157日目。【短編】髪。
髪を切ろうと思うの。
どうして。似合ってると思うけど。
だって飽きたんだもの。それに長いと手入れが大変で。すぐにきしんでくるの。知らないでしょう。
そうなの?知らなかったなァ。ううん、それなら切るか。
だって知られないようにしていたものね。知っていたら恥ずかしいわ。あら。切るのに賛成になったの?どうして?
いやだって君が切りたいというなら。
私の意見に逃げないで。あなたの意見は?それが聞きたいの。どちらでもいいわ。剃ると答えたら…。その時に考える。
僕はどっちでもいいな。悪い意味じゃなくてね。どっちでもいい。
なぁに。それ。興味ないの?まあいいけど。
いや、本当にどっちでもいいんだ。僕は君が君でさえいてくれれば何でもいい。何だって似合うし、何だって君だ。
ふうん。ショートかロングかどっちが似合うと思う?
君が好きな方。僕は君が好きな髪形をしていればなんでも。
ずるいのね。いいわ。その時の気分で決めます。ありがとう。
そう言って彼女は去っていった。
僕が新しい髪型を知ることはない。
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