地域の食文化もイロイロ大変
昨年12月高知県に行ってきました。
地域商社として活躍している四万十ドラマさんへの視察です。
その視察の一環で、めちゃくちゃうまいカツオのタタキを食べさせてもらいました。
四万十ドラマの代表 畦地さんの紹介で、一緒に地域を盛り上げるためにがんばる田中鮮魚店です。
ちゃっかりふるさと納税の返礼品で田中鮮魚店さんのカツオ頂きましたー!
めちゃめちゃ美味しかったです。ごちそうさまです!
いつも食べていたから美味しい食べ方を知っている
昔は一本5,000円ぐらいだったカツオが、
最近では東京で高く売れることもあり、1本20,000円とかになってるらしい。
社長の田中さんが話していたことがとても印象に残っている。
「昔の漁師はこれしか食べるのがなかった。毎日食べていた。だから一番美味しい食べ方を知っている。」
「最近は、東京とかに高く卸せるようになった。でも値段が上がり地元の人が買えなく(買わなく)なっている。」
「短期的に漁師は儲かるからOKだけど、長期的に考えると地元の人が食べなくなるから地元の食文化が壊れる。無くなる。どうやったら美味しいかという技術が無くなってしまう。」
「東京を介するとなんでも高くなる。結局は東京側が儲ける仕組み」
「もっと地域と地域がつながって、余っている物・欲しい物を融通できるようになると価格も変に上げる必要がないからいいのにね。」
価値が上がるのもいいけど
地域活性化のお手伝いをしていると、
「付加価値をつけて高く売れるようにしましょう!」
とい、地域の人に伝えることも多い。
でも、田中さんの言う通り、地域の文化を壊したら元も子もない。
なぜそれに付加価値をつけることができるのか、
それを持続するにはどうするのか、どうしないといけないのか
しっかり本質と向き合いながら、長期的な視点を持って動かないと、良かれと思ってやっていることが逆効果になってしまう。
もっと考えて行かないといけないとウチアタイしました。
ヤギ汁の値上がり
皆さんご存知のヤギ汁。
数年前から値上がりしているって知っていましたでしょうか。
観光客やこれまでヤギを食べていなかった人に需要が広まったり、臭みの少ない肉の登場により需要が高まり、5年ぐらい前から値段が上がっているらしいです。
昔は1杯1,000円だったヤギ汁が今は1,500円~。
観光客向けなどになると1杯2,500円で販売されているようです。
今お仕事で少し関わっているヤギ農家さんからは、
「ウチナーンチュ(ヤギ好き)にとってヤギ汁は、飲んだ帰りに1,000円で食べるもの。急に1,500円になったら、お客さんに『なんでよ!』と文句言われるから、お店もなかなか大きな値上げができない。」
「値上がりした分、ヤギ汁屋さんは経営が苦しい。豚や牛と違って屠殺は機械化されてなくて、手作業。手作業だから価格も高い。だからヤギは闇屠殺も多いさ。」
という話がありました。
このヤギ農家さんは「ヤギ食文化をもっと広めたい!」と
国頭でヤギの商品開発やヤギカフェのオープンに向けて頑張っています。
ヤギ食文化が広がって、需要も高まり、価格も上がったから生産者は嬉しいはずだけど、食べる回数が減った昔ながらのファンもいるのかな。
安く食べるには需要も供給も増えないといけないですからね。
県外産の県魚グルクン
皆さん沖縄の県魚、グルクン知ってますよね?
高知県の四万十川で美味しい鮎の塩焼きを食べましたが、
やっぱりグルクンの唐揚げのほうが好きだなーと思いました。
ところで、最近のグルクンは県外産が増えてる知ってました?県魚なのに
近所のサンエーで確認してみました。
ベトナム産ですね。Ngon qua!
県産のグルクンは実は、
伝統のアギヤー漁を続ける伊良部島が主な水揚げ地で、県産グルクンの8割がここのグルクンだったんだと。
でも、近年は潜り手の後継者不足により漁に出れていないようです。
しかもそのアギヤー漁を行っているのは、2017年のニュース時点で伊良部島の国吉が率いる国吉組の9人のみ。9人の平均年齢は65歳。危機的な状況。
食文化には自分の原体験がないか
技術の問題、価格の問題、後継者の問題。
地域の食文化は課題だらけ。
地域で食べられてきた食文化、未来にも残したいですね。
これを読んでくださった皆様も、地域の食文化に目を向けてみてください。
そこには今のあなたをつくった、自分自身の原体験があるかもしれません。
私達は20年後、50年後、100年後の地域に何を残したいのか。