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最近は「ドーピング」された野菜も増えているけど、決して悪いドーピングというわけではない。

ベジセントリック

サラダ専門店が誕生したり、焼肉店がサラダバーを置くようになったり…。
昔に比べると、野菜の地位が向上している感がありますね。

「ベジセントリック」という言葉があります。
これは「野菜が主役」という意味の食育造語。

  • サラダボウルをメインディッシュにする

  • 野菜を切らずに丸ごとローストする

  • 野菜を大きく切ってステーキにする

といった工夫で、野菜に「主役としての貫録」をつけて楽しむことを「ベジセントリック」といいます。

ちなみに、この言葉の切りかたは、「ベジセン・トリック」ではありません。
正しい切り方は「ベジ・セントリック」です。
マレーシアの首都が「クアラルン・プール」ではなく「クアラ・ルンプール」であるのと同じです(どこが?)。

機能性野菜

ベジセントリックを楽しく実践するためには、野菜そのものクオリティにもこだわりたいところ。
そのこだわり要素の1つに「機能性」があります。

  • ケルセチンの豊富なタマネギ

  • スルフォラファンの豊富なブロッコリー

  • リコピンを高濃度に含むトマト

これらは見た目はごくふつうの野菜に見えますが、じつは機能性成分を高めた「機能性野菜」と呼ばれるもの。

2015年に「機能性表示食品」の制度が始まりましたが、この制度で、野菜、果物、穀物などにも機能性の表示ができるようになりました。
それまでのトクホ(特定保健用食品)の制度では、主にサプリメントなどの加工食品や一部の飲料ばかりが効能効果の表示をしており、野菜や果物、穀物などは蚊帳(かや)の外でした。
しかし「機能性表示食品」の制度では、効能効果の表示ができる対象が食品全体に広がりました。
つまり、農産物や水産物などの生鮮食品も対象になっています。

それ以降、「機能性」という付加価値のついた野菜が次々と生み出されています。
これらを「機能性野菜」と呼びます。

機能性野菜のタイプ

「機能性野菜」には、

<見直され型>
普段よく見かける「なじみ深い」野菜だけれども、機能性成分が多く含まれることが近年になって分かってきたり、新しい機能性成分が発見されたりして、注目されているもの。
例:
* イソフラボンを含む大豆
* アントシアニンを含むナス
など

<ニューフェイス型>
これまであまり見かけなかったが、機能性成分が多く含まれるということで話題になり、だんだんとスーパーの店頭でも見られるようになってきているもの。
例:
* ボルシチの材料にも使われるビーツ
* パープル野菜
など

<ドーピング型>
機能性成分を多く含むように特別に育成されたり、品種改良されたりしたもの。
ここでは「ドーピング」という表現を使っていますが、悪いドーピングではありません。
例:
* ケルセチンを増量したタマネギ
* リコピンを高濃度に含むように育てたトマト
など

という3つのタイプがあります。

農産物への回帰

機能性野菜がどんどん市場に出てくるようになると、
これまでサプリメントに頼っていた人たちが、野菜に「戻る」トレンドが生まれるのではないか
と予想されています。
”サプリ派”の人たちの多くは、食事ではじゅうぶんに得られない栄養をサプリメントで補おうとしているわけですが、野菜の栄養がこのように強化されれば、味気ないサプリメントより美味しい野菜のほうがいいと考える人も出てきます。
これは「農産物への回帰」と呼ばれ、欧米ですでに始まっている現象です。



機能性フード検定


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