれば、人の心の闇が、実際の行動として具現化した存在が地面師のような犯罪者である、と考えると、どんなに法律を厳しくしても、警察や検察が取締をしても、結局、犯罪というのはこの世から無くなることはないのだろうか、とも思う。
だからといって、みんなが裏の顔を表に出してしまうと、当然、この世間はカオス的なディストピアになってしまうのだろうから、裏の裏は表ということで、今日も表の顔を世間様に向けて歩くしかないのだろう、と思う。