以前から気になっていた宮台真司氏のアレ(1)
「クソ○○○」
「クソ」という言葉は、名詞や形容動詞の語幹、形容詞などの頭にくっついて非難や罵倒を表す。
特に人や属性やそれを象徴する名詞に付けると、あらカンタン。お手軽に罵倒が完成してしまう。
「クソ野郎」「クソガキ」「クソ坊主」「クソ右翼」「クソ左翼」「クソちんこ」「クソまんこ」etc
ここで例を出そう。想像してほしい、私が男に向かって「このちんこが」と叫ぶ姿を。
あなたがお下品界の住民でないのなら、特定男性の所有する男性器に対して何か言いたいことがあって叫んでいるのだと解釈するだろう。一体そいつのちんこに何の用なんだこの女は。
![](https://assets.st-note.com/img/1677045423837-3R7evcCtGF.png)
ところが「クソ」を接頭辞として使うことにより「ちんこ」は罵倒の輝きを増すのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1677029585103-Li5XkGgwJh.png)
「このクソちんこが」と男に向かって叫ぶ女。ああなるほどこの女は男性自身を「ちんこ」呼ばわりして罵倒しているのだなあと、スッと理解できる人が増える。いえ、男性自身って男性器の意味ではなく。ややこしいな。でも男性器を罵倒する場合もあるか。例としての選択を間違えたかもしれない。
それはさておき「クソ」は罵倒をいとも簡単に完成させる言葉である。人や集団を直接さしているわけではない言葉さえ、人や集団への罵倒へと昇華させるのだ。
そんなわけで私たちは「クソ○○○」の「○○○」に様々なものをぶち込む。
そうして生み出された砂浜の数ほどの「クソ○○○」は、中にはセンセーショナルなものはあっても、造語としての独自性は乏しいと言えよう。
造語と「私が造語した」
「造語」とは何か。GOOGLE先生によれば。どうやら「新たに語を造ること」と「既存の語を組み合わせたり略するなどして造るもの」の二つに大別できるようで、後者については様々な造語法があるそうだ。
なので「クソ」と既存の言葉「○○○」を組み合わせて「クソ○○○」というのだって立派に造語なのだろう。
ところで、次のようなことをインターネット上に投稿する人々がいると想像してみてほしい。
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X氏①:
『○○○○○』という言葉は、私が○○○○年造語した。
X氏②:
『○○○○○』©Xです
Y氏:
『○○○○○』とは、Xさん発案の言葉である
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これらを読むと、通常は『○○○○○』という言葉はXによって造語されてそれ以降に人々が使うようになったかのように受け取るのが自然だろう。
「造語」には言葉の初出を担った意味は含まれていないが、このような書き方を見ると、まるでXが初めてつくったかのようなニュアンスであり、Yもまるでそれを認めているかのようである。Xなんか自分の名前で©を言葉につけたりしちゃってさ。
ところが、Xが造語したと主張している時よりも前から、この言葉を不特定多数の人が使用していたという事実がある場合には「んんん?」とならないだろうか。私はなった。
たとえば今まで「山火事」という言葉を知らなかった幼い子供が「山」と「火事」という言葉を自力で組み合わせることを思いついて「あのね!ぼく山の火事のこと山火事ってよぶことにしたよ!山火事ってことばはぼくが作った!昨日!」と言ってるとしよう。
たしかにその子が昨日「山火事」を造語をしたというのは間違いない。
しかし、その子はみんなが山火事の話をしているところに行って「一応いっておくけど『山火事』という言葉はぼくが昨日造語したんだ」と言ったり、「山火事©ぼく」とかノートに書いてたら、「その言葉前からあるから」と注意する大人もいるだろう。
子供だからまあいいかとも思うが、もしも大人がこれに類似のことをやっているとしたら「おまえええかげんにせえよ」である。
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X氏①:
『○○○○○』という言葉は、私が○○○○年造語した。
X氏②:
『○○○○○』©Xです
Y氏:
『○○○○○』とは、Xさん発案の言葉である
※客観的事実※『○○○○○』という言葉を○○○○年以前から不特定多数の人が使用している。
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いるのかそんな大人?それがいるんです。
「クソフェミ」と宮台真司
X氏①:
一応申し上げると「クソフェミ」という用語は宮台が2016年に造語した。定義は「自分をフェミニストだと思い込みつつ、フェミニズムを極端に貶めている、神経症的な差別主義者」。ゼロ年代の僕の「ウヨ豚」の定義と同列。「自分を右翼だと思い込みつつ、右翼を極端に貶めている、神経症的な差別主義者」 https://t.co/gwmpYCQaGM
— 宮台真司 (@miyadai) December 26, 2022
X氏②:
ありがとうございます。
— 宮台真司 (@miyadai) May 15, 2022
「クソフェミ」©宮台真司です(笑)。
ついでに「ウヨ豚」もですが。 https://t.co/3WkvpvOo2R
Y氏:
「クソフェミ」とは宮台真司さん発案の言葉であり、私がこの言葉を使用するのは私は宮台さんと行っている「クソフェミへの退場勧告」というイベントに関してのみです(本になる予定です宜しくね!)。ただ、仁藤さん又は仁藤さんの言動はフェミニズムではなく保守的なパターナリズムだと思っています。 https://t.co/qeTcxIfzRw
— 柴田英里 (@erishibata) December 10, 2022
上記に引用した通り。Xは著名な社会学者である宮台真司氏、Yは文筆家の柴田英里氏である。宮台氏によれば自身の造語は2016年になされたとのこと。
そうして、当然のことながら、ツイッター内だけで検索しても2015年12月31日(UTC)以前から「クソフェミ」を使っている人々が存在している。
![](https://assets.st-note.com/img/1677047064245-bWWgjpYJ1p.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1677047402209-k4JNKaGwd8.png)
2015年にはすでにツイッターで「クソフェミ」が暴れていると認識され、言葉が不特定多数により使われていたというのが動かせない事実なのだ。
私ですら、2014年に「クソフェミ」を使って投稿。
わしって、たぶん、そこらの道端に落ちてるクソフェミよりもずっと(クソフェミとは違うベクトルで)男女平等論者よね
— 💪将鼓🐦ネトウヨアルバイトリーダー (@shoukootaden) November 18, 2014
2010年12月31日(UTC)以前にさかのぼっても使用が存在している。
![](https://assets.st-note.com/img/1677047751049-1Wiq4VkuLq.png)
私の検索結果で確認できた範囲での最古の「クソフェミ」ツイートはトニ専というユーザーによる投稿であり2009年1月28日(UTC)まで遡る。
![](https://assets.st-note.com/img/1677047839401-L3UNYiSOXf.png)
(『以前から気になっていた宮台真司氏のアレ(2)』に続く)