Webマーケティングにおけるプロジェクトマネジメントの心得をまとめてみた
こんにちは、豊藏(@shotatykr)です。
普段はアイオイクス社にてWebマーケティングの仕事をしています。
今日お話したいのはズバリ「プロジェクトマネジメント」についてです。
Webマーケティングの仕事は、いくら時間をかけても「完璧!」と思える施策を打てることはありません。
現状の外部/内部要因や課題、リソース、予算、フェーズ、様々な事柄や問題により、やりたいこと/やるべきこと/出来ていること/出来ていないことを整理しなければいけません。
その為Webマーケティングで重要なのは優先度をつけてやり切る事ですが、いざ実践するにあたって、プロジェクトマネジメントは非常に重要なスキルだと私は考えています。
そこで本日は、プロジェクトマネジメント(PM)において必要な考え方や心得をつらつらと解説したいと考えています。
私自身も前職のITコンサル時代にPMO(プロジェクトマネジメントの実務担当)をやっていた経験があるかつ、現在のWebマーケティングプロジェクトのマネジメントをやっているため、かなり実務に即した内容だと思います。
という事で、本日はこの内容を深堀りしていきたいと思います。
プロジェクトマネジメントスキルとは何か?
プロジェクトマネジメントをググると、以下のような文言が出てきます。
プロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のことである。 これにはプロジェクトを構成する各活動の計画立案、日程表の作成、および進捗管理が含まれる。
プロジェクトマネジメント - Wikipedia
IT業界で有名なものだとPMBOKという体系化されたノウハウがあります。
ただ、正直ちょっとわかりにくいので要約すると
・目標を実現する為に必要な計画と対象範囲を定義し
・リスク要因を取り除き
・達成する為の品質や期限、コストを想定し
・現実との差分を上手く調整し
・そこに必要なコミュニケーションをし
・計画的にプロジェクトを進めること
かなと捉えています。(誤りがあったらスミマセン)
あえて乱暴に言うと、大人数で仕事を上手く回すための仕組みづくりです。
特にPM(プロジェクトマネージャー)の場合は全体像を俯瞰して捉え、各工程の品質や課題をチェックしながら整理し、目的達成の為に必要なことを一つ一つ処理しながら時には自分で巻き取り進めていく・・・というかなりタフな仕事です。
この人がいなければ、プロジェクトは円滑に回らなかったり、求められる品質とずれたり、コミュニケーションがうまくいかなくて炎上したり、コストがズレてしまってプロジェクトが傾く・・ということも起きます。
概念論的な話は多分もっと色々あるのですが、ここではなるべくシンプルに具体的なHowについて語っていこうと思います。
シンプルな3つの指標「品質」「納期」「コスト」
プロジェクトマネジメントをする上では、究極この3つ(QCD)が意識出来ていればOKです。
品質・・・成果物の品質(要望に沿っているか等)
納期・・・各工程はいつまでに終わり、最終的にいつ終わるか等
コスト・・その為にいくらかかるか。それは予定された工数か等
特に、コンサルティング業務の場合はこの3つをしくじると簡単に失敗します。
例をいくつか出していきましょう。
品質は良く、納期も期限内だった。しかし当初100万円の予算で組んでいたが結果300万円つかってしまった。(お金や時間はかければかけるほど上手くいきます。)
金額も予算内で納期も守れた!しかし品質が微妙で与えられた要望を満たせなかった。(目的がズレていたら意味がない。)
金額も品質も良かった!でも時間がめっちゃかかってしまって、そのプロダクトが必要なタイミングを逃してしまった。(物事には鮮度や期限があります。)
このように、QCDのどれかを満たさないプロジェクトは、どれも成功とは言えなくなります。
ただし、冒頭にお話した通りすべてを完ぺきに行うことは出来ません。
品質が超高くて、コストも安くて、期限もきっちり守ってくれる・・これが理想なのは間違いないですが、これが簡単に出来るのであれば世の中に苦労はありません。
現実的には、色々な要望や予算、品質を踏まえ現実的なラインを模索していく必要がありますよね。
その為、プロジェクトマネジメントはプロジェクト中も大事ですが、実はプロジェクトを設計する前段階が非常に重要です。
ここで現実解や実現性をしっかり検証していくことが重要だったりします。
プロジェクトメンバーのミッションと期限を明確にする
多くの人たちが関わるプロジェクトのマネジメントすると、最初はとても苦労します。
というのも、コミュニケーション不足による認識齟齬が死ぬほど起きます。
その為まず大切なのは「相手に発した情報の半分しか伝わっていない」と前提を置くことです。
多くの人と一緒に動くと、色々な見解相違が発生します。
・そもそも自分のやることがわからなかった。
・(やるつもりだったけど)期限を忘れていた。
・やろうとしていたことが要望と違った。
・(やっていたけど)進捗が共有出来ていなかった。
・自分の担当範囲だと把握していなかった。
このように、人によって解釈や進め方、その背景等少しずつズレることで、プロジェクトは思わぬ形に変貌します。
その為、プロジェクトマネージャーはその全体像や今の状況を事細かに確認し、エラーを適宜修正していくという事が求められます。
そこでまずおすすめしたいのは、依頼する相手に「具体的な内容と期限を文面&口頭のセットでお願いすること」です。
伝えたつもり、理解したつもり、という形では不十分です。相手に伝えるまでがコミュニケーションなので、ここは気を付けて何度も確認をすることが結果的に自分を助けることに繋がります。
PMの役割は、正しい情報を伝達すること
PMの重要な役割は「顧客やレポートラインに今の現状を理由含めて正確に伝えること」です。
特に、プロジェクトが上手く回っている時ほど注意が必要です。
何日間も連絡が無かったり、つっつかないと話が出てこなかったりすると、プロジェクトを外から見ている人たちは不安を抱きます。
上手くいっているのであれば、何故今上手くいっているといえるのか、一つ一つの事象を的確に伝えること。
もちろん、悪いことが起きたりしたら、すぐに一旦報告すること。
その際、ただ「良い状況」「悪い状況」といった話だけではなく、理由や背景とセットで伝えることが大切です。
これをすることで、コミュニケーションエラーを防ぐかつ、トラブルが起きた際も「どうトラブルを解決するか?」という観点で話が進められるので、一方的に叱責される等の事態を防ぐことができます。
Bad News Fastという言葉もありますが、BadにしろGoodにしろ正しく定期的に情報を発信するのが重要です。(もちろんBadは早急にw)
とはいえ、WebマーケティングはPMが難しい。
ここまでPMについて色々話をしてきましたが、とりわけWebマーケティングのプロジェクトマネジメントは数あるプロジェクトの中でもかなり難しい分野かなと考えています。
実際、いくら施策を実施し、コストを守りながら納期までにコンテンツを入れたり、施策を行ったりしても、それが成果にすぐ結びつかないこともあります。
だからこそ、短期目線と中長期目線で目的を整理し、色々な角度から施策をコスパ良く打っていくのが重要です。
Webマーケティングで成功するプロジェクトというのは、少なからず共通項があります。こうした共通項をある種の経験則とデータの裏付けから、施策に起こしてやりきるというのが求められます。
もちろん上手くいかずに苦しい時もあると思いますが、そんなタイミングであればあるほど、実現手法についてディスカッションしていきながら、どう今後のアクションに繋げていくかが重要だと考えています。
まとめ:PMやる場合はすべてを自分ゴトと捉えよう
以上、本日はプロジェクトマネジメントに関わるお話をさせていただきました。
色々ありますが、以下のようなポイントが特に重要かなと考えています。
・QCDを考えてプロジェクトを進めること
・その為、プロジェクト成功までの手法は事前にしっかりと考えること
・PM以外の人には話が伝わっていないことを前提とすること
・良い悪いに関わらず、理由含めて発信すること
言うなれば、PMは全ての事象に対して自分ゴトと捉え、その理由や問題を整理し即座に全体共有することが求められます。
多分、数ある仕事の中でも特にコミュニケーション能力と、情報整理力が求められる仕事なんじゃないかなと思います。
究極、自分が手を動かして出来ない事も、起きた事象の課題や根源的な理由については意識することが重要です。
「〇〇だと思っていたけど、実は××だった・・」こんな小さな勘違いや見落としでプロジェクトがぽしゃってしまう責任を担うのが、PMだったりします。
とはいえ、完璧に行う事は出来ません。いくらプロジェクトを想定したとしても、見込みと実績が違ったり、いざ始めたら想定と違う事なんて日常茶飯事でしょう。
そうした事態が起きない為にリスク管理をすること、事前の想定することが重要となるのですが、実は本当に大事なのは「トラブルが起きた時にどう対処するか」だったりします。
何かトラブルが起きた際に、しっかりと自分ゴトと捉えて、それを解決する為にどんなやり方、進め方が考えられるか?を考えて全うすることが重要ですし、そうした経験を重ねれば重ねるほど上達し出来ることが増えていくのがプロジェクトマネージャーの面白さだったりもします。
私もまだまだ勉強中の身ではありますが、是非この記事があなたのお役に立てれば幸いです!
以上、豊藏(@shotatykr)でした!