8月16日まで! ぜひ、いや絶対に見てほしい!企画展「科博の標本・資料でたどる日本の哺乳類学の軌跡」
国立科学博物館(東京都・上野公園)の日本館1階、企画展示室にて、8月16日(火)まで開催中の企画展「科博の標本・資料でたどる日本の哺乳類学の軌跡」。
2023年は、日本で初めて哺乳類を研究する学術団体ができて100周年の年であり、日本の哺乳類が世界に紹介されるきっかけとなった、シーボルト来日200周年の年であることを記念して、この企画展では、日本の哺乳類研究の歩みを紹介しています。
監修は国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループの川田伸一郎先生。
「世界一多くの哺乳類標本を作った男におれはなる!」が川田先生の目標!!!
ふだんは展示には出さない研究用標本の中から、川田先生が特にお気に入りの標本を厳選して展示。この企画展だけに出した、これ以外では、もう2度と見れないものもあるとか、ないとか。それぞれの展示に関するエピソードもすべて川田先生が執筆、面白いこと間違いなしです! とにかく熱量が半端ない! 「こんな展示今まで見たことがない!」というくらいに、とにかくすごい! 「行ってよかった」って絶対に思います!
「少年写真ニュース」7月8日号でも特集をしましたが、本当に素晴らしく、じっくりと見ていただきたい展示です。「日本の哺乳類学ってなんぞや?」という方でも存分に楽しむことができます!
特集で掲載した記事を再録する形でこのページではご紹介いたします。
入り口のパネルに、よ〜く見ると、穴が開いています。。のぞいてみると……。いや、最後にのぞいたほうがいいかもしれないです。なかなか見ることができない「あれ」が見えます。こんなところにも川田先生の遊び心が!
教育用掛図は国立科学博物館を作った一人とも言われる田中芳男さんによるもの。
「マングースを沖縄に放した人」で有名になってしまった渡瀬庄三郎さんが日本哺乳動物学会を設立。
雪男がいると信じられていた時代に、ヒマラヤに向かった調査隊が収集したヤマジャコウジカの剥製。
戦後に日本哺乳類学会の前身の1つであった日本哺乳動物学会発足の中心となり、ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバを「世界三大珍獣」に選んだ高島春雄さんを紹介したくて、この企画展を川田先生が考えたそうです。
1907年にドイツから上野動物園に連れてこられ、史上最高入園者を記録するほど人気だったキリンの剥製。
1888年にタイの国王から贈られ、上野動物園で飼育されていたアジアゾウの全身骨格標本。
国立科学博物館で展示されているヨシモトコレクションの本剥製は、生きていた時の姿を忠実に再現しています。常設展示(地球館3階)でもぜひ見てください!
川田先生が川で釣りをしている際に、流れてきたので必死に助けたけれど、死んでしまったネコの標本も。
ご紹介した以上に、ものすごくたくさんの標本が展示されているので、実際に足を運んで、ぜひじっくりと1つ1つ堪能していただければと思います!
展示には必ず標本ラベルをイメージしたキャプションが置いてあり、すべて川田先生が執筆。読むとさらに理解が深まり、意外なエピソードなども盛り込まれていて、とても楽しめるます。展示を見ながら、ぜひ1つ1つ読んで、楽しんでください!
標本を見ながらも、その背景にある歴史、歴史を紡いできた方々の凄さ、偉大さ、そして垣間見られる人間らしさ。
哺乳類学の歴史を辿りながら、数々の人の足取りや人生まで感じることができ、最終的に、「川田先生がめちゃくちゃすごくないか⁉︎ すごすぎるんですけれど!」という結論に達しなくてはいけなかったことに気づきます。
ぜひご覧ください。そして、この企画展、図録か書籍に本当にしていただきたいです!