見出し画像

Nizi Projectに学ぶコンテンツシナジーの作り方

こんにちは、豊藏(@shotatykr)です。

普段はアイオイクス社にてWebコンサルタントをしています。

いきなりですが、皆さんはNizi Projectを見たことがありますか?

もし、まだ見ていないのなら本当に勿体ない!今すぐHulu契約して全話見ましょう!

Nizi Projectとは、TWICEや2PMを輩出したJ.Y.P Entertainmentが「日本発で世界に通用するアイドルグループを作る」を目的に行ったオーディション番組です。

日本全国から約10,000人が参加し、最終的に9名のメンバー(=NiziU)が誕生するまでの軌跡がまとめられています。

特に、プロデューサーのJ.Y.Park大先生がとんでもない人間的魅力に満ち溢れた名言を連発してまして、ビジネス界隈では「こんな上司の元で働きたい!!」とファンが急増しています。

私もこのNizi Projectがとにかく大好きで、この番組を語ろうとしたら、それこそ10時間くらい余裕でお話出来るくらい好きなわけですが、今日はNiziProjectを少し発展させJYP Entertainmentのグループシナジー戦略の上手さを中心に論じていきたいと思います。

結論から言うと、NiziProjectを好きになった人の多くが、それ以上の勢いでTwiceにハマり、ITZYにハマり、J.Y.Parkにハマり...と事務所全体のアーティストを好きになっていくのです。

私はこの理由を

1.コンテンツシナジーを生む仕掛けがある
2.その下支えをする事務所を通した魅力的な理念がある

だと考えております。

今日はこの話を深堀していきましょう。

元々、K-POPに興味が無かった妻が、今では韓国語の勉強をするようになった話

私の妻のユーザー行動について、最初に話をさせてください。

私の妻は、元々K-POPが好きではありませんでした。

K-POPはおろか、J-POPですらほとんど知りません。

ビジュアル系バンドやサブカルバンドを好み、Official髭男dismやあいみょん等も全く知らないというほど興味範囲の狭い人です。

ただ、ある日の休日、いつものように何をしようか二人で相談してた時、「スッキリでやってた虹プロってあったじゃん?あれでも見てみない?」という話になり見始めました。(Season1の最後の方です。)

そこで、「ミイヒちゃんかわいい。リマちゃんかわいい。」とインスタグラムをフォローするにいたり、毎週最新話が更新されるとすぐ見るようになり、暇になるとミッション曲のステージだけ何度も流すようになりました。

虹プロを見たことが無い方向けにお話しすると、虹プロではオーディションを進めるために月に1回JYPEntertainmentの諸先輩方の曲がミッション曲となり、その歌や振り付けを覚えてオーデション参加者がライブをします。

最初は虹プロのメンバーの可愛さとステージの魅力にひかれ何度も繰り返し見ていましたが、そのうち「原曲ってどんなPVなんだろう?」と興味を持ち、気づけばTwiceやITZYのPVを習慣的にみることになりました。

どんどん曲を聴いているうちに「韓国語では何をいっているのか」理解したくなったそうです。

気づけばハングルの参考書を探し、2冊買って現在韓国語の勉強をしています。

私の妻の今の目標は、ハングルを読めるようになり、歌詞の内容を理解できるようになり、いつか韓国でNiziUのライブとJ.Y.Parkのライブを見に行きたい。だそうです。

これが、私の妻の態度変容です。(妻よ、勝手に公開してすまん。)

J.Y.P Entertainmentのコンテンツは”拡張させる仕掛け”がある

上記の私の妻の行動を簡潔に整理すると以下のような動きを取りました。

韓国には興味がないけど、可愛い子ちゃんたちを見たい!
→ライブパフォーマンス好き!
→この曲って誰の曲なの?
→TwiceやITZY何よりJ.Y.Parkの曲最高じゃん!
→JYPEntertainment箱推しするわ!
→韓国語で何言ってるか理解したいな!
→いつかJ.Y.ParkやNiziUのライブに行きたいから勉強しよう!

なんということでしょう。

今まで韓国に全く興味を持たなかったにもかかわらず、ものの数か月でNiziUどころか、JYP Entertainmentのロイヤルカスタマーとなってしまったのです。

今ではWithU(虹プロのファンクラブ)に入り、僕にONCE(Twiceのファンクラブ)を進めてきて、今度発売されるJ.Y.Parkのアルバムはサイン会に応募できるブックレット付き初回限定版を予約するまでに至っています。

ここをマーケティング観点で考えていくと、実はJYP Entertainmentでは「事務所のグループ全てのファンになってもらう仕掛け」が練られているのです。

ここでは、その一部の手法を解説していきます。

1:PVにてJ.Y.Parkや事務所の人とコラボの機会がある
→NiziUのメンバーがStray KidsのPVに参加する。Twiceが2PMのPVに参加する。J.Y.ParkがNiziUやTwiceのPVに参加する...と人のPVにサブリミナル効果のように刷り込まれることで、他のアーティストに興味を持つ仕組みが出来ています。
2:オーディション番組にてゲストLIVEやMCとして参加
NiziProjectにはTwiceのメンバーや2PMのメンバー等がゲスト参加し、Stray Kidsがオーディション番組でゲストLIVEをやるなどして、自然と事務所の他のアーティストに興味を持つようになります。
3:所属アーティストの新曲が出たらDanceコラボをする
→所属事務所のアーティストの新曲が出たら、TikTokやYouTubeにて、新曲のダンスパフォーマンスを披露する...等です。自分の推しのメンバーのダンスを見ているうちに、気づけば他のアーティストに興味を持つようになります。

JYP Entertainmentでは、このように所属アーティスト全員に興味を持たせるような仕組みが構築されているのです。

とはいえ、ただ出演したり、コラボをしているだけで興味を持つものではありません。

何故、ここまで自然に事務所全体を推したいという気持ちがファンの中に起きるのか。

それは、JYP Entertainmentのアーティスト全員に教育している理念が影響していると考えています。

JYP Entertainmentを支える心構え

JYP Entertainmentに所属するアーティストは、顔や実力、人気等アーティストに求められるものとは少し違ったものが求められます。

大切なのはどれだけの情熱と、純粋、謙虚、誠実さがあるか」

これは、J.Y.Parkが語ったインタビューで語ったアーティストに求めている条件です。

人として誠実でなければならない。人気だからとおごってはならない。悪口を言ってはならない。等「アーティストとしてはもちろん、人として素晴らしい人間であれ。」という育成方針の元、所属アーティストを育てています。

少し調べてみると、JYP Entertainmentはスキャンダル等の数が他の事務所に比べて圧倒的に少ないようです。

通常、アイドルであれば表と裏の顔は違うもの...日本でもよくアーティストが未成年飲酒やら浮気やらでスクープにされてますよね。

JYP Entertainmentでは、こうした教育理念が浸透していることで「ほかのアーティスト達も魅力的なんじゃないか?」という興味を沸かせる下地が出来ているんじゃないかなと思います。

何より、J.Y.Park自身も非常にストイックです。10年前から陰口を言わない。感謝と謙虚の心を持つことを第一に考え、アーティスト活動のパフォーマンスを維持するために毎朝2時間のトレーニングをし、体重管理のために2日に1回は1日1食のルールを設け、20年以上現役として一線に立っています。

そんな努力の習慣が出来ている為言葉の説得力が半端じゃありません。

他アーティストのコンテンツと単純にコラボするに加えて、こうした人間的な魅力を意識するという事務所の文化がコンテンツのシナジーを生み出す下支えになっているのではないかと考えています。

まとめ:企業ファンを増やすために必要な要素が、JYP Entertainmentに詰まっている

以上、本日はNizi Projectから学ぶコンテンツシナジーの作り方というテーマで解説を進めていきました。

少しマーケティングの話をすると、現代社会では会社の製品・サービスの質を追求することはもちろん、以下に企業のファンになってもらうことが重要かという話もあります。

ファンベース、NPSスコアを測る等色々なやり方がありますが、自社にまず興味を持ってもらい、ロイヤルカスタマーとなっていただく。その為に必要な要素の一つとして自社の製品すべてに一貫したストーリーを持っているというのがあります。

JYP Entertainmentがアーティスト→事務所全体にシナジーを生むコンテンツ戦略、その興味を下支えする事務所としての理念の一貫性は、企業マーケティングを考える上で非常に学びの大きい事例なのではないかと思います。

とりあえず、まだNizi Projectを見ていない人は今すぐHuluに契約して全話見てみてください。ビジネスを考える上で重要な要素もたくさん詰まっていると思います。

以上、豊藏(@shotatykr)でした!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集