男2人×女1人の恋愛事情⑳強制変化。迫られる選択
慎吾と涼太、二人との不思議な関係が出来上がって、2年間の間に喧嘩する事もあったけれど、比較的穏やかな(?)関係を維持していた。涼太が月に一度遊びに来てくれて、慎吾とは日常的に会って遊ぶという関係。もちろん、二人とも認識はしているけれど面識はない。私が体調が悪かった時に、一度だけ電話で話したぐらい。でも2年が経つ頃、私達、三人にとって大きな出来事があった。
当時、妹を頼りに関西へ出てきた私は、妹と妹の彼氏とルームシェアをしていた。ここだけ聞くと、私がすごくお邪魔虫に聞こえるけれど、実際、家賃・光熱費等は私と妹で折半していて、妹の彼氏はまだ学生だった。
ある日、慎吾と遊んでいると妹からLINEが入る。
「彼氏と別れた」
内心、その彼氏があまり好きではなかった私は心の中でガッツポーズをしたものの、妹にとっては一大事だ。私は慎吾に事情を説明し、家に帰った。
そこから、私は慎吾と遊ぶ時、涼太と遊ぶ時、ちょこちょこ妹も一緒に遊んでいいか尋ねるようになった。二人共優しいからOKしてくれて、一緒にご飯を食べに行ったりするようになる。最初、妹に「彼氏が二人います」と伝えたときは、すごくびっくりした後、大爆笑された。
「姉ちゃんにはなんでそんな事ばかり起こるの!?」と。
うん、お姉ちゃんもそう思う。
そこから1年半ぐらい経った頃、妹に新しく彼氏が出来た。良かった良かった。
と思ったのも束の間、ある日の夜、妹が私の部屋を訪ねる所から、この物語はまた大きく変化する。
妹 「私、職場移動になるんだよねー。」
私 「そうなんだー。どの辺?」
妹 「大阪から出るわけではないけど、ここから通うにはちょっと遠くて。」
私 「そっかー大変だなぁ。」
妹 「だからね、彼氏と同棲しようかと思う。」
私 「うん?」
妹 「姉ちゃん、どうする?」
私 「!?」
元々、大学進学と同時に大阪に来ていた妹は社会人になっても学生アパートに住み続けていた。そろそろ広いアパートに引っ越したいなぁ。でもまだ今の家に住めない事はないし、なんか良い家があったら引っ越そうかぁと考えている所に私の婚約破棄。男なし、金なし、職なしという姉が出来上がった所で、優しい妹はこっちに出てきたら?一緒に住もうよ。と、誘ってくれた。ありがたくその話に便乗し、いそいそと大阪に出てきた私。妹と一緒に住んでいた家は2LDK。家的には広くて問題はなかったが、夏は暑くて冬は寒いという所だけがネック。だけど住みやすくて愛着があったこの家をどうするかという問題は突然立ち上がった。妹が家を出るという話をきっかけに・・・。
私 「え?いつ引っ越すの?」
妹 「年を越える前に引っ越しを完了したいと思っているから、クリスマスぐらいかな。」
私 「そうなの?もう一ヶ月しかないじゃん。」
妹 「姉ちゃん、まだ十分にお金貯まってないやろ?だから私も確定しずらい事ではあるんやけど・・・」
私 「・・・私は、やりたい事あるんなら自由に生きた方がいいと思っているから、好きにしたらいいと思うし、私に止める権利はないと思っているからそれはいいよ。でも、そうかぁ。私、どうしようかなぁ。」
妹 「姉ちゃん、一番お金を使わない方法があるよ。慎吾さんか涼太さんかどちらかと一緒に住んだら?この家で。」
私 「え・・・」
妹 「良いタイミングやと思うよ。どちらにしてもいつかは決めないといけないんやし。」ぼそっ(ここに引き続き姉ちゃんが住むんやったら私も引っ越し費用浮くし・・)
私 「んー・・・」
妹 「どうするか決めたら早めに教えてねー。」
爆弾発言だけを残して私の部屋を去る妹。爆弾を落とされるだけ落とされて固まる私。
どうしようどうしよう。考えがまとまらない。こういう時、どんな顔したらいいか分からないの・・・・