【雑記①】お笑いと小説
よしもとお笑いライブスペシャルを見に行ってきました!
メンバーがすごく豪華で、
笑い飯・COWCOW・千鳥・ウーマンラッシュアワー・かまいたち・モンスターエンジン・ミキ・祇園・からし蓮根
とても楽しい時間でした。
そこでライブを見ながら思ったのが、お笑いの面白さにも種類があるなあということです。
そして、それは小説にも活かせるんじゃないかなとふと思って書いてみます。
活かせるというか感じたお笑いの類型は小説にも類推できそうやなと思いました。
今回感じたのは六つの笑いでした。
①構造での笑い
②一つのくだりでの笑い
③一発の言葉のセンスでの笑い
④雰囲気での笑い
⑤身体性での笑い
⑥即興性&双方向での笑い
最初は、かまいたちだったんですが、①構造での笑いと②一つのくだりでの笑いを感じました。
いやあ、安定して面白い、うまい。
もうネタが完成されていて面白くない瞬間がないんですよね。
ネタの詰め方が隙がなかったです。
小説で言うなら、
小さな山場が要所要所にあって(②一つのくだりの笑い)、それらが有機的に繋がって一つの大きな山場=結末に向かっていく(①構造での笑い)。
章ごとに、小さなドラマが起こってハラハラする展開があって、最後には物語として伏線を回収しながら綺麗に終わる小説みたいでした。
①構造での笑いは、しっかりネタを練り上げる構成力とそれを支える深い技量が必要だと思いますし、②一つのくだりでの笑いは、狙った通りに相手を笑いに引き込む牽引力が必要なんだろうなと思いました。
小説も、強固な構造を持った展開の豊かな物語でかつ、一つ一つのシーンでも引き込む面白さを持たないとなと思いました。
小説家なら、①は物語全体で語りかけてくる、村上春樹さん。
②は一発一発の面白さがピカ一の、水野敬也さんを連想しますね。
千鳥のネタは、③一発の言葉のセンスで笑わせていたように感じました。
千鳥のボケって、狐につままれるような笑わされ方で、一瞬よく分からないけどなんか面白いんですよね。
小説で言うと、まんまですけど、言葉のセンスですよね。
ズバッと一言で言い表わす表現とか、上手い喩えとか、名言とか、感性の鋭い言い回し、そういうものですね。
小説家なら、フランソワーズ・サガンを真っ先に思い浮かべますね。
④雰囲気での笑いっていうのを、今回ミキで感じました!
これが地味に一番すごいんじゃないかと思いました。これぞ才能というか。
ミキのネタって、構造的にべつに普通以上のものはないし、一個一個の言葉のセンスが特別優れているわけでもない。なのに笑いが止まらない。
これが④雰囲気での笑いなんだろうなと思いました。
もっと分析すると、軽妙なリズムだったり、ツッコミのタイミング、ボケのテンポ感とかがあるんでしょうが、要素に分解しきれない良さを感じたんですね。
ネタとか関係なく、どんな話をさせても面白くなると思うんですよ。
小説でいうなら、展開がある話でもなければ構造物として堅牢なわけでもないのに、読み進めてしまう、気持ちが入ってしまう、そんな小説でしょう。
こういう文体をまとった人は何を書いても読まれると思います。
固有の文体を持っていて、自然なのに間違いない。
小説家なら、たとえば、宮下奈都さんですね。
⑤身体性での笑い
⑥即興性&双方向での笑い
は、小説にはあんまり応用できないですね。
お笑いでは、今回、祇園というコンビで⑤身体性での笑いを感じました。
身振り手振り、身体の身のこなし、表情、こういったプリミティブな部分に語りかけてきました。
無理矢理小説に寄せるとすると、小説内でも人間の原始的な感覚にダイレクトに呼びかけるような表現をしていくといいのかもってことかもしれませんね。
五感を刺激してやまない小説ですね。
⑥即興性&双方向での笑いはウーマンラッシュアワーで感じました。
観客をいじりながらうまく巻き込んでいく、ライブのお笑いならではですね。
小説というフォーマットでは即興も双方向も基本的にはありえないものなんですが、小説家としての活動においてならあるかもですね。
あるいは作品内で、読者から意見やお題をもらって、アドリブを入れていくっても可能ですかね。
たとえば投稿小説とかなら、読者の声に応えて話を作り込んでいくというのもできますね。
と、まあ、お笑いを小説にこじつけていきましたが、小説以外の何かが創作の刺激になるのが良いですね。
とにかくお笑いライブ楽しかったー!
ARIGATO,
Shota Arai