「木を植える」 イオンのサステナビリティ活動がすごい!
私が担当している「人と自然環境」という授業で、イオンのサステナビリティ活動を題材にさせていただいた。イオンにはこれまでも個人的な買い物でお世話になってきたのだが、イオンがかなり丁寧で現実的なサステナビリティ活動がこんなにしっかりしているとは知らなかった。ぜひ多くの皆様に知っていただきたく、記事にすることにした。きっかけは4月27日(土)の朝日新聞でイオンの広告に目が留まったからだ。
私の大好きな谷川俊太郎さんがイオンの活動に対して「木を植える」というタイトルの詩を贈っている。素晴らしい詩だ。
【1】買い物袋持参運動
イオンでは、資源の削減・ごみの削減・CO₂の削減を目指し、「買い物袋持参運動」に力を入れている。買い物袋を持参されないお客様にはもちろん有料のレジ袋を購入してもらうのだが、素晴らしいのは、有料レジ袋の販売収益金は、各店舗エリアの自治体・団体等へ寄付し、緑化や植栽帯の管理・清掃など、地域の環境保全活動に役立てているということだ。13年間の累計寄附金額はなんと約8億4千万円。さらにすごいのは、廃プラスチックごみを加工してマイバッグや買い物袋を作り、イオンを利用するお客様が買い物のたびに有料レジ袋を購入しなくても済むために、販売していることだ。
【2】森の循環プログラム
新しくできる店舗が、地域のコミュニティの場となるように。そして緑を育む心が、地域の人々にも広がっていくように。そんな想いを込めて、イオンの新しい店舗がオープンする際、お客様とともに店舗の敷地内に植樹をしている。お客様にとっては自分たちが植樹した木にもイオンにも愛着が沸き、イオンに買い物に行く際の励みにもなるだろう。
また、イオンは店舗周辺の街並みの美化に積極的に取り組むべく、1991年から実施している「クリーン&グリーン活動」で、従業員がボランティアで店舗付近の公園や河川敷、公共施設などを清掃している。2001年からは毎月11日の「イオン・デー」に実施しているという。
さらに素晴らしいのは「イオンふるさとの森づくり」だ。1991年に始まったイオンの環境活動を代表する取り組みの一つで、苗木の状態で日本や世界のあちこちに植樹し、すでに1,300万本もの木々が「イオンふるさとの森づくり」というプロジェクトで育っているとのことだ。北海道に5か所、東北に7か所、関東に6か所、中部に10か所、近畿・中国・四国に5か所、九州・沖縄に5カ所もある。イオンは海外にも進出し、中国に7カ所、インドネシアに2カ所、カンボジアに3か所、ベトナムに3カ所、マレーシアに3カ所、ミャンマーに1カ所、ラオスに1カ所、ケニアに1カ所、タイに1カ所、香港に1カ所も植樹している。日本国内の38か所、海外の23カ所にて「イオンふるさとの森づくり」のためのプロジェクトが進行しているということだ。
そのうえ、適切に管理された森から生産された木材を、商品原料や店舗の資材に活用し、イオンの従業員用の事業所内保育所やFSC®認証コンビニエンスストア(イオンの連結子会社であるミニストップ)を展開している。ミニストップ(株)は、国産FSC®認証材を使用した店舗を2009年に出店、商業施設としては日本で初めてFSC®認証を取得。以降、鉄骨材に比べ経済合理性と環境配慮を両立できることから、木造の標準規格として拡大しており、2022年2月末現在、同認証木材を使用している店舗数はのべ288店舗にのぼる。
【3】人にやさしいお店づくり
イオンは、1994年に施行された「ハートビル法(2006年から「バリアフリー新法」)」*に基づく独自の設計基準を作成し、新店舗の建築や既存店舗の改築時に活用している。2020年2月末現在、約760以上の施設が「バリアフリー新法」の認定を取得し、「ユニバーサルデザイン」の考え方を店舗づくりに採り入れ、機能・デザイン面でも取り組みを強化している。今後、従来の顧客層に加えてシニア層のお客様や障がいを抱えるお客様が増えることを考慮し、ユニバーサルデザインの考え方を全店舗に広げていくことをめざしている。
例えば、お客様が「迷わない」ように、立体駐車場の誘導サインの文字をかなり大きく表示したり、館内の案内図をお客様の視線に入りやすい位置に設置したり、通路に視覚障がい者のためのリーディングラインを敷設したり、トイレを誰もが使いやすいように工夫したり、身障者のドライバーが利用できる専用のリモコン駐車場を設置したり、子ども連れの方が利用できる授乳やオムツ替えができるミルクルームを用意したり、高齢者や身障者のために段差のないスロープや誘導手すり付きのエスカレーターを設置したりと、考えられ得る限りの配慮をお客様に提供できるようになっている。
さらに、イオンは、高齢者や身体の不自由なお客さまが安心して楽しくお買物していただくために、建物や設備などハード面のバリアフリー対策とともに、2006年より従業員の「サービス介助士」という資格取得による心のバリアフリーを目指している。「サービス介助士」とは、「おもてなしの心」と「適切な介助技術」を身につけるために、NPO法人「日本ケアフィットサービス協会」が主催認定する資格で、2023年2月末現在、イオングループのサービス介助士の視覚取得者は11,185人もいるという。
イオンは、2007年から高齢化社会への対応の一環として厚生労働省とNPO法人「地域ケア政策ネットワーク」が推進する「認知症サポーター100万人キャラバン」に小売業として初めて全社的に参画し、イオンピープル向け
「認知症サポーター養成講座」を開催している。認知症を正しく理解し、認知症の方とそのご家族を適切にサポートするための取り組みで、国内企業で最大規模となる82,904人(2023年2月末現在)を育成している。
ふだん、何気なく利用させていただいているイオンのサスティナブルな取り組みや、お客様に寄り添った社員教育のあり方に感動した。そして、あらためて、谷川俊太郎さんがイオンに贈った「木を植える」という詩をかみしめてみた。