見出し画像

天狂の自由人:良寛さん

 良寛は宝暦8(1758)年、越後国の出雲崎で生まれた。
 良寛の生家は、その地で豪商を営む名主であった。長男であるがために幼少のころから名主見習として育てられたが、人と是非を争うのが嫌いで、商売には身がはいらず、読書好きな少年であった。傍目から見ると「昼行燈ひるあんどんと呼ばれるぐらいの人で、親もそれを察してか、家業は弟に継がせ、良寛は18歳のとき仏門に入って出家した。
(上記写真:良寛記念館より転載)


 22歳のとき、岡山県玉島の国仙和尚(岡山藩主の菩提寺・円通寺住職)と出会い、34歳まで修行した。本来なら国仙老師の後継者となるべき人だったが、後継者争いの醜さに嫌気がさしたのか、その後4年間、諸国を行脚して暮した。38歳のとき故郷に戻ったが、生家には住まず、国上山というところに小庵をつくって生活した。これが俗にいう「五合庵」で、現在、その跡地が再建されて残っている。<文字数:3,549文字>

生涯 身を立つるにものう
騰々 天真に任す
囊中 三升の米
炉辺 一束の薪
誰か問はん 迷悟の跡
何ぞ知らん 名利の塵
夜雨 草庵の裡
雙脚 等聞に伸ばす

ここから先は

3,084字

¥ 290

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

私の記事を読んでくださり、心から感謝申し上げます。とても励みになります。いただいたサポートは私の創作活動の一助として大切に使わせていただくつもりです。 これからも応援よろしくお願いいたします。