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【13回転職履歴→1社目】地獄のスタイリストアシスタント〜その3〜

憧れのクリエイターライフを夢見て飛び込んだ、スタイリストアシスタントとしての毎日。しかし待っていたのは休みなしの給料なし!超絶ブラックな労働環境。

叱責される毎日の中で精神的にも一杯一杯でしたが、先輩や現場のスタッフの方々に支えられて、なんとか生きながらえる毎日でした。しかし、人間には我慢の限界は徐々に近づいていました…

『何が分かっていないのか?』が分からない

リースからのリース、撮影現場での底張りや梱包、そして返却!休み暇などない毎日。師匠の車で移動する際も『だからあんたは〜!!』といつも怒られてばかり、たまたまあくびをしている時に師匠がやって来て、ビンタされたことも。まさに『親にもぶたれたことないのに!あるけど!』と言ってしまいたいくらい理不尽さのど真ん中で僕は完全に自分を見失っていました。

先輩や他のスタイリストの方々に慰められるものの、慰められれば慰めれらるほど自分が惨めで泣いていました。なぜこんなにも怒られるんだ?

というか…師匠は何にそんなに怒っているんだ?!何が分かっていないのか?が分からないので解決のしようがないわけで…

師匠に何がダメなのかと聞いても、そうやって聞くことがもうダメだ!とまちゃ怒られる…こりゃあ無理だなと思い始めていました。

あんた、もういいから帰んなさい!(怒)

その日もいつものようにリースしたものを持ってスタジオに入り、それを荷解きして、別の部屋で撮影の準備を進めていました。

スタジオではカメラマンやディレクターと師匠が談笑しています。すると師匠が僕を呼びました。するとついさっきまで笑顔で談笑していたのに、急に僕に対して厳しく叱責してきたのです!

ぐちぐち言われている間、カメラマンやでディレクターたちは「可哀想に…」とでも言いたげな表情で僕を見ています。

惨めだ…自分はなんて惨めなんだ…
もう師匠の声も耳に入って来ません。
人は限界になると、心のシャッターが落ちるのです。
心は思考の鎖から解き放たれ、独自の防衛策を講じるのです。

その時師匠は言いました。
『あんた、もういいから帰んなさい!(怒)』

それを聞いた瞬間、僕の心の糸はプチッと切れました。

もうやってられない!辞める!辞めてやる!

僕はそう言われて、
『はい、わかりました…』
と別部屋に行き、“すみませんでした、やめます”と書き殴り、それをスタジオのテーブルに叩きつけて外に出ました。

やってしまった…
という心配と後悔
これで解放される!
という安堵感
いろいろな感情が入り乱れる。
人生で初めての感情です。

僕はコンビニ入り、缶ビールを買い、それを飲んで駅まで歩きました。飲めないビール、美味しいと思ったことのないビールを無駄に飲む、少し大人の階段を登った気がしました。明日からどうしよう…明日からもう苦しまなくて良い!不安と安心が振り子のように頭の中を行ったり来たり。

すると先輩のアシスタントから電話がかかって来ました。
師匠が電話をかけてこいと言っている。
謝った方がよい。
今ならまだ間に合う。
私もしっかりとフォローするから。
戻っておいで、と。

先輩は優しくて、嬉しかった。
しかし僕は戻ることを拒否しました。
もうあんな惨めな思いはしたくないから。


そして後日師匠に電話をかけて、まずは謝罪し、正式に辞めさせてほしいとつたえました。終わりは何のドラマチックさもなく、冷めたものです。


あれだけ憧れていたクリエイターライフ
スタイリストアシスタントとしての僕は、ただ惨めな日々を過ごすだけで終わったのです。そこで僕は何かを学ことができたのか?何を学んだのか?それに気づいたのはだいぶ経ってからのことでした。

耐えるのか?耐えないのか?どっちなんだ?


仕事には少なからず、辛いこと、理不尽なことがあります。
それに耐えられるかどうか?
耐えた先に何があるのか?
もちろん、耐えた先には技術の習得があるでしょう。
技術があればできる仕事の幅も広がる。

問題は心です。
心が壊れるまでやるほどのことか?
そこまでやる必要はあるのか?

人によって答えは違うでしょう。
掴みたい夢によっても我慢のラインは変わってくるでしょう。

でも、しっかりと内なる心の声に耳を傾けてほしい、と僕は思います。僕はもう少しあんな日々が続いていたら壊れていたと思います。でもある意味勇気を出して、そこから抜け出す決心をした。最初の就職は最低だったけれど、その経験は決して無駄にはなっていない。

いや、無駄にならないように、活かせるように考えた。
その果てに今の自分がいます。

給料はなかったけれど、
決してお金では買えない経験でした。
最低な毎日だったけれど、
決してお金では買えない経験でした。


そんなこんなでまたしてもフリーターに逆戻り!
そこから今の自分にたどり着くまでに、数多くの転職を繰り返します。この先どうなっていくのか?これ以上の理不尽に出会うことも!?

今後の更新をぜひ楽しみに!

転職することは怖いことじゃない!そう思ってもらえれば嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。


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