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先生たちの夏フェス!「Teachers'HUB」(6)pick up セッション①

〈2―B〉探究×AI〜まずは先生のパートナーとして〜


 探究学習にまつわる問題に対して、まず先生がAIを活用することでどんなことができるのかを考える、新渡戸文化中学校・高等学校の勝田浩次先生のセッションのレポートをダイジェストでお届けします。

勝田浩次先生

新渡戸文化学園での取り組みについて

 水曜日は1日丸ごと探求の日と位置づけていて、時間割として現実に組んでいるものではなく、基本的にはゆとりを持っています。アウトプット型テストというのは、期末テストではなく、発表形式のテストで、小論文にしたり、演技にしたり、レポートを書いたり、そんな感じです。

 子どもたちが、大きく変わったなと思う点は、学科とか研究室を見て大学を選ぶようになったというのが僕らの実感で、こういうのをどんどん加速させていきたいなというところです。

 新渡戸でも徐々に生成AIを子どもたちの教育活動の中で使っていこうということを進めています。

学校現場でのAIのあり方について考える

 今回のセッションは、今どんな感じでAIが進んでいるか、どんなことができるのかというのをまずは触っていただくというワークショップです。

 パートナーとしてAIが使えるんではないかということを事例として報告しつつ、一方で小学校の先生方からすると、子どもたちがAIを使うというのは現実的ではないと思うので、じゃあ先生がどういうふうに使えるかというところで想像を膨らませていただけたらいいなと思っています。

 2024年はスマホの中に生成AIが組み込まれたものがどんどん出てきているという見通しが出ています。学校現場に関わるものとしては、子どもたちに、正しく理解してもらって、なるべく防げるところは防いであげたいなと。失敗から学ぶということも大事だと思うんですけれど、しなくてもいい失敗は、してもらわなくてよくて。そういった意味で子どもたちにAIを伝えることは大事だなと思っています。

 例えば、自分たちが入力した内容からこういう繋がりがあるんだなというのをニューラルネットワークが学習して、AIが学習します。気をつけないといけないのは、個人情報などをアップしてしまうと、他の人の回答結果にも出てきてしまうこと。失敗や間違いを含む可能性がありますと。使用する際には、その点を十分気をつけてください。

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新渡戸文化学園でのAIの活用について

 新渡戸では9月から生徒がちょっと触るという段階へ進もうと思っています。

 まずガイドラインを作って、保護者に知ってもらって欲しいなといういろいろな情報をまとめて、実際に僕らが使う時には、こういうところを気をつけますとか、こういう順番でやりますというのを作った上で、ちゃんと同意をとって、今進めているところです。

 どこでAIを使うかというところですが、文章添削をしたり、自分の興味を深掘りするときに使ったり。

 例えば、新渡戸では自分の好きなことを一人で追究していきます。必ず先生と相談するのですが、その先生と相性が良かったり、その分野に詳しい先生だったら良いのですが、そうじゃないと迷います。

 その部分を、AIを使ってサポートできるんじゃないかなと。

 生徒が使うのはもちろん、先生がAIに尋ねるのも僕はいいなと思っています。

 実際に生徒が「うん」って言ったけれど、なんか微妙そうだなって思うことってありますよね。そういう時に探究したい生徒に対して、どんな質問をしたらいいかという、そういうのを尋ねられるプロンプトを考えられればいいかなって。そうやって生徒の探究活動の伴走をしていくといいんじゃないかなと思っています。

 AIの画面を見ながら、でも生身の人間として対応をして、子どもはスッキリして帰っていくというのに使えるんじゃないかなとか。あとはみなさんに授業案を作るサポートとして使ったり、自分の頭の中の整理に使ったりっていうのもいいと思います。■

(7)へ続く〉

セッションの様子


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