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老子の教えから考えた 幸せに生きていくための8つの価値観

きっかけは両学長の以下の動画。

マインドマップの作成である。何を大切にして生きていくのか、自分にとっての幸せとは何なのか、「羅針盤」を社会人になる前に作成したいと考えたのだ。とはいえ、自分自身の在り方、何が幸せなのか、0から考えていくのは難しかった。そこで考えついたのが、過去の偉人が何を大事にしていたかを突き止めることだった。上司の姿を見て仕事を学ぶように、友達の勉強法を真似するように、羅針盤の作成も過去の偉人を参考にしてみることにした。初めは老子を選んだ。孔子の論語が好きだったので取っ付きやすそうだと考えたのだ。

老子の教えの根本

老子の教えの根本は大きくまとめて以下の2つだと考えた。

道(タオ)…万物の起源。具体的な形象を持たず、恒常の「道」はない。目を凝らしても見えず、耳を澄ましても聞こえず、手探りで取ろうとしても得られない。そんな「道」に一番近い在り方とされているのはである。”上善は水の若し”とは老子の言葉の一節だ。老子に記載されている水の特徴は次のようなものがあった。万物に恵みを与えながら、万物と争わず、自然と低い場所に集まる。

無為自然…自然のまま、ありのままであるという在り方。老子の考えは、天地が無為自然で調和し続けている以上、それに即して聖人も無為自然であり続けることで調和するというものだ。天地が万物を区別しないように、聖人も万物を比較・区別をせず、天地が人為的な欲望を持たないように、聖人も人為的な欲望を持たないといった、天地に即した在り方を重視しているようだ。

8つの価値観

老子が大事にしている価値観は8つ以上あるようだったが、現代に通用しない価値観、似た価値観、共感できない価値観を除外し、今の自分の参考になりそうな価値観と具体的内容を以下に羅列した。

「無為自然」

・大きい物事は小さな物事から発生する→些細な問題でも大きくなる前に大きい問題として対処をする
・人々を見捨てない→適材適所 反面教師
・生育しても所有をしない
・恩沢を施しても見返りを求めない
・深く落ち着いており、満ち足りようとはしない
・功績に安住しない→だからこそ功績が守られる
・足りないところから徴収せず、有り余っているところから分け与える
・人為的な優しさ、愛情は持ち合わせない 人事を尽くして天命を待つ

「多角」

・多くの視点を持つことが善悪を超えた万物の模範になる
・我々が理解できないからといってその可能性を否定することは出来ない
・無欲に様々な考えを受け入れ、考えを押し付けない
・自ら発する善悪・好悪の気持ちを捨て、万人を善人と認識する

「倹約」

・無駄を省くことができ、それが「道」に従うことに繋がっていく
・無駄をなくし、欲望が減り徳を積むことができる
・心が広くなり、気持ちが豊かになる ブータンがいい例(小国寡民)

「無欲」

・欲望は争いを生む
・欲望は際限がない
・禁欲ではなく、人為的な欲望を持たないことと同義
・満ち足りた状態を保つのは難しい 役目を終えたら退く
・自身が正しくとも、不必要に責めてはいけない→恨みを買ってしまう

「謙遜」 

・自ら正しいとしないから、冷静に物事を判断でき、自慢しないからこそ、実績が立派に写り、自ら才能を誇らないからこそ、長続きする
・全ての万物は自力で成り立っていないからこそ、自らの分を弁えて尊大にならず生きていく
・弱々しく柔軟に環境に適応していくことが大事
・必ず謙り、我が身を後にする 我が身を後にするからこそ人々を上手く用いる指導者となる
・力の強い者が先に譲歩を行うことで、力の弱いものも協力をしてくれて安定した関係を築くことができる 支配ー被支配の関係は長く続くことはない
・「なんとなく分かる」は分からないとする

「不争」

・戦わなくて済むなら戦わないのが最善 目的を達成するのみで良い
・強さを示せば、報復され地は荒れる
・物事は勢いが盛んになれば必ず衰える 
・戦いが上手いものは怒りを見せず、勝利するのが上手いものは敵と戦わず、人を使うのが上手いものは相手に謙る
・敵を決して侮ってはいけない

「心の豊かさ」

・人為的な欲望を求めない
・足るを知る 現状の自分に満足をする
・他人の評価に一喜一憂せず自身を労る
・満足を知るものは富み、力を尽くして行うものは志が遂げられる
・名誉と財産を求めるあまり、幸福を体感するはずの自身を危険に晒してはいけない
・相対的な価値観には際限はない

「誠実」

・誠実さが欠落すると、人から信頼されない
・見栄を張ることは無為自然とはかけ離れており、いつしか信頼を失う
・人々が統治者を尊重し、罰を受けるのはそれが人々の生活を守ることに直結するから→権威を振りかざし、自ら人々の生活を脅かすような統治者は信用されない

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いかがだろうか。万人にとっての善がないのと同様に、共感できる価値観もあれば、共感できない価値観もあっただろう。そう、各々の価値観に正解はない。だが、価値観と向き合い自身が大事にしたいことを認識するのは、早いに越したことはない。価値観に沿って、大事なことを認識して生きていれば、遅くても、遠回りになっていても、必ずゴールには進んでいる。

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