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【読書記録】生き方
今回は、【生き方】についての要約と紹介を行いたいと思います。
忙しくて本が読めない貴方へ
・本の概要
京セラやKDDIを創業し、経営破綻した日本航空(JAL)の再建にも尽力したカリスマ経営者、稲盛和夫氏が、自身の人生哲学や経営観を平易な言葉で語った書籍です。
この本は、単なるビジネス書ではなく、人がいかに生きるべきか、人生の目的とは何かという根源的な問いに、稲盛氏自身の経験と哲学に基づいた答えをだしています。
この書籍は、稲盛氏の人生観、仕事観、そして宇宙観といった多岐にわたるテーマを扱っており、その内容は以下の5つの章に分かれています
•第1章:思いを実現させる6:願望の重要性、目標達成のための具体的な思考法、そして潜在能力の引き出し方について解説されています。
•第2章:原理原則から考える6:人生や仕事における判断基準、シンプルな原理原則に従うことの重要性を説いています。
•第3章:心を磨き高める6:人格形成の重要性、素直な心、感謝の心、利他の心といった徳の大切さを述べています。
•第4章:利他の心で生きる6:他者への貢献、社会貢献の重要性を説き、自己中心的ではない生き方を推奨しています。
•第5章:宇宙の流れと調和する6:宇宙の意思に沿った生き方、魂を磨くことの重要性を説いています。
稲盛氏の人生哲学のエッセンスが詰まっており、自己啓発、経営、倫理、道徳、精神的な成長など、多角的な視点から読者に気づきを与え、ビジネスマンだけでなく、人生の指針を求める多くの人に支持されています
・本から学べること
「生き方」から学べることは多岐にわたりますが、特に重要なポイントを以下にまとめます。
人生の目的と魂の成長
人間が生きる意味は、生まれたときよりも少しでもましな人間になる、すなわち、魂を磨き、より美しく崇高な魂を持ってこの世を去ることにあると説いています。人生の目的を、名誉や財産を得ることではなく、魂の成長におくべきだと述べています。
人格形成の重要性
人の人格は、生まれ持った性格と、人生の過程で身につける哲学によって形成されると述べています。特に、人間として正しいかどうかを判断基準とすることが重要であり、子供の頃に教わったようなシンプルな倫理観を大切にすべきだと説いています。嘘をつかない、正直である、欲張らない、自分のことばかり考えないといった基本的な道徳観が、人格形成において重要です。
考え方の重要性
人生や仕事の結果は、「考え方」×「熱意」×「能力」で決まると説いています。この中で最も重要な要素は「考え方」であり、考え方がマイナスだと、どれだけ熱意や能力があっても良い結果は得られないと指摘しています。正しい考え方を持つことが、人生を成功に導くための第一歩であると述べています。
願望の力と実現力
物事を成し遂げるためには、まず強く願うことが重要であり、その願望が明確であれば、実現への道筋が見えてくると述べています。目標達成のためには、頭の中で具体的なイメージを繰り返しシミュレーションすることが重要です。
原理原則の重要性
複雑な問題に直面したときこそ、原点に立ち返り、シンプルな原理原則に従って判断することが大切だと説いています。
利他の心と社会貢献
「してもらう」立場ではなく、「してあげる」立場に立ち、周囲に貢献していくことが大切だと述べています。利他の精神で得たお金は、利他の精神で使うべきであり、社会貢献を通じて財を「正しく」散じるべきだと述べています。
謙虚さと感謝の心
常に謙虚であり、感謝の気持ちを忘れないことの重要性を説いています。また、素直な心で人の意見を聞き入れ、自分の誤りをすぐに改めることが、成長の糧となると述べています。
継続と改善
昨日と同じことを漫然と繰り返すのではなく、今日よりも明日、明日よりも明後日と、少しずつでも改良や改善を加えていくことが重要だと述べています。
知識よりも体得
「知っている」ことと「できる」ことは必ずしもイコールではないため、知識だけでなく、実践を通じて体得することの重要性を説いています。
楽観的な構想と悲観的な計画
新しいことに挑戦する際には、まず楽観的に構想を広げ、実現可能なイメージを描き、次に、あらゆるリスクを想定して悲観的に計画を立て、最後に、楽観的に実行に移すことが重要だと述べています
・印象に残った言葉
「この世へ何をしにきたのか」と問われたら、私は迷いもてらいもなく、生まれたときより少しでもましな人間になる、すなわちわずかなりとも美しく崇高な魂をもって死んでいくためだと答えます。」
人生の目的は魂の成長にあるのです。
「試練を「機会」としてとらえることができる人──そういう人こそ、限られた人生をほんとうに自分のものとして生きていけるのです。」
困難な状況に直面したときに、それを成長のチャンスと捉えることの重要性を示唆しています。
「心が呼ばなければ、やり方も見えてこないし、成功も近づいてこない。だからまずしっかりと願望することが重要である。」
目標達成のためには、まず強く願うこと、そしてその願望が明確であれば、具体的な方法が見えてくることを教えてくれます。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことが物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのです。」
この言葉は、目標達成のための具体的なプロセスを示しており、計画段階でのリスク管理の重要性と、実行段階でのポジティブな姿勢の大切さを教えてくれます。
「二つの道があって、どちらを選ぼうか迷ったときに、おのれの利益を離れ、たとえそれが困難に満ちたイバラの道であろうとも、「本来あるべき」道のほうを選ぶ。そういう愚直で、不要領な生き方をあえて選択する。」
困難な道であっても、正しいと信じる道を選ぶ勇気が必要なのです。
「好き」こそが最大のモチベーションであり、意欲も努力も、ひいては成功への道筋も、みんな「好き」であることがその母体になる。」
何事も「好き」という気持ちが、最大の原動力になることを教えてくれます。
「込み入って複雑そうに見える問題こそ、原点に立ち返って単純な原理原則に従って判断することが大切。」
複雑な問題に直面したときこそ、シンプルな思考に戻ることが大切であるのです。
「感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親であるかもしれません。」
感謝の気持ちと素直な心が、幸福と成長の源であるのです
「お金は儲けるより使うほうがむずかしいといいます。利他の精神で得たお金はやはり利他の精神で使うべきであり、そうやって財を「正しく」散じることでわずかながらでも社会貢献を果たしていきたいと考えています。」
お金を稼ぐことよりも、その使い方の方が重要であり、利他の精神でお金を使うことの意義を説いています。
「私は、これからの日本と日本人が生き方の根に据えるべき哲学をひと言でいうなら、「足るを知る」ということであろうと思います。」
物質的な豊かさだけでなく、心の豊かさを求めることの重要性を説いています。
「因果が応報するには時間がかかる。このことを心して、結果を焦らず、日ごろから倦まず弛まず、地道に善行を積み重ねるよう努めることが大切なのです。」
この言葉は、善い行いを続けることの大切さ、そして、その結果を焦らずに、地道に努力を続けることの大切さを教えてくれます。
「人生や仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」
「人生とはドラマであり、その主人公、監督、脚本のすべてを自分自身がこなしている。」
人生を主体的に生きないとですね。
「知っている」ことと「できる」ことは必ずしもイコールではない。」
知識だけでなく、実践を通じて体得することの重要なのです
・最後に
稲盛和夫氏の人生観、仕事観、そして人間観が凝縮された一冊であり、読む人それぞれに、生きる上での指針や示唆を与えてくれます。
本書から、私たちは、人生の目的を明確にし、正しい考え方を持つこと、そして、利他の心を持って社会に貢献することの大切さを学ぶことができます。また、目標を達成するためには、強い願望を持ち、具体的な計画を立て、粘り強く努力することが重要であることを再認識できます。
本書は、単なる自己啓発書ではなく、人生哲学の入門書として、幅広い層の人々に読まれています。この本を読むことで、私たちは、より良い人生を歩むための方針や、困難を乗り越えるための勇気、そして、人間としての成長を促すヒントを得ることができます。
稲盛氏の言葉は、シンプルでありながらも、非常に力強く、私たちの心に深く響きます。本書を読み終えた後、私たちは、自分自身の生き方を見つめ直し、より良い人生を歩むための一歩を踏み出すことができるでしょう。