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ワークスアプリケーションズにおけるエンタープライズセールス。無いものを高く売る、不思議なカルチャー - リチェルカ起業エントリ #3 -

こんにちは、リチェルカの代表の梅田と申します。
前回のnoteでは、ワークスアプリケーションズ (以下WorksApplicationsの略でWAP) へ入社した背景など書かせていただきました。
ありがたいことにエンタープライズセールスの代名詞的な存在になっていて嬉しい限りです。
ちょいと時間が空いてしまったのですが、リチェルカを深く語るにあたり外せないWAPの少し深いところ、"セールススタイル"と"無いものを高く売る"というカルチャーを掘り下げていきたいと思います。
(尚、あくまで私目線という点、及び2014年〜2017年に在籍していた当時の話、ということをご了承下さい)


WAPのエンプラ営業

WAP歴紹介

WAPの営業について説明する前に、まずは簡単にWAP歴を自己紹介。

2014年2月WAP入社
半年苦しんで、7月からちょいと成果でる
1年結構頑張って2016年からマネージャー (当時26歳で営業最年少Mgr)
2017年からは超大企業向けチームに配属

2017年6月期は確か自分のチームで初年度費用で11億円 (目標5億円) 売ったはずで、自分でも今思うとなんであんな売れたんだろ・・と不思議に思います。
(ちなみにこれでも3番目でした。TOPチームは20億円。一人でスタートアップの全売上作るレベルやん)

売上より新しいこと

WAPのカルチャーについては前述の記事で少し触れたのですが、この会社の凄いところは、実績よりも成長を評価する、というところ。
自分が入社した時はWAPのメインソリューションだったCOMPANY人事・給与 (通称CJK) が1,000社に導入されていたころで、先輩を見ていても、WAP流で正しく提案すれば、実績や機能比較でWAPが選ばれる、という勝てる構図が存在しており、社内もいい感じのムードだったように思います。

しょっちゅう数千万円〜数億円の受注報告と拍手があるような急成長中の会社において、もっと売上を求めていくのが一般的かな、と思うのですが、WAPの場合は、例えば極端な話、人事で3億円売るよりも、会計やSCMで1億売るほうが「アイツスゲェ・・・」的な扱いをされるのが印象的でした。

自分の先輩も、確か前年の売上が0円で、でも翌年誰も売ったことの無いソリューションを自らが考えて社内巻き込んで大型受注!みたいな、普通ならあいつ凄いけどムラあるよな〜な評価になってもいいところ、ヒーロー!凄い!からの社長賞!!みたいな、とにかく「ブレイクスルー」や「0→1」を評価するカルチャーでした。

これが凄くて、先輩のマネをして効率よく売る、というサラリーマンっぽい動きよりも、まだ人がやれてないことをやれ、みたいな起業家っぽいことを応援しているわけで、この会社で働いていた人ってサバイブ能力高い人多いなーと思うし、それを実現していた度胸のあるこのカルチャーはとても素敵でした。

効率化より成長

インサイドセールスがいないのも(今思えば)特徴的でした。
WAPって新卒に600万円払う会社だったんですけど、最初結構徹底的に新規電話させるんですよ。
これは、顔も見たことない相手からアポを取るって、営業プロセスで一番難しいよね、という当時のCOO考えで、自分でアポとって、自分で資料作って、自分で提案しにいきます。

効率化のための分業という概念は薄くて、難しいことやらせて、頑張って喰らいついてきたヤツに良い企業リストを渡して営業させる、みたいな崖から這い上がってこいスタンスの組織づくりですね。

他にも、自分で資料作って、ってところについては、本当に割と毎回、結構ラフなアポでも毎回資料作成を強要させられました。笑
普通定番資料とか使うじゃないですか。作るとしても、売れてる人の資料上手く組み合わせて仕上げるじゃないですか。
そうじゃなくて、本当に毎回、作れって圧が強くて。
会社概要に資本金とか載せてると、「これで何が言いたいの?」って先輩になぜなぜされるんですよね。
「いやお前が昔作った資料やーん」と言いたいところ、ぐっと我慢して、なんでですかねぇ・・って真剣に考える。
「1mmにこだわれ」って言葉が当時WAPにあったんですけど、文字1つ、意図をしっかり持てよって教えがあって、無茶苦茶非効率でしたけど、何に対しても考えるクセ付けが出来るようになりました。完全に人的資本投資ですね。

こうやってゴリゴリに泥臭くて辛いことばかりやらされるので、転職同期はほぼ辞めちゃいましたし、新卒も割とドロップしていく人が多かったように記憶しています。一方で残った人は本当に強い。高い初任給と20万円貰えるインターン、という新卒吸収力があったからこそ成りたっていたのかなと思います。

無いものを高く売る

HUEという、先見の明

#1で少し頭出しした、HUE。

これが本当に凄くて、2014年頃にコンセプトを発表した製品なんですけど、

  • 人工知能搭載 (まるで有能な秘書のよう)

  • 100mSec (応答時間0.1秒)

  • クラウドネイティブ (AWSすら受け入れて貰えなかった時代に)

  • コンシューマーライクなUI/UX

まさに今世の中が作っているものを、10年前に予見して作り始めていたんですよね。本当に代表の牧野さんは天才だなと常々思います。

で、このHUE。今僕らスタートアップな人たちが作っているようなシステムなので、当然めちゃくちゃ開発難易度が高かったようで、暫くはずっとコンセプトムービーや数ページのモックしかありませんでした。
でも営業には目標数字が降りてくる。
モノはない、でも受託ではなく"パッケージ"として売るしかない。
これがめちゃくちゃ大変でした。

ないのに検収、お金をいただいて作る、でもWAPの財産

タイトルの通りなんですけど、モノないんですよ。でも、WAPのビジネスモデルはパッケージなので、あるものを売る前提の契約書なんですよね。
受託開発ではなくあくまでライセンス販売。でもお客さんは買ったところでシステムに触ることは出来ない。
こんな状況で1社数億円の提案してこいっていう、結構難しいシチュエーションで、流石に今まで受注を連発してきた歴戦の先輩たちもだいぶ苦戦していました。
あの時はそれが当たり前だったんですけど、AI insideに転職して、最初に大きな受注を取ってきた時、導入もせずに契約と同時にCD-ROMを納品して数千万円の検収書をドヤ顔で持ってきた自分に、CFOからお前何してんねんって結構厳し目に突っ込まれたこと、今でも忘れません。

この辺の、無いもの売るノウハウまでしっかり掘り下げようかなって思っていたのですが、ちょっとヘビーだし食傷気味かなとも思うので、詳細はまた別の機会があればそこで、、にしておきます。

言いたいことは、このHUE時代のWAP営業は結構凄いぞってことですかね。他社比ではなく、あくまで自尊心の観点です。笑

今に活かしていること、捨てたこと

これ大事ですよね。
リチェルカで何を取り入れ、何を捨てたのか。

まず、成長にフォーカスする、という点は本当にピュアに求め続けています。
これはAI insideでCROやらせてもらって、IPOまで持っていけた経験もあるのですが、結局会社ってメンバーの成長がないと成長しないので。
シードの人がいないフェーズこそ、爆速で事業成長が求められるんですけど、弊社は結構成長フォーカスでじっくり人に向き合っていると思います。
事業の課題について話す時間より、もしかしたら考え方や向き合い方などについて話す時間の方が長いかもしれないです。
だからこそついてきてくれてるメンバーは本当に成長しているし、この少ない人数で日本の超大手企業から信頼をいただき、重要な領域を任せていただけているのかなと思います。決してエリート集団なんかじゃないので。

逆に、"売ってから作る" に対しては慎重になりました。
勿論、提案時に未実装の機能があるケースは多々あります。
でも、"殆ど何も無いものを売る" ということは、ちょっと言い方悪いかもしれませんが、お客様を無意識のギャンブルに誘っているようで、信頼して発注してくれたお客様に向き合い続けられるか不安なので、弊社はある程度確証がある段階で提案をするようにしています。

ただし、積極的に提案はしていきたいので、とにかく開発スピードを上げる、という点においては本当にもういつも取締役の幸田や野田と会話をしています。

かしこまって書くのに疲れて時間を置いてしまったので、今回はかなりラフに書いてみました。
また少し長くなってしまったので、ここまでにします。
次回はリチェルカについてもう少し触れていきたいと思います。

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