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【deep research】日本における学生起業(2014~2024)の動向と事例

今回は学生企業について10年間分調べてみました!


1. 代表的な学生起業家と企業のリスト

2014年以降の過去10年間に日本国内で学生起業した主な起業家と、その創業企業を以下に挙げます(氏名 – 企業名〈事業内容、創業年〉):

2. 成功事例の分析

学生起業から大きな成功を収めた事例について、ビジネスモデル、資金調達、成長過程、成功要因の観点から分析します。

● ビジネスモデルの工夫: 学生起業の成功例では、独自性の高いビジネスモデルで市場のニーズを的確に捉えたケースが多く見られます。例えば、リブセンス(村上太一氏創業)は当初「求人応募時に課金」するモデルでしたが上手くいかず、「採用決定時に課金」する成功報酬型モデルに転換したところ業績が急伸しました (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。この変更により、創業2年後に年商3億円、5年後には10億円超まで成長し東証マザーズ上場を実現しています (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。また、レシピ動画サービス「クラシル」(dely社)は、当初のフードデリバリー事業からピボット(方向転換)して動画メディアに集中する戦略をとり、ユーザー数を飛躍的に伸ばしました (「クラシル」をレシピ動画世界一にした25歳が一番恐れること | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン) (dely創業者 堀江裕介氏:経歴から創業エピソード、成功までの軌跡を一挙解説 | 〖法人登記&月4転送 ¥880〗東京の人気格安バーチャルオフィス|バーチャルオフィス1(渋谷・広島))。このように、市場ニーズに合わせて柔軟にモデルを調整したことが成功の鍵となっています。

● 資金調達方法: 学生起業家の多くは、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの出資を活用しています。学生という立場上、銀行融資は実績不足で困難な場合が多いため、VCやコンテストでの資金調達が主流です (「学生起業はやめとけ」と言われる理由と、失敗事例5選! | 〖法人登記&月4転送 ¥880〗東京の人気格安バーチャルオフィス|バーチャルオフィス1(渋谷・広島)) (「学生起業はやめとけ」と言われる理由と、失敗事例5選! | 〖法人登記&月4転送 ¥880〗東京の人気格安バーチャルオフィス|バーチャルオフィス1(渋谷・広島))。たとえば、株式会社SCOUTER(旧RENO)はサービス開始5ヶ月でVCから6100万円の出資を獲得し (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)、さらに創業4年以内に累計1.5億円の増資を実施しています (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。堀江裕介氏(dely株式会社)も在学中に5000万円の出資を取り付けた実績があります (dely創業者 堀江裕介氏:経歴から創業エピソード、成功までの軌跡を一挙解説 | 〖法人登記&月4転送 ¥880〗東京の人気格安バーチャルオフィス|バーチャルオフィス1(渋谷・広島))。一方で、事業アイデアによってはクラウドファンディングを活用する例や、事業売却(M&A)で早期にリターンを得る戦略も見られます。実際、Candle社は創業2年で12.5億円もの評価で売却に成功し (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)、VSbiasも創業7ヶ月でのスピードM&Aを実現しました (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。このように、学生起業家はVC出資による大きな資金調達から、早期エグジットによる資金確保まで多様な手段で資金を得ています

● 成長過程と現在の事業規模: 成功した学生発スタートアップは、短期間で急成長しているケースが多いです。例えば、レシピ動画「クラシル」は開始から1年で日本最大のレシピ動画サービスに成長(1,000万ダウンロード達成) (「クラシル」をレシピ動画世界一にした25歳が一番恐れること | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン)。Gunosyも創業から3年で上場し、創業6年目には年商112億円規模に到達しています (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。ゲームエイト社の「Game8」は月間2.3億PVを集める大型メディアに育ち、親会社Gunosyの主要事業の一つとなりました (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。規模だけでなく事業の継続性も重要で、創業者が引き続き経営に携わる例も多く見られます。上記の西尾氏(ゲームエイト)や福島氏(Gunosy)は売却・上場後も引き続き自社の経営にあたり、事業拡大を牽引しています (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所) (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。一方、売却後に大企業の一員として新規事業に関わるケースもあり、Labitを創業した鶴田浩之氏は自身の事業を譲渡後にメルカリグループの執行役員として新規プロジェクトを率いる立場に就いています (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。このように、学生発の企業が短期間でユーザー数・売上を伸ばし、大企業に匹敵する規模や影響力を持つ事例が増えています

● 成功の要因: 日本における学生起業の成功要因としては、以下のようなポイントが指摘できます:

3. 失敗事例の分析

一方で、学生起業には失敗する例も少なくありません。ここでは、学生起業が失敗に至る主な原因と、起業家たちのその後のキャリアについて分析します。

● 失敗の原因:
学生起業がうまくいかない理由として、以下のような典型的パターンが報告されています:

これらの要因が重なり、学生起業の**5年以内の廃業率は約18%**とも報告されています (学生起業の成功率は何%くらい?成功例・失敗例なども紹介)(裏を返せば約80%は生き残るとも言えますが、成長できず事業継続のみのケースも含まれます)。もっとも、日本全体で見れば起業自体の割合が低いため、統計上は極端な失敗例ばかりが目立つわけではありません (〖必読!〗学生起業の失敗事例5選!|バーチャルオフィス・シェアオフィス@東京都千代田区|ナレッジソサエティ|起業家におすすめ・法人登記・銀行口座)。実際、「起業して夜逃げする羽目になった学生」を身近に見ることは稀であり、多くの場合は小さな失敗を重ねる中で静かに事業を畳むか、方向転換しているのが実態でしょう (〖必読!〗学生起業の失敗事例5選!|バーチャルオフィス・シェアオフィス@東京都千代田区|ナレッジソサエティ|起業家におすすめ・法人登記・銀行口座)。

● 失敗後の起業家のキャリア:
学生時代の起業で失敗を経験した後、起業家たちは様々な道を歩んでいます。

総じて、学生起業で失敗してもその後の人生が閉ざされるわけではなく、経験を活かして別の形で成功するケースが多いと言えます。極端な話、「借金取りに追われて食べる物にも困る」ような末路になる可能性は低く (〖必読!〗学生起業の失敗事例5選!|バーチャルオフィス・シェアオフィス@東京都千代田区|ナレッジソサエティ|起業家におすすめ・法人登記・銀行口座)、むしろ若いうちの失敗は貴重な学びとして次のキャリアの糧になっています。重要なのは失敗から適切に学び、軌道修正できるかであり、学生起業家たちは失敗を通じてたくましく成長しているのです。

4. 日本における学生起業の環境

日本では近年、学生によるスタートアップ創出を支援する環境整備が進みつつあります。大学や行政の支援策、そして学生起業特有の課題とチャンスについて概観します。

● 大学の支援体制:
主要大学では学生起業家を支援するインキュベーション施設やプログラムが整備され始めています。例えば、東京大学は起業支援拠点「FoundX」を設置し、学生・研究者の起業初期のチームに対して無償のオフィススペースや起業家メンタリングを提供しています (インキュベーション施設/入居の流れ - 東京大学 産学協創推進本部)。早稲田大学でも「アントレプレナーシップセンター」やOB組織「ベンチャー稲門会」が学生のビジネス立ち上げを後押ししています。また慶應義塾大学は全学横断型の「慶應スタートアップインキュベーションプログラム」を開始し、学生主体のディープテック系スタートアップ立ち上げを支援しています (慶應スタートアップインキュベーションプログラム)。これら大学発のインキュベーションでは、ビジネスプランのブラッシュアップ、専門家によるメンタリング、起業資金の公募情報提供などが行われ、在学中から実践的に起業準備ができるようになっています。さらに、ビジネスコンテストやハッカソンを開催して学生のアイデアを引き出し、優秀者に賞金や起業資金を授与する大学もあります。こうした大学レベルの支援拡充は、学生起業家にとって心強い土台となっています。

● 政府や地方自治体の支援策:
国もスタートアップ育成を成長戦略の柱に位置付け、学生や若者の起業支援策を打ち出しています。経済産業省とJETROは2023年から**「ゼロイチ」プログラム(学生向け社会起業家アクセラレーション)を開始し、社会課題解決に挑む学生起業家の育成に乗り出しました (J-StarXゼロイチ(学生社会起業家創出)コース - ジェトロ)。選抜された学生チームに対し、数ヶ月間にわたる集中メンタリングや事業開発支援を提供し、最終ピッチで成果を競わせる仕組みです。さらに、東京大学エッジキャピタル(UTEC)やANRIなどのVCが主催する大学横断型の起業支援プログラム「1stRound」**では、株式非取得で最大1,000万円の資金提供と伴走支援を行っています (1stRound | 国内最大級大学横断型起業支援プログラム)。このように、株式の希薄化を気にせず初期資金を得られる制度が整いつつある点は学生起業家にとって大きな追い風です。

地方自治体も、地域発の学生ベンチャーを増やすための取り組みを始めています。例えば東京都は「学生起業選手権」的なビジネスプランコンテストや、起業支援施設の提供を行っています。地方でも、創業支援事業の一環でUIJターンする若者に対して起業支援金を支給する制度が各地で導入されており (起業支援金・移住支援金・地方就職支援金 - 地方創生)、地元出身の学生が卒業後に地元で起業するケースを支援しています。また、日本政策金融公庫などによる**「女性、若者/シニア起業家支援資金」枠**の融資制度では、30歳未満の若者起業家が無担保・低利で融資を受けられる措置もあります。これら政府・自治体のバックアップは、かつてに比べれば格段に充実してきました。

● 学生起業家にとっての課題とチャンス:
支援環境が整ってきたとはいえ、学生起業には依然として挑戦特有の困難も存在します。最大の課題は資金と経験の不足であり、前述のように事業開始資金の調達ハードルは依然高いままです (「学生起業はやめとけ」と言われる理由と、失敗事例5選! | 〖法人登記&月4転送 ¥880〗東京の人気格安バーチャルオフィス|バーチャルオフィス1(渋谷・広島))。また、日本では親や周囲から「安定した就職」を期待される社会的プレッシャーも根強く、学生自身が起業に踏み切る心理的ハードルもあります (〖必読!〗学生起業の失敗事例5選!|バーチャルオフィス・シェアオフィス@東京都千代田区|ナレッジソサエティ|起業家におすすめ・法人登記・銀行口座)。起業志向の学生は徐々に増えているものの、「それでも失敗が怖い」という漠然とした不安に苛まれがちです (「学生起業はやめとけ」と言われる理由と、失敗事例5選! | 〖法人登記&月4転送 ¥880〗東京の人気格安バーチャルオフィス|バーチャルオフィス1(渋谷・広島))。

しかし同時に、学生だからこそのチャンスも多く存在します。まず、若さゆえに失敗してもやり直しが利くため挑戦しやすいという利点があります。「学生起業はリスクが少ない」と言われるゆえんで、仮に事業が失敗してもまだ就職や再チャレンジの道が開けている点は大きな強みです (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。実際、学生起業には「成長力があり可能性が大きい」との評価もあります (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。また、ITリテラシーや新しいトレンドへの感度が高いことも武器になります。大学生世代はデジタルネイティブであり、新技術やSNS文化をビジネスに活かす柔軟な発想があります。例えば、一昔前には想像もつかなかったようなSNSプラットフォームや動画サービスをいち早く着想し事業化できるのは、同世代のニーズを肌で感じている学生ならではです。

さらに、最近の成功事例の増加それ自体が学生にとって好材料です。身近な先輩起業家が数億円規模で資金調達したり会社を売却したりするニュースが増え、「自分にもできるかも」という意識が広がっています。実際、ある調査では「学生時代に起業を真剣に考えたことがある」と答えた人は全体の14%に上り、平成元年(1989年)生まれの男性に限れば28%にも達しました (平成元年生まれの男性の4人に1人が学生時代に起業を真剣に検討 | ディップ株式会社)。つまり若い世代ほど起業への抵抗感が薄れつつあるのです。この意識変化は、今後ますます多くの学生起業家が誕生する下地になるでしょう。

5. 学生起業の今後の展望

最後に、近年のトレンドと今後の学生起業の可能性について展望します。AIやWeb3(ブロックチェーン関連)、サステナビリティといったホットな分野における学生発スタートアップの動きが注目されており、学生起業の裾野はさらに広がると期待されています。

● テクノロジー分野の新潮流: 近年のAIブームは学生にも大きな刺激を与えています。特に2022年末の生成AI(例:ChatGPT)の登場以降、大学発のAIスタートアップや学生ハッカソンでのAIプロジェクトが増えています。高度な研究開発は大学院レベルのケースもありますが、学部生でもAIを応用したサービス開発に乗り出す例が現れています。例えば、東京大学の学生チームがAIを用いた医療ベンチャーを立ち上げたり、学生エンジニアが対話AIのプロダクトを開発して事業化するといった動きがあります。今後も**AI×◯◯(他産業)**の領域で学生ならではのユニークな発想のスタートアップが登場する可能性があります。

Web3やブロックチェーン領域も、新しもの好きな学生層が挑戦しつつある分野です。暗号資産やNFT(非代替性トークン)を活用したサービス開発に取り組む学生サークルや、有志のスタートアップが日本でも見られます。ただし、暗号資産ビジネスは法規制の知識が必要でハードルが高いため、どちらかと言えばブロックチェーン技術を使ったゲームやコミュニティサービスなど、比較的取り組みやすい領域での学生プロジェクトが主流です。世界的に見れば大学生が暗号通貨取引所やブロックチェーン基盤を創業する例(例:Ethereum共同創業者のヴィタリック氏は19歳でプロジェクト開始)もありますが、日本ではまずはソーシャルグッドな用途やゲーム分野から広がっていくと考えられます。

● 社会課題・サステナビリティ分野: SDGsや気候変動への関心が高まる中、環境・社会課題の解決を目指す学生起業も増えてきました。例えば、大学在学中にベトナム産の天然素材「草ストロー」を輸入販売する事業を2020年に立ち上げ、プラスチックごみ問題に挑戦した学生起業家がメディアに取り上げられました (メディア大注目 「草ストロー」事例に学ぶ、学生起業成功のための5つのポイント |FinTech Journal)。このようなサステナビリティ志向のビジネスは社会的にも注目度が高く、行政との連携や支援も得やすい傾向にあります。実際、PoliPoliの伊藤氏のように自治体と協働して市民参加型の政治プラットフォームを運営するケースでは、社会的意義が評価され事業展開がスムーズに進んでいます (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。今後も環境テック、エデュテック、ヘルスケア、地方創生といった社会性の強い領域で、学生ならではの情熱を持ったスタートアップが誕生しやすいでしょう。

● エコシステムの拡大とグローバル展開: 学生起業家の増加に伴い、日本のスタートアップ・エコシステムも拡大・成熟していくことが予想されます。政府は今後5年間で大学発スタートアップを現在の10倍規模に増やす目標を掲げており、これが実現すれば多くの学生が起業に関わるチャンスを得るでしょう。また、学生起業家同士の横のつながりも強まり、情報交換や協業が活発化すると考えられます。先輩学生起業家が後輩に経験を共有したり、エンジェル投資家として次世代に投資する動きも出てきています(実際、Candleを売却した金氏はその後ベンチャー投資活動に参加し、若手起業家支援に乗り出しています (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所))。

さらに将来展望として期待されるのは、学生発のグローバル企業の誕生です。米国ではマーク・ザッカーバーグ氏がハーバード大学在学中にFacebookを創業し、世界最大級の企業に育てた例があります (学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)。日本からも同様に、在学中に始めたビジネスを世界展開しユニコーン企業(企業評価額10億ドル超)に成長させるような逸材が出てくる可能性があります。実際、東大発のAIスタートアップや京大発の創薬ベンチャーなど、学生・研究者主導でグローバル市場を視野に入れた事例も現れ始めています。英語力や海外経験を持つ学生も増えており、学生起業の段階から海外の投資家と接点を持ちスケールを狙う動きも出てきました。

以上のように、過去10年間で日本の学生起業を取り巻く状況は大きく変化し、支援環境の整備と成功事例の輩出によって新たな起業家の卵が育ちやすい土壌ができつつあります。学生起業家は若さゆえの発想力と行動力を武器に、テクノロジーから社会課題まで様々な分野で存在感を示し始めています。今後はその芽を如何に伸ばしていくかが鍵であり、大学・産業界・政府のエコシステムが連携して彼らを支えることで、「第二のFacebook」や世界に通用するイノベーションが日本の学生から生まれる未来も十分に期待できるでしょう。

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