新しい本を出版しました!「WILL―ビッグヒストリーで語る 宇宙のはじまりから人間の未来ー」
今回、ビッグヒストリーという分野についての新しい本を出版しました。ビッグヒストリーとは、人間の歴史のみならず、生命や宇宙の軌跡までを含む、138億年の歴史です。これから、その概要について、以下では映像と共に紹介しています。
本書ではビッグヒストリーという、138億年にわたる、「宇宙が誕生してから私たち人間が現代文明を築くまでの歴史」の解説を通じてこの世界について知るという非常に野心的な書籍となっています。
宇宙
最初、世界には何もありませんでした。時間や空間さえも。一三八億年前に誕生した瞬間の宇宙は驚くほど小さかったのですが、一瞬のうちに巨大化して1㎝ほどの大きさになりました。
そして、その瞬間、超高温となって膨張を続けたのです。そんな小さな空間で起こった大爆発は、すべてを生み出す無数の「種」をばら撒き、それが集まってより大きく複雑な塊になっていったのです。そうして次第に、数億年後には輝く星々や銀河が生まれていき、92億年ほど経つと太陽系が誕生し、のちに青く美しい地球も、多様な生物も、私たち人間も生まれていきました。
地球と生命
四六億年前、生まれたばかりの地球は灼熱の大地でした。ところが気温が下がり、雨が降るようになると、海が生まれました。海中では物質が混ざり合って複雑になっていき、地球の誕生から数億年後には生命が誕生。その後、地球は何度も氷に覆われたり、大規模な気候変動に見舞われたり、巨大な隕石が衝突したりしてきました。そうして幾度となく大量絶命を乗り越えつつ、生物は変化を繰り返し、過去数千万年の間では、哺乳類が繁栄し、その一種が私たち人間です。
人間
それでは人間はどのような歩みを経てきたのか? その始まりは時を巻き戻すこと二〇万年前。実は人間は、東アフリカのサバンナで、地味に細々と生きていたサルにすぎませんでした。しかし、そんな目立たなかった人間が一〇万年以上も経つと、ある能力を身につけました。それにより人間は大勢で団結し、それまでには考えられなかったほどの複雑な社会を作るようになったのです。その結果、人間は世界中に広がり、多くの大型動物を倒し、農業を始め、都市や帝国を築いていきました。
そして、過去二〇〇年ほどの科学の発展はすさまじく、生まれた時には細々と暮らしていた人間は、いつの間にか、ウイルスに対抗し、空を飛ぶどころか月を歩き、地球の裏側の人ともコミュニケーションが取れるようになり、スマートフォンにより片手で世界中の情報にもエンターテインメントにもアクセスできるようになりました。私たちが生きているのは、このタイミングです。
未来
長期的には、太陽の膨張により、数十億年で地球は飲み込まれ、太陽は寿命を迎えます。同時期に私たちのいる銀河が隣の銀河と融合して、巨大な銀河となります。
1000億年後には銀河同士が離れすぎて見えなくなる。
100兆年後、つまり10の14乗年後には星が生まれなくなり、宇宙から輝きが失われる。
10の100乗年後には、唯一宇宙に残っていた巨大なブラックホールも完全に消え、真っ暗で空っぽな宇宙はひたすら膨張を続けていきます。
それでは、これから先数十年程度の人間の未来に目を向けるとどうなるのか?
現在の人間社会は複雑になりすぎてしまい、今では誰もコントロールできていません。そんな中、私たちは、自らを滅ぼすことができる兵器を持っています。また、魔法のような道具を生産し続けてきた代償として空気がひどく汚れ、地球の温度が急上昇してしまっています。IPCCや国連はこれからの数十年で何十億人もの人が貧困に苦しんだり、世界中で今よりもさらに大規模な自然災害が多発するなど、気候変動が極めて深刻であると警鐘を鳴らしています。
さらに、同時期にテクノロジーによる自動化で大量の失業者が生まれる懸念もあります。機械によって仕事が代替されることで、人間に残される仕事が限られるのです。
そうした世界規模のあらゆる難題により、世界の何十億人もの人々が苦しむことになります。
人間は、魔法のようなテクノロジーを手にしたまさにその直後、数年後ですら先がまったく見通せない社会で生きており、史上最大の分岐点に立たされているということです。
一〇〇年後の私たちはどうなっているのでしょうか? 地球は荒廃し、一部の人間は火星の基地に住んでいるかもしれません。知能や寿命が大幅に拡張されたり、サイボーグ化したり、インターネットと脳がつながったりしている人がいる可能性も高いです。すでにそうした研究は急速に進んでいます。はたして、私たちはどのような社会を作るべきでしょうか? その疑問を提起するのに、今が最も適切なタイミングかもしれません。
本書では、この世界の大きな歴史を振り返り、さらに人間社会の未来にまで目を向けています。それらを通じて、大きな視野を持ち、生き方までも考えられるかもしれないという想いがあります。
また、内容の正確さを重視しているため、本書には130を超える注釈があり、それらは著名な学者による書籍や論文、あるいは公的機関によるサイトなどによる情報にサポートされています。本書を書き上げるのには少なくない費用や時間を費やしました。ぜひ、興味があれば読んでいただきたいと思います。
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【加藤の詳細について】
著者、講演家、幸福学&ビッグヒストリー研究家
・加藤将馬のウェブサイトはこちら
・オンライン講演会等(Youtubeはこちら)
【著書の紹介】
WILL ―ビッグヒストリーで語る 宇宙のはじまりから人間の未来―
紙の書籍:2728円
→電子書籍版:680円
「宇宙はどのように始まり、どうやって私たち人間が生まれたのか?」
「人間は他の動物と何が似ていて何が違うのか?」
「数十年後にはゾッとするような未来が待っているというのは本当なのか?」
誰しも、こうした疑問を抱いたことはあるのではないでしょうか?
本書は、「ビッグヒストリー」を軸にした1冊です。ビッグヒストリーとは、文字通り、「大きな歴史」を意味します。通常、世界史といった分野が説明するのは、文明が誕生してからの5000年ほどの期間です。しかし、ビッグヒストリーでは、宇宙138億年を大きな1つの歴史としてまとめます。人間の歴史どころか、宇宙のはじまりや、生命の進化、そして現在や未来までの歴史を説明する、とても興味深く野心的な分野です。
また、できる限り正確な情報に基づいて書くことにも尽力しました。本書では日本語も英語も問わず、数多くの書籍や論文や信頼のおけるサイトからの情報を参照しました。注釈の数は130を超えます。以下のウェブサイトに載せているので、詳細を知りたい場合や、事実確認をしたい場合にぜひご参考にしていただければと思います。
※本書の詳細・注は以下をご参照ください。
https://kato-shomas-website2.webflow.io/
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