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【13回転職履歴→3社目】普通を知る!HS大学事務スタッフ〜その2〜

クリエイターに憧れて散っていった全ての人たちへ
クリエイターに憧れている今の若者たちへ
クリエイティブ職を志す全ての人たちへ

就活で悩んでいたり、転職に失敗して落ち込んだときに読んでほしい!40歳、これまで13回転職をしてきたドタバタ転職記を、そしてその中で得た転職ノウハウと心構えを!

憧れと勢いで就いた2つの仕事での失敗から、自分に足りないのは『普通』をそして『世の中』を知らないことだと悟った20代前半の僕は、普通を知るために大学の事務スタッフとして働くことに。

これまでとは全く違う、クリエイターとは程遠い仕事から得たものとは?

普通の仕事はちゃんとした仕事

市ヶ谷にあるHS大学。その大学名は誰もが知っている全国的にも有名な私立大学です。歴史も古いが自由な校風らしいということは聞いていました。

高校生時代、大学なぞ行くまい!クリエイターになるのに学歴なぞ不要!センスこそ学歴に勝る武器!と息巻いて、推薦の勧めを断り、親の反対を押し切りデザイン系の専門学校に入学した僕にとって、大学は全く無縁の地でした。まさかそこで働くことになるとは、人生分からないものです。

事務スタッフとして、初の出社?出校?日に担当の割り振りと業務の説明がありました。講義の資料を取りまとめる、それを配る、集める、持っていく、という講義資料を一日中配っては集める業務でした。

・・・なんだこの仕事は、
簡単すぎるぞ!ストレスゼロ!
こんなんで良いのか?
仕事ってこんなんで良いのか?
今までの地獄は何だったんだ?
しかも職員の皆さん、同僚が超絶優しい!


『憂鬱じゃなければ仕事じゃない』
どころではない、
『地獄じゃないとクリエイターのなれない』
世界で生きてきた(通ってきた)自分にとって、この仕事は衝撃でした。

何よりも、自分とそんなに歳も変わらない普通の大学生たちを見ていて気づいたことはたくさんありました。

みんな真面目!そんなに毎日着飾っていないしオシャレでクリエイティブな雰囲気は一切ないけれど・・・キラキラしてるッ!オレンジデイズしてる!


そこが僕との一番大きな違い…
日々何かと勝負しているかのように、作品を作り、クリエイターになるために汗水垂らし、苦悩し、頭からアイデアを絞り出す、それは自己対話であり苦行のようなものでした。何かを生み出さないといけない!生み出せない者はクリエイターにはなれないのだという強迫観念のようなものに取り憑かれていたのかもしれません。

クリエイターという幻想に囚われて、いつも焦っていた。何者かにならないといけない、なれなかったら負け、東京に出てきた意味がない、東京には敗者の居場所などない、と思っていました。

つまり、憧れあるものの、それを楽しむという事はなかったのです。憂鬱でなければ、仕事じゃない!どころか苦労せずにクリエイターにはなれない、自分らしさく自由を得ることなどできない!と思っていたのです。

しかし、日々接する大学生たちは皆楽しそうです。輝いています。きっと明るい未来を思い描き就活などに勤しむのでしょう。そして普通のサラリーマンになる。しかし、その普通の生活は『楽しみ』のある充実したものなのではないか?と考えるようになりました。


抜け落ちていた『楽しむ』ということ

釈迦は出家して6年間苦行して気づいたそうです。『苦行、意味ねーじゃん!!そんなんじゃ悟れねーよ!!やってる感だけじゃん!!』

僕もHSでの業務を通して、普通の大学生たちを間近に見て、そう気付いたのです。好きな事だから我慢しろ、教えてやるから従え、理不尽なんかあって当たり前、当時は『ブラックな働き方』などという言葉もなかった時代です。今よりも雇う側が強かった、しかもクリエイティブやファッション界隈なら尚のこと!スキルを伝承したり、高めていくために時間が必要なのはわかりますが、そのために理不尽でまかり通るというのはやっぱりおかしい。


その時僕は悟りました。

苦しさは自分の心を殺す
苦しさはセンスを鍛えない
苦しさに慣れる事は感性が鈍るということ
…つまりクリエイターに必要な感性は決して伸びない!

スキルや礼儀作法は厳しさや苦しさの中から学べるでしょう。忍耐力もつくでしょう。苦しい毎日の果てに何かゴールはあるかも知れないが、そこに至るまでの毎日は自分を殺す毎日なのだと思ったのです。

その苦しい環境は自己肯定感を下げ
人生を他者に委ねることになる

わざわざ苦しい環境に身を置いても、自分のこれまでの失敗、性格としてどうせ途中で辞めちゃうんだから、無理することをやめよう。そもそもクリエイターになりたいのはカッコ良くて『楽しそう』だからじゃないか!

この気付きは大きかった!
この気付きを得られただけでも、今回の転職に意味はあったのです。

普通とは、当たり前に楽しめる状態のこと

何だなと思いました。
それがあるから、一喜一憂しながらもサラリーマンやれるんだろうな。と世の中がす少し違って見えるようになりました。

そこから業務を通して、教授や職員、同じ仕事ペアで行う同僚とのやり取りの中で僕は居場所をしっかりと見つけれた気がしたのです。この仕事は続けられそうだ、こういう普通の生活もいいもんだな、と思い始めていました。


…続く


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