【800字エッセイ】得した気分

あたくし、オジおばさんは早起きである。

早朝ウォーキングを始めてから、夜明けの少し前に起きる癖がついてしまった。
現在は4時に目が覚める。
深酒をした次の日もしっかりと目が覚める。
体内時計とは凄いものだ。

ウォーキングをしない日は薄暗い室内、だんだん明るくなる中で、コーヒーを飲みながらタバコを吸ってボーとしている。

先日、深酒した翌朝、例の如く4時に目が覚めてしまった。のそのそとベッドを抜け出していつも通りT-falで湯を沸かす。

でも眠い。ここでもう一度ベッドに入るのはもったいない。頑張ってタバコを吸いながらコーヒー片手にスマホをいじっていた。

………

椅子で寝落ちしていた。
安心してください。
タバコの火は消してましたよ。

ただここからが自分でも面白かった。

時計を見ると6時半。寝ぼけて夕方の6時半かと思ったのだ。

「やってしまった…1日無駄にした」

そう思って落胆したが…

「ん？待てよ…なんか日が傾いてないなぁ。鳥の声も聞こえるし」

テレビをつけるとニュースやっていた。
翌朝？とも思ったけど、なんかおかしいなぁ。混乱し始めた。

若い頃は朝方まで呑んで、気がつくと夕方まで寝てしまい「しまった…1日無駄にした…」ということが多々あったから、久しぶりにやってしまったかと…

恐る恐るテレビに近づき内容を見てみると、朝のニュースだった。オジおばさんは強い乱視なので近づかないと全く文字が読めないのだ。ちなみにテレビは無音でつけている。

冷静になってみると、1時間寝ただけだった。なんか急に得した気分になってきた。
1日戻った気分になった。

オジおばさんはタイムトラベラーになりました。

早起きは3文の得とよく言うが、3文以上得した気分で精力的に行動した1日となりましたとさ。