発想のヒントは、日常で感じる「違和感」の中にある
上司や先輩から、「なんかいいアイデアない?」と聞かれて困ったこと、ありませんか?
私は、入社したばかりの頃によく会議で先輩から言われて、なかなか答えられずに悔しい思いをしていました。
そんな時に、ある先輩から、発想力を鍛えるためには2つの方法があると教わりました。
1つ目は、ヒット商品を実際に体験して、分析することです。
流行っているものには、多くの人の心を捉える理由があります。自腹で体験して、その理由を分析することが発想力につながることを教わりました。
この話は以前、こちらの記事に書きましたので、今回は割愛します。
今日は、2つ目の方法について書きたいと思います。
それは、日常生活の中で「気づき」を発見するアンテナを磨くことです。
今回は、日常の中にどんな事に気をつけていれば発想力が高まるのか、その具体的な方法や事例について紹介します。
日常の「違和感」から生まれたヒット商品
アイデアとは、何かと何かの掛け合わせで生まれると言われてます。
自分の知識や経験と、日常生活の気づきを掛け合わせることで、新しいアイデアを生み出す。これが、発想力を鍛える2つ目の方法です。
新しい発想は、必ずしも高度な分析や、専門的なレポートから生まれるわけではありません。
アルキメデスは湯船の中で浮力を発見しました。
ニュートンは樹から落ちるリンゴを見て万有引力の法則を発見しました。
日常の中には、新しいアイデアにつながるヒントが、実はたくさんあるのです。
といっても、日常の何に着目すればよいか、初めはよくわからないと思います。そんなときは、日常生活の中で感じる「違和感」に着目してみましょう。
家の中で、あるいは道を歩いていて、「なんか変だな」「どうしてこうなっているんだろう」と感じることが、ごくたまに、ありませんか?
そのような「違和感」は、実は「既存製品へのちょっとした不満」や「今までの常識と異なる視点」など、新しいアイデアにつながる可能性が高いものです。
実際に、日常の違和感から生まれた商品は、探してみると結構たくさんあります。
事例1. 小型の水筒
最近よく見る小型の水筒。きっかけは、社長が商談の時にもらったお茶のペットボトルを、飲みきれずに捨てた時に感じた罪悪感でした。
男性の自分ですら余らせてしまうのだから、多くの女性が飲みきれずに罪悪感を感じながら捨てているのではないか、という「違和感」から新しい商品のアイデアが生まれたそうです。
事例2. まんが「はたらく細胞」
アニメにもなった話題のまんが「はたらく細胞」は、マンガの専門学校に在籍していた作者が、卒業課題の題材に悩んでいた時に見た、高校生の妹が生物の授業中に描いた「細胞の擬人化イラスト」がきっかけだったそうです。
擬人化を扱ったマンガは既にたくさんあるものの、「細胞の擬人化」は今までになくて面白い!とピンときたそうです。
このように、新しいアイデアのきっかけは、意外と日常の中の「違和感」の中に眠っているのです。
「違和感」と「アイデア」をセットで考えよう
発想力を高めるには「違和感」を見つけるだけでは十分ではありません。「違和感」と「アイデア」をセットで考えることにより、発想力を高めることができます。
といっても、難しく考える必要がありません。
私が講師を担当している法政大学の「マーケティングリサーチ論」の中で学生たちに、次のような課題を出したことがあります。
すると、特別な訓練を受けたわけではない、普通の学生たちから、たくさんのユニークな「違和感」が集まりました。
今日は、そのうちの一部をご紹介します。
どれも、日常の中の違和感を上手に発見できていると感心しました。
もちろん、これらのアイデアからすぐに商品やサービスが生まれるわけではありません。
しかし、違和感を違和感のままにせず、アイデアまで考える習慣を日頃から持つことが重要です。
このような習慣が、上司や先輩から「なんかいいアイデアない?」と急に言われた時にも、パッとなにか答えられる瞬発力を養うと思うのです。
発想力は、訓練できる
発想力は、生まれ持ったセンスではなく、トレーニングです。日常の違和感をもとに自分なりに考える訓練をすることで、発想力は高まります。
日常生活で「あれ?」と違和感を感じたら、そのままにせず、発想力を鍛える機会にしてみてください。
※Twitterで気になる記事に、一言コメントをつけて投稿しています。これも、発想力の訓練になるかも。
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