「イシューからはじめよ」のバリューのマトリクスをかみ砕いて説明してみた。
こんにちは、豊藏(@shotatykr)です。
普段はアイオイクス社にてWebマーケティングの仕事をしています。
あなたは「イシューからはじめよ」という本を読んだことはありますか?
この本はコンサルティングやセールスにて、ロジカルシンキングの能力を高めるための必携書としてよく紹介されています。
私が初めてこの本を読んだのは新卒2年目の頃、会社の研修にて課題図書となったのがキッカケでした。
この本は、特に生産性向上を考える時や、自分の業務アウトプットをどのように最大化するかを考える際に非常に示唆に富んだ内容となっております。
私も自分の後輩等に最初仕事のレクチャーをする際は、「イシューからはじめよ」を推奨することが多いです。
その一方で、この前弊社のインターン生にこの本を紹介してみると「一度読んでは見たが、内容が難しく頭に入ってこなかった。」というコメントをしていました。
確かに、私が2年目ではじめて読んだとき、当時よくわからなかったものの、営業経験後、ITコンサルティング業務においても都度都度読み返し、考えて行動することで少しずつ身に入っていったという経緯があります。
という事で、今日はこの本の中でも最も重要な考え方「イシュー度×解の質」というバリューのマトリクスを超かみ砕いて解説していこうと思います。
イシューとは何か
まず前提として、イシューという言葉を定義していきましょう。
この本ではイシューという言葉を以下の2つで定義しています。
A)a matter that is in dispute between two or more parties
→2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B)a vital or unsettled matter
→根本にかかわる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
ちょっとわかりやすい例で例えてみましょう。
例えば、あなたの子供を保育園に入れるか入れないかという論点で、妻と話し合いをしているとしましょう。
この時の論点は「子供を保育園に入れるべきかどうか?」です。
この議論をするうえで必要となるのは、まずメリット、デメリット、代替案を洗い出す事です。
保育園に入れるメリット→「ダブルインカムになれること」
保育園に入れるデメリット→「子供との時間が減る」
保育園の代替案→幼稚園に入れる、祖母に預ける等
このように、ある特定の決断をすべきかどうか?YES or Noの選択肢が分かれるものを一旦 イシューと捉えてください。
ちなみに「子供を今後どう育てていけば良いか?」等YES or Noで整理できないものもイシューではありますが、やや混乱するので理解するまで一旦置いといた方が良いです。
この事業に参入すべきかどうか、パソコンを購入すべきかどうか、等「~かどうか」で考えられるものをとりあえずイシューと考えてみてください。
イシュー度×解の質とは何か
では次に、イシュー度と解の質について解説をしていきます。
この本では、”イシュー度が高く”かつ”解の質が高いもの”をバリュー(価値)のある仕事と定義しています。
図にするとこんな感じです。
この本では、イシュー度と解の質を以下と定義しています。
イシュー度
→自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
解の質
→そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い
どうも、この2つがなかなかイメージが湧きづらいみたいなので、この2点について具体例を説明していきます。
まず、イシュー度については以下のような図を想像してください。
上位の問いが下位の問いを内包しているのが伝わりますでしょうか?
命題が企業経営であれば「この事業に取り組むべきかどうか?」という問いがイシュー度が高く、「この事業のこの案件のこの制作物の方向性をAにすべきかどうか」が相対的にイシュー度の低い問いと言えます。
わかりやすく同系列でまとめてみましたが、実際には提案製品という切り口だけではなく、これに加え今自分が抱えている業務(お客様へのテレアポ、成果物の納品、定例MTGのアジェンダ設定等)に様々な粒度で「〇〇すべきかどうか?」という命題が存在しているイメージです。
それらの命題に対してどれだけ効果的な打ち手が明確に出せているかが「解の質」となります。
この思考法は、自分が何について今考えるべきで、もっとも効果的かつインパクトの大きいものが何かを考えるために非常に重要な思考法です。
あえて強引に例を作るとすると、以下のような営業活動を想像してみてください。
売上を上げるという命題に対し、闇雲に夜遅くまで飛び込み営業をするのはこの本の言う「イシュー度の低く、解の質も低い仕事」です。
これが、飛び込み企業をリストアップし効率的に300件回る方法を考えた場合は「イシュー度の低く、解の質が高い仕事」です。
既存顧客の分析から始めて、そこに共通項を見出し、クロスセルをかけられる商材を作り出し少ない時間で売上を作り出せれば「イシュー度の高く、解の質の高い仕事」となります。
我々の時間は有限です。闇雲に動き回ったり、考え方や進め方を誤って仕事を進めてしまう事で、目的に全く直結しない仕事をしてしまうことなんて、いくらでも考えられます。
そういう意味でも、まず解決すべき解を考え、その上で解の質を高めることで、生産性の向上につながってきます。
まとめ
以上、本日は「イシューからはじめよ」のバリューマトリクスについて私なりにかみ砕いて解説をしてみました。
もしかすると筆者の意図と少しずれているかな...と思いつつも「イシュー度」×「解の質」の重要性について、読んだことが無い人にもわかりやすく伝えられたのではないかと思います。
「イシューからはじめよ」はコンサルティングワークがメインの話の為、このバリューマトリクスを念頭に置きつつ、どう作成することで効果的な資料を作っていくのか。というテーマで話が進んでいきます。
コンサルティングワークをやっていないとなかなか理解のしにくい本ではありますが、問題解決の根本的なフレームワークを学ぶという意味で是非読んでおきたい名著です。
これ以外にも面白い本については今後も少しずつ解説をしていけたらなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
以上、豊藏(@shotatykr)でした!