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【読書記録】夜空に泳ぐチョコレートグラミー

今回は、【夜空に泳ぐチョコレートグラミー】についての要約と紹介を行いたいと思います。


・本の概要

短編が連作形式で収録された作品です。
各短編は独立した物語として成立しながらも、登場人物や舞台が巧妙にリンクし、全体として一つの大きな物語を形作っていた印象を受ける作品でもあります。物語の舞台は、山に囲まれたすり鉢状の小さな町で、そこで暮らす人々の日常、悩み、そして希望が描かれています。

各編のタイトルと簡単なあらすじは以下の通りです:

「カメルーンの青い魚」
 
主人公サキコと幼馴染のりゅうちゃんを中心に、愛と別れ、そして生きづらさを描いた物語です。りゅうちゃんは、カメルーン原産の青い目のメダカ「アフリカンランプアイ」をサキコに残して去ります。この魚は、りゅうちゃんの孤独を象徴しているのだが、、、

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」
中学生の晴子と啓太を軸に、複雑な家庭環境で育った二人の友情と成長を描いた物語です。チョコレートグラミーという魚の口内保育の習性が、晴子と祖母の関係を象徴するモチーフとなっています。

「波間に浮かぶイエロー」
喫茶店のオーナーである芙美(おんこ)と、過去の同僚で妊婦の環を中心に、性別を超えた愛と自己受容を描いた物語です。性転換する魚「ハナヒゲウツボ」が、芙美の生き方を象徴的に表現しています。

「溺れるスイミー」
主人公の唯子が、トラック運転手の宇崎との出会いを通じて、自由を求める一方で、場所に縛られない生き方への葛藤を描いた物語です。旅する魚「スイミー」が、唯子の生き方を象徴しています。

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